公益財団法人 日本漢字能力検定協会

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今、あなたに贈りたい漢字コンテスト

総評

今回の応募は前年と比べて3000件も増え、5万1231件に上りました。しかも応募者は、あらゆる世代を覆っています。何より嬉しく思うのは、皆さんが選んだ漢字のランキングの上位を「感」と「謝」が占めていることです。長引く新型コロナウイルス禍は、穏やかでそれなりに満ち足りた日常を根底から脅かしています。
しかし、非日常の毎日だからこそ、人の絆の大切さに改めて思い至り、他者への感謝の気持ちが強くなっているように思います。今回の「感」と「謝」の多さはその証しなのであり、そこにある種の「光明」があります。ランキング上位に「笑」「楽」「愛」「優」「幸」「友」「夢」などプラス・イメージの漢字が入っているのも救われます。辛く厳しい日々であっても前向きに明るく生きようとしていることが分かるからです。(審査員長 橋本五郎)

受賞作品

絆大賞

おかあさんへひまりより「好」

中 陽真理 さん
(和歌山県・7歳・紀美野町立野上小学校)

わたしは、まい日おかあさんに「好き」と言います。すると、おかあさんは、うれしそうにわらいます。けれど、まだ好きというかん字を知りません。今日は、教えてもらって、れんしゅうをしました。まだ上手に書けないけれど、つぎは手がみで好きをおくります。

受賞者コメント

わたしは、かん字のべん強が好きです。
けれど、作文を書くことがにが手です。
がんばったら、上手に書けたのでかん字コンテストに出しました。
先生から、しょうのお知らせを聞いてびっくりして、うれしくてなきそうになりました。
好きというかん字が書けるようになってから、じいじとばあば、友だちにたくさんの「好き」を手紙でおくっています。
これからも書きつづけていきます。
えらんでくれてありがとうございました。

審査員からのコメント

私には、ひまりちゃんがお母さんに手をひかれながら、お母さんの耳元(みみもと)にかおをよせ、そっと「好き」とささやいている声がきこえてきます。お母さんは、ひまりちゃんの「好き」をきくたびに、しあわせな気分になり、一日のくろうやつかれがふきとぶにちがいありません。時にはお母さんのおかおに「チュッ」をしてあげながら言うのもいいかもしれませんね(笑)。人を「好き」になることはとても大切なことです。「好き」になるということは、その人の一番いいところを見ているからです。これから「好き」な人をいっぱいふやしていったらいいですね。(橋本五郎)

日本漢字能力検定協会賞

妹へかんたより「丸」

竹本 柑太 さん
(千葉県・8歳・松戸市立小金小学校)

妹は顔が丸くてとてもかわいいです。でもすぐにおこってないてぼくをたたいたりします。もう少しせいかくが丸くなるといいと思います。でもいっしょにいるととても楽しいです。ぼくにとっては妹は花丸をあげたい人です。

受賞者コメント

ぼくが夏休みに書いた漢字コンテストの作文が賞をとるとは思っていなかったのでとってもおどろきました。そしてとてもうれしく思いました。
妹はかわらずたたいたりします。でもあの作文を書けたのは妹がいたからなのでけんかもたくさんするけど妹がいて幸せです。
この賞をとったおかげで丸いお顔のおこりんぼうの妹はぼくの自まんの妹になりました。
もう少しやさしくなってほしいけどせいかくが丸くない今のままの妹でもぼくはじゅう分大すきです。

審査員からのコメント

「顔が丸く」「性格が丸くなる」「花丸をあげたい」。
短い文章の中に、「丸」を使った表現が、3つも入っています。それらが文章全体の印象や雰囲気にとても良い味を出しています。
かんたくんが幼い妹さんと仲良く遊んでいたり、怒ったり、泣いたり、時にはお母さんに怒られて、おろおろしたりなどしているかもしれないという日常の何気ない情景が目に浮かぶようです。小学生とは思えぬ表現力だと感心しました。
かんたくんにとっても、妹さんにとっても、お互いが、大切でかけがえのない存在だという思いが伝わる作品で、心が温まりました。(山崎信夫)

審査員賞

お父さんへ俊介より「体」

森 俊介 さん
(埼玉県・9歳・川口市立戸塚北小学校)

コロナで、どこにも行けない時に、にわでサッカーをしたぼくとお父さん。「オーバーヘッドキックをやって見せて。」とたのんだら、やってくれたが、あばら骨を四本おってしまったお父さん。大好きだから、体、大切にしてね、お父さん。

受賞者コメント

「漢検に選ばれる」という、とても名誉な賞をいただき、ありがとうございました。
選ばれたと聞いた時は、すごくうれしかったです。
お父さんがサッカーでオーバーヘッドキックをして、あばら骨を四本折ったことを書いて選ばれたので、骨が名誉な賞に変わったため、お父さんも喜んでいると思います。
ぼくも、あばら骨が折れているお父さんを毎日起こす苦労をした作業が賞に変わったと思うと、うれしいです。
ぼくのを選んでくれて、ありがとうございました。とてもうれしいです。

審査員からのコメント

俊介くん、お父さんというのは(お母さんもそうですが)、子どものためなら何でもやろうとするものなのです。ちょっとオーバーかもしれませんが、「たとえ火の中、水の中」という言葉があるでしょう。子どものためなら火の中でも水の中でも飛びこむのです。お父さんは、おそらく日ごろやっていないオーバーヘッドキックだったんだけど、俊介くんのねがいをかなえようと無理したんでしょうね。おとうさんの気持ちは痛いほどよくわかります。そして、これまでよりいっそうお父さんの体のことを心配するようになった俊介くんの気持ちもよくわかります。(橋本五郎)

先生へ颯人より「観」

市川 颯人 さん
(宮城県・10歳・大和町立宮床小学校)

「おしい!」先生の声。「むずかしい漢字なのに、よくここまで書けたね。すごいよ、はやちゃん。」ふしぎだなあ。まちがえたのに、ほめられちゃった。まちがえたのに、なんかうれしい。観察の「観」今までで一番画数が多いけど、一番わすれない字になりそう。

受賞者コメント

ぼくは、宮城県の宮床小学校のつくし学級の四年生です。つくし学級は、ゆっくり、じっくり勉強するクラスです。つくし学級は、ぼく一人ですが、ぼくは勉強をとてもがんばっています。
特に、漢字は毎日がんばっています。漢字のドリルを書いたり、カードを読んだりしています。一年生の時よりたくさん漢字が書けるようになって楽しくなってきました。
観察の「観」の字は、本当に難しい字でした。何回も練習しました。何回練習しても、まちがえてしまいました。でも、「おしい!」「すごいよ、はやちゃん」と先生に言われて、書けるまでがんばりました。「観」の字が書けるようになってうれしいです。これからも、漢字の勉強をがんばりたいです。

審査員からのコメント

はやちゃんはとってもいい先生におそわっていますね。だれでもさいしょは漢字を知らないし、書けないのです。でも書けるようにどりょくすることがたいせつなのです。たとえまちがえたとしても、はやちゃんがむずかしい漢字を書けるようにいっしょうけんめいどりょくしていることをほめたのでしょうね。なんでもそうなんですよ。「挑戦(ちょうせん)」することが大事なのです。書き出しの「おしい!」もとってもいいですよ。ぶんしょうを書くときに大切なのは、書き出しなんです。このひとことで、私にはこの時の光景(こうけい)がうかんできます。(橋本五郎)

自分へ自分より「独」

森脇 奨 さん
(東京都・11才・板橋区立徳丸小学校)

日曜日、独りでゴロゴロしていることが好きです。だれにも何も言われずに、ぼーっと何も考えずに時間が経っていきます。独りぼっちでもさびしくないです。こんな時間は、たまにしかないからです。子どもでも、けっこう忙しくてたいへんなのです。

受賞者コメント

今回は、すばらしい賞を受賞することができて、とてもおどろきました。
信じられなかったけどとてもうれしいです。
「独」という漢字は、お母さんは少しさみしい字だねと言いました。
だけど、ぼくは独りの留守番の時間が好きです。コロナで留守番の日が増えて、はじめはさみしい時もあったけれど、今、学校や塾もはじまって子どもだって忙しいのです。もちろん友達や家族みんなと一緒に過ごすのも楽しいです。でもたまに独りでごろごろできるとうれしいです。
大人も子どもも休けいは大切です。

審査員からのコメント

何ごとにもいっしょうけんめい取り組んでいるからこそ、つかの間の「独り」がかけがえのない時間になるんですね。学校の勉強いがいにも、塾や運動クラブなどで忙しくしているのかな。そして自分自身で「独りぼっち」の時間をつくっているからこそ、ほかのことに一生懸命になれるんだとおもいます。おじさん(おじいさんかな)は「大人は忙しい」と思っていました。でもこれからはその考え方を変えました。「子どもでも、けっこう忙しくてたいへんなのです」というひょうげんには実感(じっかん)がこもっています。とてもいい結びです。(橋本五郎)

佳作

  • 宇佐美 斗逢 さん
    (埼玉県・8歳・春日部市立八木崎小学校)
  • 岡本 心暖 さん
    (滋賀県・9歳・彦根市立城南小学校)
  • 佐々木 蓮介 さん
    (東京都・8歳・江東区立第五大島小学校)
  • 塩川 玲空翔 さん
    (千葉県・8歳・松戸市立南部小学校)
  • 鈴木 菜乃夏 さん
    (静岡県・10歳・磐田市立長野小学校)
  • 福田 莉那 さん
    (東京都・12歳・白百合学園小学校)
  • 松山 淳之介 さん
    (千葉県・11歳・松戸市立北部小学校)
  • 間山 元喜 さん
    (青森県・12歳・青森市立高田小学校)
  • 山崎 美紗子 さん
    (石川県・11歳・金沢市立西小学校)
  • 山下 浩士朗 さん
    (香川県・7歳・香川大学教育学部附属高松小学校)

絆大賞

高校生の私へ中学生の私より「券」

瀬田 夕凪 さん
(神奈川県・13歳・湘南白百合学園中学高等学校)

13歳の私にもワクチン接種券が届いた。不安が大きく、なかなか一歩を踏み出せない。未来の私、教えてほしい。マスクを外して大きな声で笑えていますか?お盆におばあちゃんの手料理をみんなで一緒に食べましたか?そんな未来行きの券だと、教えてほしい。

受賞者コメント

現代では手紙を送ることが少なくなったり、漢字を書けない若者が多いと不安視されています。
それでもスマホで遠く離れて住んでいる祖父母に「元気?」や「荷物ありがとう」と直接会えない間も、電子で送る言葉のおかげで心の距離はいつも近いままでした。
コロナ禍での新しい生活、電子機器がコミュニケーションツールになっている現代、その中でも言葉は新しい形で私たちを繋いでくれています。
私たちも言葉と共にコロナ禍を乗り越え、未来で待つおばあちゃんの手料理を楽しみに一つ一つ出来ることをしていこうと思います。
最後になりましたが、今回の賞をいただき、なりたい未来の私に一歩近付けた気がします。
本当にありがとうございました。

審査員からのコメント

コロナ禍において、日本だけでなく世界中の人々が戸惑い、迷い、悩む日々が続いています。そうした日常の中で感じた素直な思いを、この「券」という一字に託した作者。
感受性豊かな人なのでしょう、不安に包まれながらさまざまなことを想像されている姿が伝わってきました。「券」はそもそも割符や手形の意味を持ちますから、「約束」という意味合いも感じられます。混乱の中で、見えない未来へ進んでいくしかない私たち。この内容は多くの人の気持ちを代弁するものでもありました。(やすみりえ)

日本漢字能力検定協会賞

母へ私より「強」

杉原 翼 さん
(京都府・14歳・進学塾ひかり塾)

母は、看護師でコロナ患者の担当をしている。今、担当をしたいという人は少ないだろう。しかし、母は自分のリスクよりも目の前にいる患者さんのために動いている。母は「コロナは怖い。けど、私達が助けないと。」と言った。すごいと思った。私も強くなりたい。

受賞者コメント

私が、母に贈る漢字を「強」にした理由は看護師としての責任感が強く、患者さんを第一に考えていること、そして、私が落ち込んでいた時には、母持ち前のポジティブさで、私を元気にしてくれたことから、この漢字を母に贈りました。
受賞を知った時はとても嬉しかったです。母も喜んでくれました。
素敵な賞を頂き本当にありがとうございます。

審査員からのコメント

この作品に「仕事」「働く」という言葉は使われていません。「仕事なんだから、働かなければ」という固定観念というか、消極的な仕事観は感じられません。
看護師として、自分のリスクより目の前の患者さんを助けるために、とにかく動き、使命感にあふれ、パワフルで「強」いお母さん像が伝わってきます。
「母は強し」。
杉原さんにとって人生のお手本なのでしょう。
新型コロナウイルス感染症から命を守る最前線で奮闘いただいている医療従事者の方々には、本当に頭が下がり、感謝という言葉しか浮かびません。
他人ではありますが、私からも「お母さん、ありがとう」と言わせていただきます。(山崎信夫)

審査員賞

震災の時に出会った同い年の子へ彰伸より「支」

尾崎 彰伸 さん
(東京都・13歳・目黒日本大学中学校)

今年で東日本大震災から十年経った。震災の当日、僕は宮城県にいて津波の被害を受け避難していた。隣に寒そうにしていた子がいたので二着持っていた上着をあげて今でも感謝の手紙をもらったりしています。震災は残酷だが人と人が支えて生きるのを知れた。

受賞者コメント

担任の先生に受賞したことを伝えられた時、5秒ほど思考が止まるほど驚き、そのあと今までにないほどの喜びをかみしめ、友人達も一緒に喜んでくれたのがとてもうれしかったです。
東日本大震災から10年が経ち僕は中学生になれました。
”早く逃げろ”と声をかけてくれた消防士さん、水をわけてくれたおじさん、おかゆやおにぎりを作ってくれた人、日本のどこからかわからないけど毛布を送ってくれた人、たくさんの人々にぼくは支えてもらいました。
そして、これからは自分には何が出来るのか考えたいです。

審査員からのコメント

実体験だからこその言葉に、審査員一同思わず涙がこぼれました。「支」は、竹や木の枝を手にしている形から成り立っているとか。そこから「ささえる、枝を払う」という意味を伝えているんですね。さらにもうひとつこの漢字は「分ける」という意味も持ち合わせていて、寒さの中で上着を分けたエピソードと奇しくも重なっています。今も手紙のやりとりがあるとのこと、人と人の繋がりは何よりの心の支えだと改めて感じさせてくれた作品でした。(やすみりえ)

お母さんへ娘より「鏡」

吉本 渚 さん
(高知県・14歳・いの町立伊野南中学校)

おばあちゃんが言った。「なぎちゃんのお母さんは母親失格だね。」と。でも、私はそうは思わない。いつも寝る前にハグをしてくれるし、毎日愛してるの言葉をくれる人が母親失格な訳がない。むしろ母親の鏡のような人だ。だから私はお母さんに鏡の字を贈ります。

受賞者コメント

受賞を聞いたとき、会場となる場所を知るまでは、ただ「そうなんだ」としか思いませんでした。私はてっきり県内だけの話かと思っていたので、会場が京都だと聞いてとても驚きました。しかし、私の伝えたい想いが審査員の皆さんの心に響いたのだと実感することができ、とても嬉しかったのと、こんな私でいいのか、他の人の素晴らしい作品の中に私のものがあってもいいのか不安になりました。なぜなら、私が漢字コンテストに出品を決めたのは、副賞がもらえたら嬉しいな、という私欲からでした。でも、母への伝えたいこと贈りたい漢字へ込めた想いは、誰の作品にも負けない自信があります。今は入院している母ですが、入院してからも母は母親の鏡のような人で、変わらず愛を注いでくれます。そんな母に、少しでも感謝の気持ちを伝えられれば、と書いた作品です。不純な理由から出品した作品ですが、審査員賞という素晴らしい賞をいただくことができて本当に嬉しく思います。ありがとうございました。

審査員からのコメント

それぞれの立場や世代によって、価値観はさまざま。祖母、母、娘・・・物事の感じ方は違って当たり前なのでしょう。そう分かっていながらも、毎日の生活の中でうまく嚙み合わない時の歯がゆさや苛立ち、私も多々味わったことがあります。作者は「鏡」という文字にその気持ちを収めました。「言葉で心を整理する」ってとても利口で素敵です。もしかすると祖母に贈りたい漢字もあるのではないでしょうか。そしてそれは、作者が成長を重ねるごとに違う漢字に変化していくのかもしれません。(やすみりえ)

じいちゃんへ明日香より「酒」

森 明日香 さん
(福岡県・16歳・福岡市立下山門中学校)

「十円ちょうだい。」って言ったら、じいちゃんは裏紙に「10」って書いて渡してくるよね。だから私も少し仕返し。毎年この時期になると「酒ば送っちくれ。」と言ってくるじいちゃんに「酒」の漢字を送ります。コロナも流行ってるし、体を壊さないようほどほどに。

受賞者コメント

この度は、審査員賞に選んでいただき、ありがとうございます。まさか受賞するとは思っていなかったので、本当に驚きました。学校の先生方も祝福してくださいました。
祖父はお酒が大好きで、夕ごはんの際には必ずコップに注がれています。夏になると必ずかかってくる一本の電話。この年の電話がかかってきた時、すでにコンテストについて知っていた私は、あの10円の件の仕返しをしようと早くから心に決めていました。
プチ復讐の念とコロナ禍でも健康にという気持ちを120%つめた「酒」は、とっくに祖父の胃袋の中でしょう。
おもしろくて大好きな祖父が長生きしてくれるよう、これからも私はノンアルコールの健康な「酒」を毎年送り続けていきたいと思います。

審査員からのコメント

じいちゃんと明日香さんの楽しいやりとりが描かれていますね。そのすべてが「酒」の一文字にギュッと濃縮されたような印象です。流れる水の象形と、酒壺の象形の「酉」の組み合わせで成り立った「酒」。ちなみにこの漢字の部首は「さんずい」ではなく「とりへん」なんですね。確かに「酔」「酌」といったようにお酒にまつわる意味を表す漢字には「とりへん」が登場します。「酒」という一字をおくられたじいちゃん、ますます呑みたい気分になってしまうかもしれません(笑)。(やすみりえ)

佳作

  • 井上 成 さん
    (長野県・12歳・御代田町立御代田中学校)
  • 斉藤 礼 さん
    (熊本県・14歳・熊本市立出水中学校)
  • 眞田 しおり さん
    (東京都・13歳・八王子市立第五中学校)
  • 鈴木 快 さん
    (東京都・14歳・国分寺市立第三中学校)
  • 関 悠惺 さん
    (北海道・15歳・北海道教育大学附属函館中学校)
  • 中井 史寿 さん
    (大阪府・14歳・大阪市立天満中学校)
  • 花田 美優 さん
    (北海道・14歳・北海道教育大学附属函館中学校)
  • 福永 伊智子 さん
    (神奈川県・13歳・川崎市立塚越中学校)
  • 細谷 結菜 さん
    (静岡県・13歳・裾野市立東中学校)
  • 宮里 芽依 さん
    (沖縄県・14歳・那覇市立寄宮中学校)

絆大賞

未来の自分へ今の自分より「揺」

小野寺 龍信 さん
(東京都・17歳・東京都立新島高等学校)

船の揺れは落ち着く。飛行機の揺れは少し怖い。波に揺られると心地いい。心が揺らぐと落ち着けない。世間の揺れは不安を生む。大地の揺れは恐ろしい。でも、ゆらゆらした生き方は気持ちがいい。余裕を失くしたら、故郷の海の揺らぎを思い出してみてください。

受賞者コメント

私は島で産まれ、海で育ちました。そのため、海のいい所を幾つも知っています。中でも、仰向けになって浮かんで、波に揺蕩うことが好きです。そうしていると、波の音や人の声が少し遠くなり、海と一つになるような気分になれます。この作品は、その揺らぎの心地よさを思い浮かべながら書きました。このコメントを読んだ全ての人にも、その心地よい揺らぎを味わってもらいたいと思います。最後に審査員の皆様、数多ある作品の中から私の作品を栄えある賞に選んでいただき、誠にありがとうございます。

審査員からのコメント

「揺」の字のなりたちを字典で調べると、祈るときの行為であるらしいと記されていました。
小野寺さんの文章を読みながら、審査員それぞれにかつて経験した色々な「揺れ」を頭に思い浮かべていたように思います。
文章を最後まで読み、小野寺さんが島に暮らされていること、海に、船の揺れに親しんでおられるからこそ「揺れ」にまつわる様々な体験をとても細やかに感じていらっしゃるのだと腑に落ちました。そして、小野寺さんの文章から、「揺れ」の心地よさを自分の記憶の中にも探したくなりました。
未来の自分へと書かれたこのメッセージは、多くの人にとっても優しく励まされる素晴らしいメッセージであるように思います。
心地よい揺れに包まれるような日々を、どうぞ周りの人とも分け合いながら、これからの時間を過ごしていってほしい。そんな思いを込めて、絆大賞を贈ります。(華雪)

日本漢字能力検定協会賞

手紙へ私より「紡」

森川 怜美 さん
(神奈川県・18歳・聖園女学院高等学校)

「HAPPYBIRTHDAY!」脳梗塞の後遺症で脳の障害や運動麻痺のある父から手紙が届いた。一画一画手を震わせて書いたと分かるインクの濃淡や誕生日を覚えていたこと全てに涙が溢れた。途切れかけていた言葉の糸を紡いでくれた手紙へ、ありがとう。

受賞者コメント

この度は、輝かしい賞を頂戴し、とても光栄に思います。
私が一番心を揺さぶられたのは父が私の誕生日を祝ってくれたことではなく、完璧ではない字で「手紙」を送ってくれたことです。小さい綺麗なカードにHAPPY BIRTHDAY!とだけ書かれていました。
短くもあり、長くもある、私にとってはとても意味ある父らしい文でした。
「紡ぐ」という言葉は、糸を作ることなどに使われることが多いと思いますが、ここでは貴重で、形は様々なものを「一つにする」という意味で使いました。
今は離れて暮らしていますが、言葉や文字から引き出された父と私の間を結ぶ想いの糸がどこまでもいつまでも切れることなく繋がっていて欲しいと願っています。

審査員からのコメント

「途切れかけていた言葉の糸を紡いでくれた手紙」。
歌にでてくるような、哀感に溢れた素晴らしい表現です。
お父さんは、脳梗塞によって、言葉が不自由になってしまったのでしょう。森川さんはまだまだお父さんといっぱい話したいという思いを抱えながら、半分諦めていたことでしょう。
そんな森川さんの誕生日に、お父さんから手紙が…。
手を震わせながら、時間をかけて、必死に書いたとわかる文字。お父さんの愛情が手書きの文字に表れていたことでしょう。
「書は心画なり(書心画也)」。
IT機器全盛の時代ですが、気持ちがより伝わるのは、やはり手書きの文だと改めて気づかされる作品でした。手書き文化を大切に守りたいものです。
森川さん、お父さんと言葉の糸をますます太く「紡」いでいってくださいね。(山崎信夫)

審査員賞

おばあちゃんへ孫より「記」

森 愛咲 さん
(愛媛県・16歳・済美高等学校)

私がつけていた日記に、おばあちゃんが一日だけ返事を書いてくれた。「あしたはきょうよりたのしいひになりますように」些細なことだけど私の心には、いつもいつも記憶しているよ。これからも天国から見守っていてね。明日は今日より笑顔で過ごすよ。

受賞者コメント

この度は審査員賞に選んでいただき、本当にありがとうございます。
まさか受賞できるとは思っていなかったので、受賞の知らせを聞いた時は驚きました。
この作品には、天国にいるおばあちゃんへの感謝の気持ちをこめました。つらいことがあったり、落ちこんだ時にはいつも日記を通して伝えてくれたおばあちゃんの言葉に励まされています。きっと、これからもずっと、この言葉は私の記憶からは離れないんだろうなと思います。私にとって宝物です。
優しくて、常に人のことを考えて行動するおばあちゃんを私は尊敬しています。謙虚で優しいおばあちゃんのような人間になれるよう、一日一日笑顔で過ごしたいと思います。

審査員からのコメント

「記」の字は糸を整える糸巻きのかたちがなりたちにあるとされています。
短い文章からも、森さんとおばあさまとの暖かなやりとりが伝わってくるようでした。おばあさまが一日だけくださった返事のことばは、森さんの日々を整える糸巻きのようにも感じられました。
大切なことばや出来事は、存外些細であることが多い。だからこそ、心に深く小さく留まるのかもしれません。
「あしたはきょうよりたのしいひになりますように」。
今の時代、多くの人に届いてほしいことばにも思えます。大切なおばあさまとの思い出を伝えてくださった森さんの気持ちに審査員賞を贈ります。(華雪)

中学一年生の時の私へ高校三年生の今の私より「今」

森田 空 さん
(神奈川県・17歳・東海大学付属相模高等学校)

部活動や家族間トラブルで自律神経を崩し、学校に行けない時期があった中学一年生の時の私。どう治せば良いのか分からず、焦ってばかりで辛かったよね。学校に行きたくても行けない状況がもどかしくて悔しかった。でもね、今、高校に毎日元気で通えているよ。

受賞者コメント

50分という短い授業時間の中で書いた文章だったのですが、審査員の方の目に留まる内容がかけてとても嬉しく思います。作品内に書いてある中学一年生の時の私は、このような文章が書けるほどの心の余裕はなく、将来に不安を抱えながら日々過ごしていたので、過去の話として作品にできるまで元気になり良かったなと感じています。高校生になってからは普通に学校に通うことが出来ていて、来年度からは大学生になります。病気だった頃を忘れず、無駄にせず一つの大切な経験としてこれからを過ごしていきたいです。
この度はありがとうございました。

審査員からのコメント

「今」の字のなりたちは、蓋をあらわしていると字典にあります。蓋をあらわすかたちがどうして時間としての〈今〉をあらわすようになったのかについては諸説あります。蓋がぴったり合うというイメージが、この瞬間――今をあらわすようになったのかもしれません。
過去の自分を振り返り、当時を丁寧に思い返し、「今」という字を見出された森田さん。これからまた何かしんどいことがあったとしても、「今」の字とまっすぐに向き合われた森田さんはきっと乗り越えてゆかれるだろうと思います。
中学一年生の私へ贈られた高校三年生の森田さんのことばは、このコンテストに応募してくださったことで、過去の森田さんへだけでなく、これを目にした他の多くの人へも届くことばになりました。その勇気に審査員賞をお贈りします。(華雪)

私へ私より「青」

小田桐 幸菜 さん
(神奈川県・18歳・東海大学付属相模高等学校)

弱気な私にこの漢字を贈りたい。青という漢字は日がつくと「晴」になる。水がつくと「清」になる。青は何にだってなれる色なのだ。私はまだ浅学で、青い。だからこそ私も何にだってなれるはずだ。高校を卒業し、新しい一歩を踏み出す私の青写真を思い描く。

受賞者コメント

漢字コンテストで入賞した、と聞いた時は大変驚きました。数ある作品の中で審査員賞に選んで頂けたこと、大変光栄に思います。
青は私の好きな漢字の一つです。漢字の可変性や言葉の意味が持つ面白さに魅せられたのだと思います。また、青は私の好きな色でもあります。
透き通る空や美しい海の色である青を見ていると自然と心が穏やかになるように感じます。
この「青」で賞を頂くことができ、大変嬉しく思います。
今回のコンテストで改めて漢字の奥深さに気づかされました。漢字の知識をより一層深めていきたいと思います。

審査員からのコメント

高校卒業を前に「青」の字の連想を通じて、小田桐さんが自分自身を静かに客観的に見つめていらっしゃる様子が伝わってきました。その様子は、もはや弱気ではなく、小田桐さんの新しい一歩を眼差す力強ささえ感じます。
漢字が生まれた中国古代における色彩の基本は「五采(さい)」、「黒(玄)・黄・朱(赤)・白・蒼(青)」とされていました。その色彩は、単なる色の名前や色の感じとしてではなく、そこから連想されたり、その色によって象徴されるものを、色をかりて表現していると考えられてきました。これらの感覚は、のちの美術や文学にも大きく影響し、日本文化の中でもいまなお生きる感覚です。
「青」が表現しているものは、木や春とされています。
春は、植物が芽吹き、生き物が活発に動きはじめる季節です。小田桐さんの出会われた「青」が、これからの新たな日々を鮮やかに彩ってくれますように思いを込めて、審査員賞をお贈りします。(華雪)

佳作

  • 安陪 充貴 さん
    (岡山県・16歳・岡山県立岡山支援学校)
  • 國見 砂星 さん
    (大阪府・16歳・大阪市立汎愛高等学校)
  • 熊井 心絃 さん
    (長野県・17歳・長野県中野西高等学校)
  • 熊﨑 彩乃 さん
    (和歌山県・17歳・和歌山市立和歌山高等学校)
  • 熊手 くるみ さん
    (広島県・15歳・岡山龍谷高等学校)
  • 小林 玲 さん
    (東京都・15歳・杉並学院高等学校)
  • 武田 永幸 さん
    (千葉県・17歳・千葉県立船橋法典高校)
  • 中村 優希 さん
    (熊本県・16歳・熊本信愛女学院高等学校)
  • バラヒル エライシャ さん
    (東京都・18歳・東京都立一橋高等学校)
  • 焼山 美羽 さん
    (千葉県・17歳・開智日本橋学園高等学校)

絆大賞

娘へ母より「夢」

山平 妙子 さん
(山口県・教員)

中学校英語教師になる志半ば、二十一歳の秋、交通事故で逝ってしまった貴女。筆文字で色紙に書かれた夢を受け継ぎ、母さんは英語免許を取得し、今年から中学校に勤めているよ。思春期の生徒達との時を大切に、これからも貴女と共に生きていきたい。

受賞者コメント

勤務先の学校の掲示板に「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」のポスターが貼ってありました。娘『妙華』と一緒に追いかけた夢が、今、実現できていることを知らせたいと思って応募しました。
受賞の連絡をいただき、本当にありがとうございます。
報告を受け、私の想いが届いたと感じました。
5年たった今でも、娘がいなくなってしまったという現実を乗り越えることはできません。でも、何もしないでいつまでも立ち止まっていたら、悲しみにおしつぶされてしまいます。それでは娘も悲しむと思うので、前を向いて進んでいこうと決め、いろいろなことにチャレンジしています。今回の応募もその一つでした。
これからも心の中の娘が笑顔でいられるように、娘と共に少しずつ歩んでいきます。

審査員からのコメント

“祝” 大賞おめでとうございます。
将来の夢を、実現させるために色紙に書いた言の葉「中学校英語教師になる」。
運命とは何だろう、志半ばで天国へと旅立ってしまった。お腹を痛めて産んだ命。お母様のお気持ちを察すると胸が締め付けられる思いです。
しかし、お母様は、娘さんの書いた「夢」を「言の葉」を受け継ぐ決心をされ、自らが英語教師になりました。
日々、生徒達に教鞭を執る、お母様の眼差しは、娘さん魂と一つになって、日本の将来を育てているのですね。
娘と母の魂のリレー、百年後、千年後に語り継ぎたい物語です。命(ゴルゴ松本)

日本漢字能力検定協会賞

息子へ母より「謎」

見澤 富子 さん
(埼玉県・主婦)

「成長しても小さくならないものは?」これは息子のなぞなぞ。結局その答えは謎のまま息子は四十歳に。しかし去年そんな彼が長年勤めた会社を辞め、医学部に入り直した。全ては小児がんの子供を救う為。成長しても小さくならないもの。それは夢だ。

受賞者コメント

この度は日本漢字能力検定協会賞にお選び頂き、誠にありがとうございました。最初に受賞のご連絡を頂いた時は「まさか」という感じで大変驚きました。コロナ禍であまり良いニュースがなかった時に大変喜ばしい知らせとなりました。ここ最近は身体の不調に悩まされ、子ども達の活躍が生き甲斐となっています。そしていくつになっても夢を諦めない息子の姿には親としても感心しております。もちろん人それぞれ悩みやストレスを抱えているのも事実。しかし息子を見ていると私も頑張ろうと思えるのです。子どもから学ぶことは多いですね。これからも息子を応援しながら悔いの無い人生を歩みたいと思います。

審査員からのコメント

幼い頃の息子さんから出された「なぞなぞ」。
お母さんは、答えがわからないまま、おそらく、そんな「なぞなぞ」も忘れていたことでしょう。
しかし、40歳になった息子さんから、会社勤めを辞め、小児がんの子供を救うために医学の道に進むと伝えられ、遠い記憶の「なぞなぞ」を思い出したのでしょう。
なぞなぞの答えは「夢」だとわかったお母さん。
仕事をこなしながら、夢をあきらめず努力し続けてきた息子さんも素晴らしいですが、こんな何気ない日常の遊びまで覚えていたお母さんの愛情深さに感銘を受けました。
息子さんが、りっぱなお医者さんになられることをお祈りいたします。(山崎信夫)

審査員賞

保健の先生へみきより「輝」

岩中 幹夫 さん
(岡山県・公務員)

子供の頃、顔にある傷跡を気にしていた私に、保健の先生があるものを見せてくれました。それは、中にヒビが入った水晶で、日光にかざすとヒビの部分が綺麗に輝いて見えました。この傷を「輝き」に変えてくれた先生に、この漢字を贈りたいです。

受賞者コメント

このたびは、輝かしい賞をいただき、誠にありがとうございます。
大人になって、あの日先生に見せてもらったような、中に傷の入った水晶を買いました。日光に透かして見ると、あの日の感動がよみがえります。
特に子供のときは、ちょっとした体験や小さな一言によって、その後の道が大きく左右されるものだと改めて思います。傷を輝きに変身させられる先生のような人が一人でも増えれば、もっとよい世の中になるのではないかと思います。
一生懸命生きていると、身体や心に傷を負っていくものですが、それを輝きに変えるような人生を送っていきたいものです。
この賞に関わられたすべての方の行く先に、輝きを。

審査員からのコメント

この地球には、素晴らしい先生が居てくれて、未来は安心出来ますね。
小さな子供の時に顔に大きな傷跡があると、周りにジロジロ見られて、原因を聞かれて、イジられたりして、とても辛い時を過ごされたのでしょうね。
そんな子供の表情を見逃さずにいた保健の先生は、素敵な凄く素晴らしい先生ですね。
そして水晶を使って傷ついた子供の心をちゃんと癒やしました、諭しました。心が健康を保ちましたね。さすが保健の先生!!中々出来る事ではないですよね!しかも、その傷を輝きに変えてしまうとは、まさにマジシャンです。ひとりの子供のそこからの未来まで変えた保健のマジシャン先生!ありがとうございます!!と言いたい。
きっとこの子は輝く目で大人になり、光を運ぶ輝きの伝道師になっていることでしょう!
地球が輝く星なのは、そこですね。命(ゴルゴ松本)

息子へ父より「交」

小松崎 潤 さん
(東京都・会社員)

ADHDの息子は週に二回通常学級で過ごす。しかし授業中に教室を飛び出してしまい交流どころではない。しかしある時黒板の「交」の字を見るなり「パパがいる!この字、好き」と息子が言った。交流はなくても私たちの心は交わってる気がした。

受賞者コメント

この度は審査員賞を授与していただき、誠にありがとうございます。大変光栄に思うと同時に身の引き締まる思いです。今回作品にしたのは息子の教室内での出来事です。人と比べてはならないと思っていながらも突拍子もない行動をする息子に正直ヤキモキしていました。しかしこの発言を機に「息子はちゃんと成長してるんだな。大丈夫だよな」という気持ちになりました。まだまだ道半ば。父親として試行錯誤しながら、息子のサポートをゆっくりゆっくりと続けていきたいと思います。この度は本当にありがとうございました。

審査員からのコメント

審査員賞、おめでとうございます。
日頃から漢字は感じる字だと思っています。見た瞬間に「パパがいる!」その通り「交」の中に「父」がいます。素晴らしい発見です。
子供は毎日が冒険みたいなところがあり、日々、たくさんのモノ、コト、ヒトに出会います。その中から自分に必要な物事を拾って成長していきます。息子さんのその感性は、とても素敵です。
これからも、「パパのいる」学校で他の子供達と交流、交差しながら、成長、成功していって欲しいです。常にパパが側にいるから効果があるはずです。「交」の字には調和するという意味があります。
パパがんば!!命(ゴルゴ松本)

22:28のお客様へしがないバイトより「粋」

佐藤 美海 さん
(埼玉県・教員)

バイト先のカフェで閉店間際によく現れる常連さん。一人でいるのにあの日頼んだのは二つのチーズケーキ。不思議そうにフォークを二つ置いた私に、「いつもお疲れ様」と一つ差し出してくれましたね。粋な計らいとは何か知った大学三年の秋でした。ありがとう。

受賞者コメント

「漢字に親しむ機会になれば」と、生徒と取り組んだコンテスト。まさか賞をいただけるとは夢にも思わず、受賞の知らせを聞いた時は大学時代の追憶とともにこそばゆい気持ちでいっぱいになりました。ささやかながらも大切にしていた思い出を、このような形で日の当たる場所に出していただき至極光栄です。
わたしが現在受け持つ生徒たちは漢字に苦手意識を持っている子が多く、少しでも興味が持てるような取組を模索していました。そのような中で、生徒たちがそれぞれに思いを馳せながら自分の気持ちに合った漢字を探す様子はほほえましく、また感慨深いものでした。この経験をきっかけに、より一層言葉の楽しさや奥深さを伝えていけるよう指導にあたりたいと思います。ありがとうございました。

審査員からのコメント

粋とは、色気を持った、心意気のことです。
これは、大人が若者に教える生き方の一つだと思います。大人が日々どう生きてるか、どう息を呼吸をしているか、その方も若い時その時代の大人達に教えてもらったことでしょう。
息抜きに立ち寄るカフェで一生懸命バイトに励む学生のあなたに、思わず粋な計らいをしたくなったのでしょうね。
多分それは、未来に教師になったあなたが、若い人達に、日本人の、心意気の一つ「粋」を伝える人になって欲しいから、ご縁があったのでしょう。
「いつも、お疲れ様」神様は見てるんだ。命(ゴルゴ松本)

佳作

  • 井上 浩子 さん
    (山口県・主婦)
  • 今北 亜希子 さん
    (兵庫県)
  • 小串 真紀子 さん
    (愛知県・自営業)
  • 中井 朗 さん
    (福岡県・教員)
  • 中川 祥 さん
    (滋賀県・教員)
  • 中村 聖 さん
    (福岡県・教員)
  • 松田 弘恵 さん
    (岩手県・教員)
  • 峯田 泰彦 さん
    (東京都)
  • 村形 舞香 さん
    (宮城県・教員)
  • 吉野 百音 さん
    (北海道・教員)

※ 受賞者の都道府県、学校名、年齢、職業は応募当時のものです。

※ 基本的には応募作品の原文をそのまま掲載しておりますが、一部修正を加えている箇所がございます。ご了承ください。

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