漢字・日本語教育研究助成制度
漢字・日本語(国語)教育の質的向上に資する研究活動を支援します。
平成27年度 助成対象者(研究助成期間:平成27年4月~平成28年3月)
所属機関 | 研究(代表)者 | 研究題目 |
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富山大学 | 宮城 信 | 作文コーパスを資料に児童・生徒の漢字使用・選択傾向と発達の実態を明らかにする ―語彙情報つき作文コーパスの構築と学齢別語彙・漢字使用実態調査―(860KB) 資料(1.8MB) |
仲間と創る授業プロジェクト (活水女子大学) |
和田 一菜 | 作文授業を改善する実用的なアイデア教材の開発 -日本語教師・日本語学習者の意識調査をもとに-(4.3MB) |
※所属は助成決定時のものです。
選考委員による講評
講 評(540KB)
【審査について】
まず、応募内容の傾向から見よう。助成対象の分野として「漢字教育」「文章指導」「日本語教育」の3つが挙げられているが、「日本語教育」がほぼ半数を占めていた。それらは「外国人(留学生)」を対象に、実践や調査をするものであった。一方、「文章指導」はとても少なかった。この結果は、申請者がほとんど大学教員であったこととも関連している。「日本語教育」がもちろん悪いわけではないが、小中高などの教員による「文章指導」「漢字教育」に関する応募が増えることを期待したい。
次に、申請書の書き方だが、研究背景を詳述し、研究の重要性を丁寧に述べているものが多かった。しかし、その割に、どういう方法で何を明らかにするのかの説明が不十分であった。審査では、研究の重要性以上に、その研究の目的と方法、及び、両者の関連性、そして、期待できる成果を知りたいと思う。その点、申請内容の根幹を的確に伝えることに腐心してほしい。
最後に、予算に関しては、研究内容と関連の不明確な項目が散見された。単なる学会出張費や、必然性の薄いプログラムソフト代金などである。そのような予算申請があると、研究内容全体に対する疑義が生じる。
審査する立場としては、日常の教育活動の中での工夫を研究の視点で整理する内容、あるいは、教育・研究活動に広く貢献できる内容のものを申請してほしいと考える。それには、研究助成をする側からの改革も必要かもしれない。
公益財団法人日本漢字能力検定協会現代語研究室 室長
佐竹 秀雄