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株式会社ニュー・オータニ

株式会社ニュー・オータニ 人事総務部 能力開発課 支配人 杉井志帆 様

お客様に尊敬されるサービスで選ばれ続けるホテルを目指して

人事総務部 能力開発課 支配人
杉井志帆 様

当社について

 ホテルニューオータニは、1964年の東京オリンピックに向けた外国人観光客の増加を見越し、政府の要請を受けて開業いたしました。大統領・首相などの国賓クラスのお客様から、一般のご家族やビジネスパーソンまで、様々なお客様のご要望にお応えするのが私たちの仕事です。当社は、3つの企業理念「1.顧客に尊敬されるサービス」「2.自分自身が誇りと思える仕事」「3.ナンバー1を目指すホテル」を掲げ、日本の持つおもてなしの心を基に新しいホテルスタンダードを発信しています。

当社の求める人財

 新卒採用では、サービスマインドとポジティブマインドが備わっていることを重視しています。サービスマインドとは、人が嫌がることを率先して行える資質のことであり、これは採用後の育成で簡単に身につくものではありません。そのため、採用時はこの資質が備わっているかどうかを見極めることが大変重要です。また、ポジティブマインドはどのような状況であっても物事を前向きに捉えられる資質のことです。こちらも採用時に重視していますが、入社後も継続的に育成・サポートを行っています。
 そして入社後の20代の若手社員には、基本として先輩社員のアドバイスに耳を傾け、受け入れる素直さを求めています。一方の管理職には、自分がいなくなっても現場が回るように、常に自身の代わりとなるリーダーを育成する能力を高めてほしいと考えています。

社内研修の取り組み

 私ども能力開発課では、社内研修に関わる業務の全般を受け持っています。課のメンバーはみな意欲的で、他社の良い取り組みや人財育成に関する最新情報を日々収集し、情報交換や議論は会議室でなく、いつもデスクで活発に行っています。また、社員の要望から新たな研修を組むこともあり、これが組織の現状に即した研修を柔軟に生み出せる風土につながっていると思います。
 現在は働き方改革の一つとして、主任以上を対象に業務の生産性を上げるためのメール文の質向上研修をはじめとした、タイムマネジメントに関する研修を行っています。情報の抜け漏れが無く、何度もやりとりをする必要のないスムーズなコミュニケーションのためには、分かりやすく簡潔に文章をまとめる力が必要だと考え、導入しました。
 また、最近では調理部門での研修も新しく始めました。職人の世界でもある調理部門では、技術や知識は「背中で教える」「盗んで覚える」というのが一般的で、一人前の料理人になるには長い下積みが必要でした。しかし、残業時間の削減が必要な中で若手への伝承に長い年月をかけ続けるわけにはいきません。限られた時間の中で、ホテルニューオータニの伝統の味を守っていくためにも、技術や知識のレクチャーを体系立てて行う機会を設けることになりました。
 新卒社員の中には勉強が苦手だという者も少なくありませんが、当社では、「入社してから勉強すれば良い」とはっきり新人に伝えています。30代になると、責任ある役割や、部下・後輩を指導する立場になりますから、20代のうちにきちんと努力をして、そのときまでに備えておくことが重要です。学生時代にどんなに勉強が苦手だったとしても、社会人になってから学ぶ努力をすれば、必ず人は変わることができると考えています。これからも、社員の学びを支援する社内研修の充実に努めていくつもりです。

当社におけるコミュニケーション力・表現力の重要性

 企業理念の一つである「顧客に尊敬されるサービス」を提供するためには、専門的な知識だけでなくコミュニケーション力が必要です。お客様にワインの味や産地などを分かりやすい表現で伝えることはもちろん、お叱りやご指摘を受けた際には、お客様の状況に合わせた伝え方で、論理的に事態を説明する力が求められます。
 もちろんお客様と直に接することが少ない調理スタッフにとっても例外ではありません。例えばフランス語のメニューに添える日本語訳には、分かりやすく、かつ料理の魅力を最大限に引き出す粋な表現が求められます。上に立つシェフ達はこの表現力を磨くために日々本を読み、熱心に研究しています。
 また、当社には「ニューオータニクラブ」という会員クラブがあります。1964年に日本のホテルでは初の本格的会員組織として発足して以来、各界の第一線で活躍されている方々に多数ご入会いただいています。このようなお客様に上質なサービスを提供するには、正しい日本語を使ったコミュニケーションが必須です。「正しい言葉づかいができる」「美しい日本語を使える」ことがホテリエへの信頼となり、ホテルの信用へとつながります。

文章検の導入背景、活用方法

 従来、様々な国のお客様に対応できるようにと、英語力の育成に力を入れてきました。しかしその前にまず、普段思考する際に使用している日本語を正しく使いこなすことが大切であると気づいたのです。いくらお客様を案内するための英文を覚えたところで、それだけでは本当にそのお客様を思ったサービスは提供できません。お客様のことを思い、どうしたら喜んでいただけるかを日本語で考え、そのうえで英語を使わなければ意味がないのです。
 このような背景から、ホテリエが正しい日本語を使いこなし、説得力のある伝え方を身につけるために文章検を導入しました。文章検の勉強をすることは、論理の展開方法や要点を明確にする方法を学ぶことにつながり、文章検はコミュニケーションエラーを防ぐためのとても精度の高いメソッドであると感じています。
 2017年度は新入社員と2年目社員に文章検4級を受けてもらいましたが、今後の新入社員には内定時に4級、入社後に3級へチャレンジしてもらい、段階的に文章力を向上できる教育体制を構築していく予定です。

これから社会に羽ばたいていく中高生・大学生へ

 学生時代に「学習癖」をつけてください。「学習癖」とは、一つ目はすでにみなさんが行っている「机に向かって勉強をする習慣」です。先程社会人になってから勉強すれば良いと申しましたが、実は簡単なことではありません。だからこそ、まだ充分に間に合う皆様においては、そこにアレルギーを感じないように、学生時代にトレーニングを重ねて欲しいです。そうすれば社会人になってから面白いくらい仕事が楽になります。そして二つ目は、「経験したことを次の経験に活かす習慣」です。ただ経験を重ねるのではなく、必ずその経験から学習をしていくこと。これができるかどうかで、将来の伸び幅が変わります。
 みなさんのフレッシュなエネルギーを、上記にある二つの学習ポイントに注いでみてください。きっとみなさんの人生は楽しく明るいものになりますよ。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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