漢字・日本語教育研究助成制度
漢字・日本語(国語)教育の質的向上に資する研究活動を支援します。
2024年度 助成対象者
所属機関 | 研究(代表)者 | 研究題目 |
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武庫川女子大学 | 岸本 千秋 | 推敲過程に注目した大学生の文章作成・レポート作成指導 (研究助成期間:2024年4月~2026年3月) |
東北大学 | 菅谷 奈津恵 | 非漢字圏学習者を対象とした漢字の手書きとタイピングの学習効果の比較 (研究助成期間:2024年4月~2026年3月) |
筑波大学 | 関崎 博紀 | 外国人と日本語母語話者の関係構築過程における会話の話題に関する基礎的研究 (研究助成期間:2024年4月~2026年3月) |
※所属は2024年3月時点のものです。
講 評
本年度の応募件数は10件、採択は3件であった。今年度は、研究手法としてオーソドックスなものから、かなり特殊なものまでさまざまであった。新しい研究手法は大いに歓迎したい。ただし、その場合は、やはり丁寧に説明してもらわないと、選考委員に理解されないことも生じる。
選考委員は、申請書によって、研究対象と研究手法を理解し、その妥当性や新しさを評価し、研究目的や研究成果の価値を判断する。そして、研究の実行可能性も考慮する。そのために、申請書を読んで、どういうことを対象に、どういう手法によって、どういうことを明らかにしようとしているかを理解しようと努力する。
その際の課題の一つが、申請者にとって当然なことが、選考委員にとっては必ずしもそうでないことである。特に、研究手法に関しては、申請者には熟知のことだろうが、選考委員には当然そうではない。よって、申請の説明が不十分だと、選考委員は研究方法を的確に理解できないし、研究の有効性にも疑義をもつことになる。今年度の申請にも、このタイプのものがいくつかあった。研究方法を的確に記述することを心掛けてほしい。
もう一点、今年度も大学に所属する人以外の応募が少なかった。この研究助成には、小中高の国語教育に携わっている先生たちにも大いに参加してほしいと考えている。教育現場での先生方のさまざまな工夫が、有用な指導方法を生み出すことは少なくないはずだ。そうした指導方法を生み出す手助けを、この研究助成ができることを願っている。
公益財団法人日本漢字能力検定協会 現代語研究室 室長
佐竹 秀雄