企業、官公庁の人材育成ご担当者様へ
第一園芸株式会社
仕事の成否につながる「伝える力」を高めるために
総務人事部
川口恭子 様
フラワー業界のリーディングカンパニーとして潤いのある豊かな社会づくりに貢献し続ける
第一園芸株式会社は、創業120年を迎えるフラワー業界のリーディングカンパニーです。当社の前身は、時代の最先端の設備を誇った「三井農園」です。当時の日本では珍しい植物や果物を栽培し、皇室献上品にも活用されていました。1951年に第一園芸株式会社を設立した後は、1964年の東京オリンピックの選手村や沿道の植栽、1970年の大阪万博会場の入口広場の造園、1974年の迎賓館開館の装飾など、様々な歴史的事業に参画してきました。現在は、日本橋や銀座をはじめとする商業施設の空間装飾やイルミネーション、ホテルブライダル装花・フラワーショップの店舗運営から庭園管理などの緑化事業まで、幅広く事業を展開しております。「都市に豊かさと潤いを」という理念を掲げる三井不動産グループの一員である当社は、緑と花の文化を通じ「潤いのある豊かな社会づくり」に貢献することを使命としています。
若く新しい考え方と長年の経験を使い分けられるハイブリッド人財
時代に先駆け、業界を牽引する当社では、若い感覚を取り入れ新しいことに挑戦し、それを継続させていくことを大切にしています。何事にも挑戦し最後まで諦めない姿勢、物事を柔軟に受け止め対応する力、自ら学び進んで行動することを社員に求めています。
社員には、経験則と新しい考え方を使い分ける「ハイブリッドさ」をもつ人財になってほしいと思っています。自分自身で培ってきた知識やノウハウに固執しすぎてはいけませんが、それらを時代遅れだと安易に切り捨ててもいけません。長年の経験からしか得ることのできない成果も、新しい考え方を取り入れて革新を進めることも、どちらも重要なのです。今までの考え方と新しい考え方をパラレルに配置し、それらを場合に応じて動力として使い分ける「ハイブリッドさ」が、当社の歴史とブランドを支え、時代に先駆けた挑戦を可能にしているのです。
仕事の遂行と人間関係構築に必要な「伝える力」を支える文章力
特に若手の社員には、若い世代らしい考えや感覚を「仕事」というテーブルで表現してほしいと考えています。そのために大切なのは、お客様や共に働く仲間に対する「伝え方」です。世代を超えた様々な方に、自分の考えを届けるために「どう伝えるべきか」に気を配る必要があります。そうした経験を重ねて自分らしい仕事上の表現方法を体得してほしいと思っています。
当社では、どの部門においても「伝える力」が重要です。伝え方次第で仕事が実を結ぶかどうかが変わります。ブライダル装花や店舗運営などお客様と接する部門では、お客様のニーズにあわせたご提案をする必要があります。年齢層も目的も異なるお客様一人ひとりにフィットしたご提案をし、納得して笑顔になっていただける伝え方を心がけます。お客様相手だけでなく、社員間でも伝え方は重要です。店舗部門では、商品に関する情報や、百貨店などのディベロッパーから通知される情報やニーズを、正確に迅速に共有する必要があります。また、商品開発部門や管理部門では、社内向けに新企画のプレゼンテーションや業務改善の提案を行います。読む人や聞く人にとってわかりやすい企画提案は、周囲の納得も得やすくなります。
こういった「伝える力」を支えているのは文章力です。文章力が高い人は伝え方もうまく、人間関係の構築も非常にスムーズです。過不足なく簡潔に記された文章は、内容を理解しやすく心地よいものです。憶測のない事実報告や論理構造の明確な文章は、書く人の誠実さを感じさせます。また、相手を配慮するような言葉がさりげなく添えられていると、書く人の温かい人柄が伝わり、好感が持てます。
考え方の違う方々と一緒に仕事をするには、こうした文章力に下支えされた「伝える力」が肝要です。伝え方がよいと、仕事の遂行はもちろん、人間関係が構築でき、より発展的な仕事につながるものだと考えています。
書けないことは話せない、新人研修での導入から全社員展開へ
当社では2017年度に10年ぶりに新卒採用を再開しました。その新入社員に対する研修プログラムを検討していた際に、文章検を知りました。文章検はコミュニケーションの土台である文章力を育成するものです。文章検の「書けないことは話せない」というメッセージを受け、当社が重要としている「伝える力」を高めるために有効だと思い、取り入れました。
当社では、新入社員が文章検4級の合格を目指します。集合研修を終えた後の7月の配属式で、おしゃれにラッピングした『基礎から学べる!文章力ステップ』を新入社員にプレゼントしました。『文章力ステップ』は、細やかな手引きや考えるヒントが掲載されているため、勉強が苦手な人でも自学自習しやすい教材だと感じました。3ヶ月の学習期間をとり、それぞれが学習を進めたうえで、10月に文章検4級を受検します。
今後は新入社員だけでなく、全社員に展開していく予定です。
中高生・大学生の皆さんへ ~自分の個性を表現するパーツをたくさん集めよう
物事を様々な形で表現する機会に数多く触れてほしいと思っています。本やマンガを読むこと、映画やアニメを観ること、絵画や音楽を鑑賞することなど、興味がもてることなら何でもよいと思います。いずれ自分にフィットした表現方法や自分がひかれるものに出会うことができます。こうして自然に身につく表現方法は、将来自分の考えや個性を表現する大切なパーツになると思います。ぜひ、たくさん集めておいてくださいね。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。