日本女子卓球界の「黄金世代」を代表する伊藤美誠さん。2017年8月の「ITTFワールドツアー・チェコオープン」で、今季シングルスで初タイトルを獲得し、ダブルスでも優勝。自身初となる二冠を達成したことが、記憶に新しいです。最近は卓球王国であり、好敵手も多い中国の言葉やその文化にも興味を持ち始めたという伊藤さんに、日本語と中国語の違いやそれぞれの魅力について伺いました。
遠征で中国に滞在することも多く、せっかくなら中国語ができるようになりたいと思うようになりました。少しずつですが読めるようになってきて、最近は「Weibo(微博・ウェイボー)」という中国のSNSに、中国語で投稿もしています。投稿内容は、「我现在到达中国(今、中国に着きました)」といった簡単な内容ですが、現地のファンの方から「欢迎你(いらっしゃい)」などと返信をいただけると、ちゃんと伝わっていることが実感できてうれしくなります。
中国語で、卓球は「乒乓球(ピンパンチュウ)」と言います。「球(キュウ)」がつくのと、「ピンポン」と音の響きが似ているので、すぐに覚えられました。中国語は日本語の漢字と比べると、同じ読みや意味を持つ漢字でも形が複雑という印象。それでも、初めて見る言葉でも意味を想像しやすいのは、日本語の漢字の知識が下地としてあるから。漢字を見慣れている日本人にとって、中国語は比較的習得しやすい言語なのだと思います。
中国語と比べて、日本語には敬語があるところがいいと思っています。言葉の面でもしっかりと上下関係が示されていることに、日本の文化を感じられるからです。そういった日本語の言葉遣いの細やかさがあることで、目上の方や同世代の仲間たち、さまざまな立場の人とのコミュニケーションがうまくでき、関係性が築けているのだと思います。
今、さまざまな分野で同じ年頃の方々がたくさん活躍されていて、とても刺激になり、同世代ってすごくいい存在だなと感じています。特に卓球で共に戦っている仲間はいい友達であり、よきライバルでもあり、お互いに切磋琢磨しあえる関係です。一緒に練習をしたり、みんなのプレーを見て学ぶことも多くあります。
それぞれにプレースタイルがあるように、「試合前にこれをやる」といったルーティーンもあるようなのですが、私は、特にルーティーンは決めていません。「何かやらないといけない」「何かを持ってないといけない」など、自分にルールを課すように感じて、少し苦手なので。いつでも卓球を楽しむという気持ちで試合に臨んでいます。緊張して自分のプレーが出せないと悔しいので、リラックスすることが自分にとって一番いいことだと感じています。
これから漢検受検や自分の目標に向けて頑張ろうとされている方も、自分にプレッシャーをかけすぎず、リラックスして取り組むことが一番だと思います!例えば漢検だったら、「特別な試験」と思いすぎず、「いつも学校で受けているテスト」と同じぐらいに捉えて臨めば、自分の力を発揮できるのではないでしょうか。そして、たとえ結果がうまくいかなかったとしても、終わり方に悔いが残らないように挑戦していってください。応援しています。
もっとたくさんの人に卓球を好きになってもらいたいので、テレビ中継での試合なら「日本中で卓球を見てくれている人がいる」と考えるだけで頑張ろうと気合いが入ります。私の試合を見て「私も頑張らなきゃと思えた」など、人に勇気を与えられる存在になりたい。それが私の原動力となっています。
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