今、あなたに贈りたい漢字コンテスト
総評
いつも思うのです。たった一字で人間の喜怒哀楽を表現できる漢字とは、なんという存在なのだろうと。今回も応募作品を読んで何度涙したことでしょう。電車の中で涙を隠すのに苦労しました。
前回と同じように、応募作品で多かったのは「感」「謝」「笑」などでした。各部門の絆大賞受賞作品を見れば明らかです。感謝を通じて今の自分があることを確かめているのです。決して自分は一人ではないと思っているのです。そのことはまた、日本社会の健全さを示しています。私たちは自信を持っていいということも教えてくれました。「贈りたい漢字」コンテストの意味もそこにあります。
受賞者コメント
絆大賞
小学生部門
松本 梨花 さん(奈良県・生駒市立あすか野小学校 5年生)
今回の漢字コンテストで「絆大賞」を受賞する事ができて、信じられないほど嬉しい気持ちでいっぱいです。
何か一文字を選ぶにあたって、私は「家族」に関する漢字にしたいと思いました。
「笑う門には福来たる」ということわざがあるように、私の家族には「福」がぴったりだと思ったのです。
このコンテストにより、家族の大切さを改めて感じ、その想いをまっすぐに伝える事が出来ました。なかなか素直になれなくて衝突する事もあるけれど、「福」という文字を見ると優しくなれる気がします。
お父さん、お母さん、弟へ。これからも、笑顔いっぱいの家族でいようね。
中学生部門
中山 慎太郎 さん(東京都・東京学芸大学附属小金井中学校 2年生)
僕は幼い頃から漢字が好きだったので、今回漢検主催のコンテストで「絆大賞」をいただいたことは、信じられない気持ちと共に嬉しくて仕方がありません。
自分の名前をなんとなく見ていたら、「太」という一文字が母のイメージと結びついて、どうしてもこの字を母に贈りたくなりました。母がどう思うか心配でしたが「ありがとう」と喜んでくれたのでほっとしました。
今回の受賞で改めて漢字の持つ面白さを感じることができました。
高校生部門
福島 幸 さん(東京都・都立大森高等学校 1年生)
この度は「絆大賞」という素晴らしい賞を頂きまして、ありがとうございます。
私を沢山の言葉で助けてくれた先生は、今とても遠くにいます。転勤を知らずにいた私はありがとうと伝えることが出来ず、中学校を卒業してからずっと後悔していました。だからこの賞を通して感謝の気持ちが少しでも伝わっていれば嬉しいです。
先生がくれた言葉の一つ一つは、あの時と変わらないまま、今でも私の背中を力強く押してくれます。
一般部門
永山 希美代 さん(東京都・主婦)
人それぞれ、忘れられない母の香りはあると思います。結婚して二十年、親元を離れた今も季節の野菜と一緒に届けられる母の香りと愛情は、十代の頃の私にタイムスリップさせるのです。
娘がその頃の自分と年齢が重なる今。私自身、香りを想像するならば、まだまだ母の生き方には、足下にも及ばない青臭いものでしょう。この受賞が一つのエッセンスとして娘の心に残るきっかけになった事と、ずっとしまってあった母への気持ちが素敵な形になってとても感謝しています。ありがとうございました。
日本漢字能力検定協会賞
小学生部門
生田 千雛 さん(静岡県・浜松市立内野小学校 1年生)
わたしのかいた手がみが、しょうに入ってとってもうれしいです。ひょうしょう式の日は、わたしのたんじょう日だったのでそれを聞いてもっとうれしくなりました。わたしがかん字の手がみをかいたときは、まい日仕ごとで帰りがおそかったパパが今度は、仕ごとでインドに行っちゃうときだったからさみしくてさみしくてしょうがなかったからそんな気もちで書きました。でも表彰式の日は、大好きなパパもいっしょにいけるからとてもうれしいです。ありがとうございます。
中学生部門
作元 希帆 さん(福岡県・那珂川町立那珂川南中学校 3年生)
この受賞をきっかけに祖母に一つ恩返しが出来ます。人生の大先輩へ感謝の気持ちを伝えることが出来たこのコンテストに参加したことは、良い経験になりました。
遠くてなかなか会えない祖母は、私が会いに行くと本当に色々なことを教えてくれました。人としての礼儀に厳しかった祖母の教えは、中学校生活のあらゆる場面で本当に大切なことだと感じました。
最後になりましたが、このような賞を頂きありがとうございました。
高校生部門
小島 梨納 さん(愛知県・椙山女学園高等学校 3年生)
この度は、このような素晴らしい賞を頂き大変嬉しく思っております。まさかこのような形で自分の書いた文章と再会することができるとは思いもしなかったのでこの喜ばしい受賞に心躍らせております。そして、今回の受賞がなければ母自身がこのメッセージを読むこともなかったはず、母への素敵なサプライズになりました。重ねて御礼申し上げます。私にとって店は日本に居ながらも自分のもう一つのルーツを感じられる唯一の空間。又、名古屋大学のそばにあることから国籍の異なるお客様も多くいらっしゃいます。ペルシャ絨毯が人と人を繋ぐ、そんな瞬間をひらがなすら書けない頃から私はずっと見てきました。「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」が漢字で人と人を繋ぐ様に、私自身も異なる国・文化そして人を生涯ペルシャ絨毯を通して繋いでいきたい、今回の受賞で更にその決意は強まりました。
一般部門
大胡 多美子 さん(神奈川県・主婦)
このたびは「日本漢字能力検定協会賞」をいただきまして、ありがとうございました。
子どもの成長を通して親も多くのことを教えられ、学んでいる。そう感じることが、しばしばあります。
今回、息子を想い「銀」という漢字とメッセージをしたためましたが、人生における大切なことを「贈られた」のは、実は、母である私のほうでした。自分自身の生き方を顧みる貴重な機会となりましたことに感謝しております。
受賞の喜びを励みに、これからも親子共に心豊かな日々を送れるよう、さらに努めたいと思います。
審査員特別賞
小学生部門
河西 桃日花 さん(山梨県・駿台甲府小学校 1年生)
わたしが えらんだ かん字が、審査員特別賞にえらばれたときいて とてもびっくりしました。
わたしは、このコンテストをしって、白というかん字を ひいおばあちゃんにプレゼントしたいと すぐに思いつきました。小さいころから たくさんあそんでくれた ひいおばあちゃんは 手も かみのけも とても白いからです。ひいおばあちゃんを思いだしたとき、このかん字が とてもやさしい字だなと思いました。
わたしは、まだしっているかん字がすくないけれど、これから 学校でたくさんのかん字をならうことが とてもたのしみになりました。
久保田 結衣 さん(東京都・世田谷区立弦巻小学校(寺子屋D51)3年生)
「賞をもらったよ」と言われてとてもうれしかったです。
ありがとうございます。
いろいろな漢字がありますが、私は「箱」という字が好きなので、この漢字をえらびました。
かわいい箱をみつけるとお母さんがいつもプレゼントしてくれます。
その箱に私は、大切な物をしまいます。
かわいい箱の中に入ったたからものをみるととても楽しい気分になりわくわくするので、私は箱が大好きです。
心の中にもいろんな箱があるよとお母さんに教えてもらったので楽しいことやうれしいことが入った箱をたくさんふやしたいです。
仲川 桃葉 さん(新潟県・ 新潟市立江南小学校 2年生)
コンテストにえらばれて、まるで、わたしの家ぞくがほめられたようで、とてもうれしかったです。家ぞくも、すごくよろこんでくれました。おうぼしてよかったです。
「おめでとう」と言ってくれた声をわすれません。また言ってもらえるように、いろんなことにチャレンジしたいなぁと思いました。これからも、家ぞくを大切にして、いつまでもいつまでも、なかよくしていきたいです。かん字のべん強もがんばりたいです。
中学生部門
佐藤 樹 さん(北海道・札幌市立伏見中学校 3年生)
この度、審査員特別賞という賞を頂けたことをとても嬉しく思います。
今回テーマにした将棋の師匠から教えていただいた事は今でも良く覚えていて、常に決断をするときの道標となっています。
また、「基本を大切にする」ということは将棋だけではなく、学習や日常生活にも活きているので、今は亡き師匠のお陰で今の自分があると強く感じています。
最後になりますが、今回この『今、あなたに贈りたい漢字コンテスト』に参加した事で、改めて基本の大切さ、そして師匠からの多くの教えを再確認することができました。ありがとうございました。
田口 弥怜 さん(群馬県・伊勢崎市立殖蓮中学校 3年生)
私は高校受験のため勉強中心の毎日を過ごしている中、この受賞を先生から聞いたとき、夢ではないかと思う位、嬉しく思いました。
母は、毎日暑い日も寒い日も時には口げんかをした時も欠かさず「無事に帰って来られますように」と願掛けの意味で、私が見えなくなるまで送ってくれました。おかげで今まで事故もなく、無事に学校に通うことができました。母には感謝の気持ちでいっぱいです。
見送られる私も「気をつけて行ってきます」と母に送ってきました。この「送」という魔法の言葉を大切にしていきたいと思います。
本村 友唯佳 さん(北海道・ 札幌市立伏見中学校 3年生)
沢山の応募の中、審査員特別賞を受賞する事ができ、大変嬉しいです。先生や友人、家族も一緒に喜んでくれました。ありがとうございました。
日頃母に対して感じていた事や思いを、このようなコンクールの場を通じ伝えられて、とても良かったと思います。
漢字はふだん身近なものですが、今までそれほど関心を持っていませんでした。これを機に、もっと漢字に興味を持ち、より理解を深め、更に豊かに活用してゆけたら素晴らしいと思います。
高校生部門
朝比奈 夕美 さん(静岡県・県立清水西高等学校 1年生)
今回、「審査員特別賞」を受賞することができ、嬉しく思っています。日頃思うだけでなかなか伝えられないことを文字にするとてもいい機会でした。
みなさんにとって母はどういう存在でしょうか。
思春期の私たちにとってはうるさい、うざいと思う人が多いと思います。その裏に愛情がかくれていることを忘れてはいけません。
私も少しだけ大人に近づいてやっと気づいたんです。
だからこそ、私は母のような静かな母親になりたいと思います。
田中 みほの さん(福岡県・北九州市立高等学校 2年生)
私の作品がこのような審査員特別賞というすばらしい賞に選ばれ、とても驚いています。
私が家族に贈りたい漢字は「声」でした。声には人間の様々な感情が込められており、これからの人生で自分を支え、幸せな気持ちにさせてくれるのも大切な人たちの声だと思います。
家族や友達の声を聞ける喜びをあたりまえだと思わず、これからもたくさんの人と話していきたいです。そしていつか人と話をする仕事につき、私の声でたくさんの人を笑顔に幸せにできるとうれしいです。
松尾 泰喜 さん(福岡県・県立折尾高等学校 1年生)
このたびは、たくさんの応募の中から自分がこのような賞を受賞することができ、大変光栄に思います。自分がこの「叶」を送りたいと思った先輩は先日の卒業式で、卒業され就職することが決まっています。これから社会人として新たな人生を歩まれるにあたり、この言葉に示されるような生き方をしていかれることを願い、この言葉を贈りました。自分も先輩からいただいたこの言葉を心に、残りの高校生活をよりよいものにできるように勉強と部活を両立して、続いていけるように頑張っていきます。
一般部門
新谷 真世 さん(愛媛県・愛媛大学 4年生)
たくさんの応募作品の中から、自分の作品が選ばれたことに驚きと喜びを感じています。普段の生活では、時間がなかったり、恥ずかしかったりして、なかなか家族に感謝の気持ちを伝えることはできません。今回のコンテストで、感謝の気持ちを漢字とメッセージを自分の手で書くことで、自然と相手の顔が浮かび上がってきました。4月からは、新しい土地で、新しい生活が始まります。ドキドキワクワクしていますが、寂しくなったときは、母の『味』を思い出して一生懸命頑張っていこうと思います。
沼 志賀子 さん(東京都・主婦)
コンテストの事を知った時、すぐに義母の事が心に浮かび応募しました。そして、このような賞を頂き、大変嬉しく思います。このような機会を義母が与えてくれたのだと思います。人は皆それぞれ誰かにとって唯一無二の存在であることを、新しいことを記憶に留めておくことが困難になった義母から教わりました。これからも義母と過ごす時間を楽しみたいと思います。この漢字で良かったかしら?と辞書で確かめる事が多くなった此のごろですが、この機会にもっと漢字に親しまねばと反省しています。
※ 受賞者の都道府県、学校名、学年、職業は応募当時のものです。