著書は累計250万部を突破、さらに自身で心理分析を解説する「ニコニコ動画」では会員数が30,000人を超えるなど、注目を集めるメンタリストDaiGoさん。メンタリストとしての活動は勉強法やビジネスから、子育て、恋愛まで幅広く、芸能人にもファンがいるほど。
そんなDaiGoさんに、心理学的に効果があるとされている学習方法や、勉強に対する心構えについてお話しいただきました。
僕は元々、勉強が嫌いでした。いじめられっ子だったこともあって学校は苦手だったし、授業はすごくつまらなかった。それが今では勉強法の本を出版するまでになりました。ある日突然勉強が好きになったのではなく、どうやったら楽しく勉強ができるかを模索した結果です。そもそも人間は、真面目にやろうとするとパフォーマンスが下がります。実際にテストを実施する前に「これは認知能力を上げるためのテストです」と言った場合と、「これは単なる一般常識を絡めたゲームです」と言った場合だと、後者の方がスコアが高かったという実験結果があります。ということは、ゲームを解くように楽しく勉強をする方が、科学的に見ても有効だと言えるでしょう。
僕のおすすめは、「目標の数値化」。何問中何問解けたと正答率を出したり、漢検のように級でレベル分けされた問題を解いたりすると、自分のレベルが数字で体感できます。僕自身もRPGのように、レベルアップしていく感覚で気楽に勉強をしていたので、苦痛になることはありませんでした。勉強が苦手という人の多くは、自分に合った勉強方法を見つけられていないだけ。教科書を読むのが苦手なら、YouTubeなどの動画で勉強すればいいし、椅子に座ってじっとするのが苦痛なら、寝転がったり歩いたりしながら学べばいい。今の勉強方法で成績が上がらないという人は、歯を食いしばって同じ方法でやり続けるより、勉強方法を見直してみてはいかがでしょう。
普段から、ニコニコ動画で心理学の話をすることが多いです。なぜかというと、話すことで自分がその内容を思い出したいから。人間は、インプットするよりもアウトプット、思い出すことで記憶力が強化されます。教科書をひたすら読むよりも、問題集を解く方が思い出す作業が増え、脳への定着が早いということです。通学路で「そういえば今日の授業でこんなこと言っていたな」という風に、無意識のうちに思い出すことも脳への定着につながります。
思い出すことと付随して、記憶力アップに有効な方法が、「要約すること」と「問題集化すること」。要約は、文章などの要点を取りまとめることですが、僕は本を読むときにも必ず行います。付箋を貼ったり書き込んだりする方法もいいですが、面倒なので僕はスマートフォンにメモを取るだけ。そしてまとめた要約を一文だけ伏せ字にしたり単語帳にまとめたりして問題集化します。要約で本や教科書などの内容を把握でき、問題集化することでその内容を思い出すことができるのです。
友達と勉強をするときは、黙々と問題を解くのではなく、その内容について互いに解説し合うと、より脳への定着が図れますね。話すという行為は要約する作業を担っているので、学んだ内容を話せない=内容を把握できていないということがわかります。最近の研究では、椅子に座って勉強するより、歩きながら勉強した方が記憶力や判断力が上がることがわかりました。実は、科学的に見ると勉強中におしゃべりをしても立ち歩いてもいいということなんです。
小学生の頃から図鑑や資料集を読むことが好きで、今も一日に数十冊の書物を読んでいます。よく「仕事をするために本を読む」人がいますが、僕の場合は逆で、「本を読むために仕事をしている」感覚です。そのため仕事は最低限の時間・最小の労力で最大の収益をあげ、あとは本を読む時間にあてています。図書館のような空間にたくさん猫がいる家を作ることが僕の夢なのですが、その環境を整えるため、自室の壁一面に本棚を設置。さらに愛猫が快適に暮らせるようカスタマイズしています。
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