漢字・日本語教育研究助成制度
漢字・日本語(国語)教育の質的向上に資する研究活動を支援します。
2019年度 助成対象者
所属機関 | 研究(代表)者 | 研究題目 |
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国際教養大学 | 古田 梨乃 | 学習の困難を抱える/抱えない日本語学習者はどのように宿題に取り組んでいるか(378KB) (研究助成期間:2019年4月~2021年3月) |
富山大学 | 宮城 信 | 作文コンクールにおける入賞作品の計量的分析 ―「夢作文」コンクールの応募作品を資料として― (研究助成期間:2019年4月~2021年3月) ※新型コロナウイルス感染症拡大に伴う研究遅延の救済措置として、研究助成期間を1年延長する。 |
※所属は助成決定時のものです。
審査委員による講評
講 評(2021年)(231KB)
審査について
昨年度は応募時期の変更があり、そのせいか応募者が少なかった。しかし、今年度の応募総数は12件で、一昨年度並みに戻った。応募領域も漢字教育、文章指導、日本語教育の3領域に偏りはなかった。審査の結果、2件が採択された。
今回は、以前のような、助成を認めていないパソコン類を申請するものはほとんどなくなった。その点では本助成の意味が理解されてきたと思われる。一方、申請者の研究活動に必要な費用の一部を、分離、独立させて求めていると思われるものが出てきた。確かに、本助成の金額は決して多くはなく、研究活動全体をまかなえないかもしれない。しかし、多額ではないのは、大々的な研究よりも、規模は小さくても、多くの人に研究成果が還元されるものを重視したいとの考えがあるからだ。だから、研究活動の一部を分離して申請されるのは、ルール違反ではないが、本助成の精神からは、ずれている。
このことと関係すると思うが、今回、審査の最中に「公益性」という言葉が何度か使われた。研究者個人の研究の発展を目指す申請も無視しないが、その研究成果が多くの教育現場に生かされることを重視する姿勢があるからだ。次回には小規模でも公益性を意識した申請が増えることを願う。
なお、以前からの傾向であるが、今回も、応募者は圧倒的に大学に所属する教員が多く、高等学校の教員がわずかあり、小中学校の教員は全くなかった。上述のような本助成の思いを実現するためには、制度の見直しが必要なのかもしれない。
公益財団法人日本漢字能力検定協会 現代語研究室 室長
佐竹 秀雄