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株式会社ハブ

株式会社ハブ 総務人事部 部長  小野里直樹 様

現場と本部をつなぐ実行力あるマネジャーの育成に

総務人事部 部長 
小野里直樹 様

英国PUB文化を日本に広く普及させたい

 英国には、日本のコンビニと同じように、PUBが街のいたるところにあります。英国PUBは職場とも家庭とも違う“街の社交場”として、人々が会話とお酒をスマートに楽しむオープンな場になっています。何百年もその地域に根差し、店ごとにその地域独特の雰囲気を持っています。
 創業者の中内功氏は英国で訪れたPUBで、その伝統と歴史の中で育まれた文化に感銘を受け、日本にもこのような文化を築きたい一心で、1980年に株式会社ハブを創業しました。車輪の中心を表す社名の「ハブ」は、人の集まるところを意味します。英国風PUBという業態を通して、交流の場を創り、お客様に感動を与える「感動文化創造事業」を展開することが、当社の使命です。
 飲食業界は、流行にあわせ変化させるブランド展開や、売上の落ち込みに応じた業態変更・退店を繰り返すことが一般的です。しかし、当社は一度出店したら退店しないと決めています。それは英国PUBのように、地域に根差し永く続く「地縁店(チェーン店)」をつくることを目指しているからです。そのためにも、当社は社員が永く活躍し続けられる環境をつくることを重視しており、離職率は5%という水準を実現しています。

経営方針を体現するためのリーダーシップとコミュニケーション力

 当社は経営方針に、「①正直な経営、②着実な経営、③常に変革する経営、④従業員重視の経営」を掲げています。これらの経営方針を体現すべく、社員には「①正直な人、②地道にコツコツ努力できる人、③積極的に発言し行動に移す人、④仲間を思いやり大切にできる人」であることを望んでいます。
 当社の新入社員は入社後ほどなく店舗に配属となり、店長を含め2~3名の社員と10名以上のアルバイトスタッフと共に働きます。店舗で成果をあげるためには、チーム力が重要です。新人のうちは、店舗の確固たる戦力として率先して行動し、チーム力の向上に貢献することが求められています。入社後3年~4年で店長となってからは、本部の意向を踏まえつつ部下やアルバイトスタッフの意見を尊重し、チームのモチベーションを高め、成果をあげなければなりません。強いリーダーシップと高いコミュニケーション力なくしては成し得ないことです。

管理職になった途端に求められる高い文章力

 当社ではエリアマネジャーを約6店舗あたり1名置き、本部と現場のパイプ役を任せています。各店長とのコミュニケーションは、週1~2回の巡回を除き主にメールや電話などで行います。本部で決定したキャンペーン施策や新メニューの情報伝達、注意事項の徹底、イベントや天候に応じた集客予測と仕入れ・人員シフト調整の相談、営業日報を用いた指導など、多くのことを文章で行う必要があります。相手の顔が見えない状況下で、忙しい現場に大量かつ複雑な情報を浸透させ、店舗を動かしていかなければなりません。また、本部とのコミュニケーションにも文章力を要します。担当店舗の報告は、成功例や課題を簡潔にまとめる必要がありますし、新しい企画の提案は、上層部を納得させられるものでなくてはいけません。情報を的確に伝え、改善策や新企画を具現化し成果を生むことが求められます。文章力が高い社員は企画を通す力があり、結果として高い実行力を発揮していると言えるでしょう。
 このように、店長からエリアマネジャーになった途端、対面でのコミュニケーションから、メールや電話など非対面でのコミュニケーションが圧倒的に多くなります。特に、現場へのコミュニケーション相手である店長は対面でのコミュニケーションに慣れています。その為、メールや文書が簡潔でわかりやすいか、店長がスピーディに反応できる確認や指示になっているか、これらは現場を動かすマネジメントの第一歩です。

実行力の高い社員の育成に

 当社では、エリアマネジャーと、その上司にあたるグループマネジャーが文章検3級に挑戦します。10月に社内研修をした後、公式テキストで各自学習を進めたうえで、習熟度を測るため2月に受検をします。学習期間にあたる12月は繁忙期で、店舗への伝達事項も増えます。これを好機とし、テキストを用いた学習だけではなく、実務でのコミュニケーションを通じて、実践的なトレーニングを行います。文章検の学習をすることで、論理的思考力と文章力の向上を実現し、管理職の実行力をさらに高めたいと考えています。

中高生・大学生の皆さんへ  ~様々な場面で見聞を広めよう~

 社会に出る前の皆さんには、様々な場面で見聞を広めていただきたいと思います。
 いつでも始められるのは、本を読むことです。読書は、新しい知識を得ることはもちろん、論理的思考力を高めることにもつながります。遠回りにも見えますが、着実に力がつくとても大切なことだと思います。
 またHUB・82のような社交場で、普段接点のない人との交流を深めるのも見聞を広める方法の一つです。様々な人との出会いから生まれる人脈も、自分自身の大切な資産となるでしょう。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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