2013年4月に公益財団法人として認定を受けた当協会は、「すべての人の学びを支える」をスローガンに掲げ、スピード感を持って事業を大きく発展させてきました。現在では、3つを事業の柱に、社会生活の基礎となる日本語・漢字を学ぶ楽しさを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。
【普及啓発・教育支援活動】の象徴となるのが、2016年に京都祇園に開設した『漢検 漢字博物館・図書館』です。漢字を楽しく学べる今までにない体験型ミュージアムとして注目を浴び、来館数は年間8万人を超えています。2019年には、若手職員を中心としたプロジェクトを発足させ、スマホ向け漢字学習アプリ『いちまると旅しよう! しりもじ漢検』をリリースするなど積極的に事業の裾野を広げています。
【調査・研究活動】では、京都大学と2つの共同プロジェクトを進めています。漢字学習の効果を科学的に検証する「漢字神経ネットワーク」の解明は、生涯にわたる健康と生きがいづくりを目的に、子どもの頃の漢字能力や漢字学習と認知症発症との関係を明らかにする取り組み。また、人工知能を活用して、累計約4000万人を超える受検者の検定試験に関する膨大な情報やデータを解析し、研究成果を社会に向けて発信する取り組みです。
【日本語能力育成活動】の主力となる検定事業では、年間約200万人の方に受検いただいている『漢検』と『文章読解・作成検定(文章検)』、『BJTビジネス日本語能力テスト』の3つの検定を実施しています。最近では、論理的な文章力構築の重要性が認知され、全国300社以上の企業が新入社員研修などに『文章検』を導入。2019年度から各学校で利用になる文部科学省の「高校生のための基礎診断」測定ツールのひとつとして『文章検』が認定を受けました。さらに外国人労働者や留学生が増加するなか、『BJT』のニーズは年々高まっています。
2020年の入試改革や働き方改革、IT技術の急速な進歩を背景に大きな変革期を迎える現在、当協会では「進化」をテーマに、2019年4月より中長期事業計画がスタートしています。そんな私たちが求める人物像は「志学協進」。高い志を持ち、自ら考えて行動し、周囲を巻き込んで挑戦する人です。特に若いみなさんには、柔軟な発想で新事業の萌芽を見つけ、企画や開発にも挑戦してほしいですね。日本の未来を担う使命感を胸に、共に発展していきましょう。