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私の好きな漢字と漢検 vol.13(後編)目標に向けて、一段ずつ上がっていこう 笑い飯 哲夫さん

 奈良県出身で、県内でも屈指の進学校である奈良高校から関西学院大学に進学されている「笑い飯」の哲夫さん。学生時代にはアルバイトで塾の講師を経験されたこともあり、真面目に教育と向き合ってきたそう。そんな哲夫さんから、学生時代の勉強法やモチベーション維持に必要なことなどを伺いました。

笑い飯 哲夫(わらいめし てつお)さん1974年奈良県生まれ。関西学院大学出身。吉本興業所属。相方・西田幸治さんとともに、2000年にお笑いコンビ「笑い飯」を結成。「NHK上方漫才コンテスト」最優秀賞、「ABCお笑いグランプリ」優勝、「オートバックスM-1グランプリ2010」優勝、「上方漫才大賞」大賞を受賞するなど、数々の受賞歴がある。芸人としての実力はもちろん、独自のセンスにも注目が集まる。

大きな目標と小さな目標、両方立てることが大切

 小学生の頃からサッカーをやっていたんですが、進学した中学校にサッカー部がありませんでした。「高校はサッカー部のあるところに行きたい」という思いがあったので、志望校への合格を目標に勉強していました。その大きい目標を達成するために考えたのが、目先の小さい目標を立てるという方法。「ドリルを何ページ進めたら、冷凍庫にあるアイスを食べよう」とか。頑張った自分へのご褒美みたいなもんです。その積み重ねで目標達成までのモチベーションを維持していきましたね。
 ただ、気をつけないといけないのは、目標がゴールにならないようにすること。僕は志望校に合格したら、その達成感で入学後は赤点続き……完全に落ちこぼれてしまいました(笑)。
 でも、高校時代は友人にすごく恵まれました。僕が芸人を目指したのは漫才が好きで「自分はオモロイ」という自信があったからなんですけど、高校時代の友人らのおかげでさらに磨きをかけてもらえたんだと思っています。僕の結婚式にはたくさん芸人仲間がいたんですが、素人の彼らも負けてなくて……頼もしいやつらですね。

勉強には段階がある、分からないときは戻ろう

 学生時代、塾講師のアルバイトで、初めて人に教えるという経験をしました。何問か問題を解かすと、その子のミスの傾向が見えてくるんです。そうやって子どもが勉強に行き詰まったときは、どの段階でつまずいているのかを探って、大人が一緒につまずいたところまで戻ってあげるのがいいですね。勉強って階段みたいなもんです。上に上がってきて難しくなってきたら、分かるところまで下りる。階段が急なら、少し緩やかな階段にしてあげてから、また一段ずつ上がらせることが大切だと思います。
 あと、一番大事なのは、できるようになったらめっちゃ褒めてあげること。分からなかったことが分かるようになる喜びを一緒に味わえると、教える方も嬉しいもんです。特に子どもは、勉強をクイズだと思い込ませたら遊びと同じように張り切りますから。
 さらに勉強を楽しむようになるには、自信をつけることが大切ですね。例えば漢字であれば、魚偏の漢字を全部覚えてしまう。何か一つをとことんマスターしたら、それが自分の得意分野になって自信につながります。どうせその後は、酉(とり)偏も覚えてしまうものです。ちょっとした自信が、知識を増やしていくきっかけになるんで頑張ってください!

「おばあちゃん譲りのこてこて関西弁」

僕はおばあちゃんっ子で、おばあちゃんが営む素麺屋によく遊びに行っていました。おばあちゃんの会話を聞いていると、ウワサ話のときは誰も聞いてないのになぜか小声になる。そのタイミングが幼心に面白く感じていました。それを聞いて育ったから古臭いしゃべり方になったんでしょうね。学生時代、同級生にめっちゃ言われました。「お前、ダントツで関西弁やな」って(笑)。

<笑い飯哲夫さんの新刊ご紹介>
『みんな、忙しすぎませんかね?
しんどい時は仏教で考える。』

釈徹宗 & 笑い飯 哲夫 著
株式会社大和書房
定価(本体1500円+税) 
四六判並製 272頁 8月1日発売

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