協会の活動 2020年度
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調査研究報告
2021年03月30日(火)
ビジネスコミュニケーション能力調査研究報告
-国内における外国人材のコミュニケーション・コンピテンシーの変容過程-SUCCESS-Osaka × 公益社団法人日本漢字能力検定協会 共同研究プロジェクト
2019-20年調査研究事業外国人材の日本語ビジネスコミュニケーション能力についての調査研究の結果を公表します。
近年、外国人材の雇用状況は増加傾向にありますが、具体的にどのような言語能力が求められ、それをどのように外国人材が認識しているか、また、高等教育機関でビジネス日本語、キャリア教育等の教育を受けた外国人材が、就労後どのように能力を伸長させているかを調査した研究は見られません。
そこで、関西大学・大阪大学・大阪府立大学・大阪市立大学が参画しているSUCCESS-Osaka(文部科学省委託事業「留学生就職促進プログラム」)とBJTビジネス日本語能力テスト(以下BJT)を主催する公益財団法人日本漢字能力検定協会が互いの強みを生かし、国内における外国人材のコミュニケーション・コンピテンシー(※1)の変容過程について明らかにすることを目的に、調査研究を行いました。このたび報告書がまとまりましたので公表いたします。(※1 コンピテンシーとは「業務において優秀な成果につながる行動特性」などと訳される語である。)
共同研究プロジェクト 2019-20年 調査報告書 ビジネスコミュニケーション能力調査研究(842KB)
TOPIC① 同一受験者の場合、就職後半年間でBJTスコアと読解能力が伸びた
就職前にBJTを受験した同一受験者が半年後再受験した場合、BJTスコアが伸び、読解のランクも上がっていることがわかりました。
TOPIC② 外国人材側の自己評価は低いが、日本人上司は高く評価している。
TOPIC③ 課題の多くは、外国人材特有というより「新社会人」として求められるもの。
外国人材とその上司を対象に行ったインタビュー調査の分析から、以下のような、外国人材に求められる課題が浮かび上がりました。
①「外国人材の自己評価と上司の他者評価とのギャップ」
②「職場で求められるコミュニケーションの課題」
③「企業文化・異文化適応への戸惑い」
④「誤り回避のストラテジー」
⑤「今後求められる社会人基礎力」その具体的な回答を分析した結果からは、外国人材である故の課題というよりは、日本人の新社会人と同種の課題であることがわかりました。