漢字・日本語教育研究助成制度
漢字・日本語(国語)教育の質的向上に資する研究活動を支援します。
2022年度 助成対象者
所属機関 | 研究(代表)者 | 研究題目 |
---|---|---|
東京都立大学総合研究 推進機構 |
渡邉 幸佑 | 説明的文章の要点を把握するための読解方法の開発・評価 (研究助成期間:2022年4月~2024年4月) |
※所属は2022年3月時点のものです。
講 評
本年度の応募件数は6件、採択は1件だけという結果に終わった。また、申請者数人に、申請の不明点を指摘して再提出を求めた。再提出は、制度上好ましくない。それでもせざるを得なかった。
これは、申請書を書くポイントを十分に理解してもらえていないためであろう。そこで、今回は講評というより、今後の応募のために2、3のコツを述べる。
申請者は、自分の研究テーマの重要性を過度に力説する傾向がある。しかし、それよりも、テーマについて、「どのようなこと」を「どのような方法」で明らかにするかを、順序だてて述べてほしい。研究方法について「生徒の向上を目指して取り組む」「読解力養成の端緒をさぐる」などと抽象的、心情的に書かれても、実際にどのように進められるかが判断できない。研究目的と、それに合致した研究方法の手順を具体的に述べることに意を注いでほしい。大きな研究テーマよりも、的確な研究に助成したいと考えているのだから。
また、支出計画では、認められそうなものを挙げるのではなく、研究方法と研究成果に必要なものを挙げられたい。中には、申請者自身が勉強するという理由で、学会出張や専門家招致の費用を申請されることがある。しかし、学会出張は成果の発表のためであってほしいし、必要な専門家とは共同研究をする関係であってほしい。
小さなテーマであっても申請者自身が信じることがらを証明し、その成果を多くの指導者と共有する。本制度はそういうことに役立つ助成制度でありたい。
公益財団法人日本漢字能力検定協会 現代語研究室 室長
佐竹 秀雄