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企業・教育機関
卒業後を見据えた就職活動指導
■本学の日本語教育と専門ゼミの取組み
本学は、全国に3つのキャンパス(福岡キャンパス、神戸三宮キャンパス、東京渋谷キャンパス)を持つ、経済・経営系専門の単科大学です。
山下及び竹内が所属する日本経済大学東京渋谷キャンパスでは、入学前にレディネス調査等を行い、留学生の新入生及び2年生は自分自身の日本語能力に合った選択必修科目の日本語科目を1週間に2回受講し、日本語能力を高めながら経済・経営分野の専門科目を学ぶことのできる留学生教育を展開しています。
日本経済大学東京渋谷キャンパスの留学生向けの日本語教育の特色としては、経営分野の専門科目を担当する教員と日本語科目を担当する教員が連携して専門科目の内容理解が促進できるように専門日本語教材を作成し、その作成した教材を日本語科目で導入していることです。専門科目の日本語は、日本語教育で学ぶ日本語と異なるため、留学生の役に立てればという想いから先行研究の知見を取り入れて経営分野の専門科目を担当する教員と日本語科目を担当する教員が連携して専門日本語教材を作成しました。
日本語教育は、経済・経営分野の専門科目の内容理解を促進する役割を果たしており極めて大切な取組みです。そのような日本経済大学東京渋谷キャンパスでは、多くの留学生が学び、そのほとんどが日本企業への就職を志しています。そのような留学生の就職を支援するために、山下及び竹内の専門ゼミでは、留学生の就職活動を支援することを目的とした専門ゼミを3年次から開講しています。
■専門ゼミでの就職活動指導
山下及び竹内の専門ゼミの授業では、教科書として『留学生の就活入門』(論創社)を使用しています。就労ビザの変更方法から面接のノウハウまで、留学生が就職活動を行う上で必要な情報が全て網羅されている教材です。授業内では、この教材を輪読し、内容を理解することで、日本語の理解にも繋げます。その後、内容に沿ったテーマを設定して学生同士でディスカッションし、課題をまとめるなど、実際の就職活動で使える活きた知識に昇華させていきます。この指導の概要については、下記の「留学生のための就職支援教材活用の試み」に詳細をまとめましたので、ご参照ください。
■卒業後に求められるビジネス日本語能力
本実際に、山下は、専門学校及び大学で留学生教育に携わり11年目を迎え、日本で働く在留外国人の教え子たちが多くおり、その教え子たちからビジネス日本語の大切さを教えてもらうことがあります。例えば、外国人経営者となった教え子の経営支援等も行っているのですが、電話、商談、契約等のビジネス日本語に不安があるため、教えてほしいと相談に乗ることがあります。その他の教え子たちからもビジネス日本語の大切さを実感する機会が多くあり、2022年の山下の専門ゼミでは、これらのビジネス日本語の大切さの理解に加え、本学の福岡キャンパスの田代雄三准教授のご尽力により推進を行っているeポートフォリオ等を利活用し授業目標の達成を図っていく目標別コミュニティ型授業にも賛同し、留学生の就職活動+ビジネス日本語をセットで学べるシラバスを作りました。2022年の山下の専門ゼミに所属する留学生には、BJTビジネス日本語能力テストの受験を必須・推奨しています。また、同僚の竹内の専門ゼミおいてもBJTビジネス日本語能力テストを推奨しています。 まずは、春に1回受験をさせ、学生たちにBJTに慣れさせつつ、現在の能力を測定します。次に秋の再度受験に向けて、スコアを意識させ、目標を持って取り組ませます。BJTはスコア制で不合格はありませんので、春から秋にかけて、どれだけスコアが伸びたかを見られることも魅力です。BJTの受験状況や結果は、評価にも反映させます。授業時間の前半では、従来通り『留学生の就活入門』を輪読し、後半ではBJT学習を行っています。当該ゼミのシラバスについても、下記「2022年度専門ゼミシラバス」にまとめてありますので、併せてご参照ください。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。