東京大学在学時にモデルデビュー、そして卒業と同時に本格的に女優業を始められた菊川怜さん。豊富な知識とスマートさを活かし、ドラマやバラエティ、情報番組など幅広く出演されています。そんな菊川さんは、学生時代どのように勉強と向き合ってきたのでしょうか。また、勉強街道から一転、芸能界へ進まれた経緯なども伺いました。
大学では工学を専攻していたのですが、小学生時代から算数や理科など、理系科目が好きでした。好きなことはとことん追究するタイプで、どんな些細なことでもわからないままにせず試行錯誤し、問題を解いてスッキリする、わからなかったことがわかるようになる、ということに喜びを感じていましたね。
逆に国語や社会などの暗記物が苦手でした。歴史の年号に関してはテスト前に一夜漬けで教科書を読んだり、ダジャレで覚えていたりした記憶があります。漢字も覚えられなくて「あれ?どうだったっけ?」と、思い出せないまま適当に解答欄に記入すると、だいたい間違えます(笑)。理系科目ほど熱心に取り組んでいませんでした。
だけど、今の仕事をするうえで、日本語や漢字は大切だと感じています。クイズ番組で漢字問題が頻出することもそうですが、生放送で思ったことを瞬時に適切な言葉で表現する場面では、日頃からどのような言葉を知り、身につけているかが問われます。日本語の学びは、知性や情緒を高め、コミュニケーション手段として相手に伝える表現力を高めるので、人間が生きていくうえでプラスになると思います。算数や理科も、社会に出てからは、内容よりも答えを導きだすための論理的思考や、物事の組み立て方が生かされるのだと感じます。タイミングは人それぞれだと思いますが、大人になってさまざまな経験を重ねることで、学生時代の学びが役立っていることに気付けるのではないでしょうか。
学生時代、理系に進んでいたものの、やりたいことが明確になくて、ずっとスッキリしない日々を送っていました。高校生の時は、夏休みになったらレンタルショップで1日3本ビデオを借りるぐらい映画が好きで、その時間はすごくワクワクして楽しかったんです。でもまさか、自分が映画に出る仕事をするとは考えもしませんでしたし、将来は理系分野の職業に就くだろうと、漠然と思っていました。
大学時代に今の事務所にスカウトしてもらって、やっぱり「映画が好き」という気持ちがあって、そこで初めて「私、女優になりたい」と強く思ったんですよね。芸能界に対して不安なイメージもありましたが、そんな考えも吹き飛ぶぐらいに「やってみたい」という衝動が強かったのを覚えています。
私の場合は大学時代にやりたいことが見つかりましたが、いつ、どこで出会うかは人それぞれ。勉強をする中で興味を持ったことを追究するのもいいですし、勉強以外にも、部活動や課外活動に参加したり、出かけてみたり、とにかく何でもやってみるとやりたいことが見つかるんじゃないでしょうか。私が今、学生に戻れるならそうしますね。いろんな進路があるので、自分が少しでも興味を感じるものがあれば、勇気を出して一歩踏み出してみればいいと思います。本当に「やりたい」と思えるものが見つかれば、その実現のために苦手なことがあっても頑張っていけるものですよ。
東大出身だというと、「真面目で優等生」というイメージを持たれがちですが、学生時代は三枚目キャラで、ふざけてみんなを笑わせることが好きでした。いたずらをしかけて、先生にもしょっちゅう怒られていましたね。同窓会で級友たちに会うと必ずその話をされるぐらい、みんなの記憶に残っているようです。
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