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JVCケンウッド・エンジニアリング

JVCケンウッド・エンジニアリング 取締役 社長 近田佳嗣 様

幹部社員に必要な「相手を動かす文章力」の育成に

取締役 社長
近田佳嗣 様

技術を通して事業の発展をはかり、お客様に感動を伝えていく。

 JVCケンウッド・エンジニアリングは「技術を通して事業の発展をはかり、お客様に感動を伝えていく。」という理念のもと、連携パートナーであるJVCケンウッドやその他のお客様に対し、最大限の技術提供を行う会社です。
 親会社のJVCケンウッドは、2008年の日本ビクターとケンウッドの経営統合を経て、2011年に日本ビクター、J&Kカーエレクトロニクスの3社を吸収合併しスタートした企業です。長年培ってきた音響技術、無線技術、撮像・映像技術を強みに、「尖った」ソリューションや商材を提供しています。
 JVCケンウッド傘下である当社は、JVCケンウッド製品の「モノづくり」を担う技術者集団で、社員の95%以上が純粋に技術を追求する「開発設計エンジニア」で構成されており、カーナビゲーションや無線通信機、ビデオカメラやプロジェクター、モバイル・WEBアプリケーション等、様々な製品の開発設計を展開しています。
 当社では従業員に対して、①「モノづくり」に対する情熱、エンジニアとしての夢や目標、②組織力につながるコミュニケーション能力と協調性、③知識や技術からみえる早期戦力度、を求めています。決められた範囲に収まることなく自己成長し続けられる方、組織の目的を果たすために周りと協働できる方とともに働きたいと考えています。

素早いアクションを可能にする文章力

 どのような仕事にも必ず納期がありますが、製品開発にとって納期は特に重要です。当社の場合、開発担当者だけでなく経営幹部も製品開発に大きく関与しています。納期を遵守するために経営幹部に求められるのは、正しい判断と素早いアクションです。提出された文章に不明瞭な表現があったり、結論に至る説明が長かったりする場合、誤った判断を誘発するリスクが生じ、素早いアクションをとることも難しくなります。
 開発担当者は、契約締結から製品完成までの開発プロセスに準拠したステップごとに、お客様や社内に対して文書で報告を行っています。文書の種類は様々で、契約書や見積書から、開発計画書や問題・課題の対策レポート、進捗報告書など、目的によって異なる体裁の文書が飛び交います。また特別な事象が発生した場合には、顧客対応やトラブルの報告書が必要になりますし、技術発表会向けの論文を作成することもあります。
 文章力の高い社員をみると、5W2Hでまとめられた的確な説明をしており、報告の内容もPDCAで簡潔にまとめています。構造的で情報の漏れがない報告をもらえると、経営幹部も素早く適切なアクションをとることができます。文章力の高い社員は、外部のお客様に対しての口頭・メール・文書での報告においても、的確でわかりやすい表現をしているので、照査の手間も省け、業務効率化につながっています。こういった社員には、安心して仕事を任せることができます。

幹部やプロジェクトメンバーに必要な、相手を動かす文章力

 当社で特に文章力を必要とするのは、常日頃から親会社であるJVCケンウッドの担当者と接している、現場のグループ長やリーダーです。彼らは、JVCケンウッド側の要望などをまとめ、その案件を受注できるよう提案活動をしています。その進捗状況は、毎月グループ長会で報告し審査したうえで、人員配置を検討しています。在籍する限られた人員をどれだけその案件に投入できるかは、案件の重要度によって決まります。報告する幹部社員には、案件の重要性を周囲に理解してもらい、適正数の人員配置につなげるだけの文章力が必要です。
 また、当社ではJVCケンウッドグループ以外の案件を獲得するために、「新事業プロジェクト」を立ち上げています。当プロジェクトでは、これまで取引実績のない外部の企業の要望に対する提案を行います。相手の要望を的確にとらえ、有効な提案を考え、相手にわかりやすく示すことが重要となるため、プロジェクトメンバーにとっても文章力は重要だと考えています。

幹部社員を皮切りに行う文章力改革

 当社では、幹部社員全員が文章検の2級を受検しています。毎週の開発に関する進捗報告、進捗に影響を及ぼす異常値の報告、毎月の部門活動のアクションプラン報告など、幹部社員には重要な文書作成をお願いしています。しかし、提出された文書だけでは内容が理解できないために、本人と直接話して確認せざるを得ないといったことが頻繁にありました。当社では、こういった日常の報連相の精度を改善し、業務スピードを向上させるため、文章検を活用しています。
 初めに現時点の実力を把握するため、予告をせずにサプライズで受検をしてもらいました。その後の結果を受けて、幹部社員とディスカッションをし、これを機に文章力を向上させようということで皆の意思がまとまりました。3ヶ月後に再度受検することにし、各自が公式テキストで自主的に学習を行うこととなりました。
 文章力は、自分自身が高めようと思い、努力をすれば結果がついてくるものだと思います。この試みがうまくいけば、次はリーダーやサブリーダーに展開し、文章力向上につながる意識改革を実行したいと思っています。また、当社で効果が出た際には、JVCケンウッド本社へも提案していきたいと考えています。

中高生・大学生の皆さんへ
 ~コミュニケーション能力を高め、即戦力として活躍できる人材に

 皆さんだけでなく私たちも、近年SNSなどにおける用件だけの受け答えに慣れてきています。しかし、社会人は組織の一員として行動するため、上司や先輩・同僚、社外のお客様や協力会社の方など、あらゆる立場の方々と接することになります。会話、メールの送信、文書の提出など、様々なシーンでコミュニケーション能力が求められます。自分の考えを相手に理解・納得してもらえるように伝える力、相手の気持ちになって話したり書いたりする力は、仕事に必要不可欠な力です。
 そしてコミュニケーション能力とは、発信する力だけではなく、相手のことを受け取る力でもあります。こういった能力の高い人は、即戦力として活躍できる人材だと思います。勉強ではもちろん、学校生活やアルバイトなども通じて、ビジネスマナーとともにコミュニケーション能力を高めてください。
 皆さんが社会に出て、即戦力として活躍できる人材になることを願っています。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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