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企業・教育機関
モノづくりの現場と顧客とをつなぐ存在になってほしい
国際事業部
当社は、「日本のモノづくりを通じて、国際社会をより豊かにする為に存在するShokunin集団である」を企業理念に、プラント設備機器の設計・製造を行っています。SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが進んでいる今日、日本のモノづくりが途上国をはじめとした諸外国に貢献できる余地は大きくなっています。それぞれの国が抱える社会課題を解決するためには技術が必要ですし、国が豊かになっていくうえで産業化は避けられません。当社では、モノづくりで産業化の基礎を支える人材、モノづくりで適正技術を生み出せる人材、モノづくりで国際社会をより豊かにしていける人材を育てたいと願っています。経営スローガンは「全ては家族のために」。従業員が幸せであってこそ、顧客に対して本当の意味でのサービス(製品)を提供できると考えています。売り込みたいのは、製品はもちろん、従業員一人ひとりです。
外資系証券会社や在日米国大使館商務部で勤務経験を持つ青木大海社長のもと、事業の海外展開を進めています。2019年8月には、当社で働いたミャンマー人の技能実習生がここで得た技能を帰国後も活かせるようにと、ミャンマーにグループ会社の工場を開設しました。また、モロッコでは、国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業として、オリーブ搾油かすの資源化に向けた有機廃棄物乾燥機の普及実証事業を行っています。
海外事業での活躍を期待して外国人材の採用は積極的に行っており、現在、ミャンマーや中国、コンゴ民主共和国、チュニジアなど多様な人材が働いています。現地で採用した方の他、長く日本で暮らしていた方や、県内の大学に留学していた方もいます。ただし、日本に長く住んで日本語が話せる方でも、仕事をするうえで生活日本語では不十分。指示した内容を十分理解できないこともあります。
そこで、就業時間内に教師を招いて日本語教育を行うことにしました。初級・中級・上級クラスに分けて、各クラスとも週1回1時間45分の授業を実施しています。初・中級では日本語能力試験(JLPT)のN4・N3合格を目指し、上級では『にっぽんのカイシャ』を教材にビジネス日本語を学びBJTを受験しています。
BJTはスコアでも評価するため、各社員の日本語能力がどのレベルにあるのがわかりやすく、問題は実務に沿ったものです。事前にサンプル問題を見た社長が「これはいい」と即決しました。就業時間内に学習時間を設けているのですから、成果としてアウトプットを求めます。BJTという具体的な目標ができたためか、日本語を学ぶ姿勢に変化がありました。以前は気が向いたときに学習するというスタンスでしたが、業務として成果を求めることで気が引き締まったようで、進んで電話を取るなど積極的にビジネス日本語に触れようとしています。
上級クラスの社員には年に2回BJTを受験してもらい、スコアの変化を見たいと思います。目標はそれぞれの実力に応じて400点or480点を設定していますが、将来的にはJ1(530~599点)以上に到達してほしいと考えています。今後、BJTの成績を査定にも反映させることを検討したいと考えています。海外のビジネス展開ではその国の出身者の方が有利なので、彼らは貴重な戦力として期待しています。ゆくゆくは、それぞれの国と日本、そしてモノづくりの現場と顧客とをつなぐ存在になってほしいと願っています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。