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「NBJビジネス日本語プログラム」において「BJT準備クラス」を開講しています

カイ日本語スクール 代表:山本 弘子 様/ビジネス日本語プログラム:児崎 静佳 様 林田 なぎ 様

カイ日本語スクール
代表:山本 弘子 様/ビジネス日本語プログラム:児崎 静佳 様 林田 なぎ 様

■設置の経緯

 当校は、日本語総合コースという週20時間のコースの中に、NBJビジネス日本語プログラムという就職準備授業を組み込んでいます。NBJビジネス日本語プログラムとは、一財)日本語教育振興協会により開発された、留学生の就職準備のための日本語プログラムで、カリキュラム、授業時間、レベル、評価、教員などの要件を満たし、準拠プログラムとして同協会に登録されたものを指します。本校は、そのプログラムにBJT対策を組み込んでいます。
 いまだに国内就職の募集案内には、日本語能力試験(JLPT)が就職要件として提示されることが多いものの、JLPTは試験の目的も測る能力も就職には向いていないことから、カリキュラムとの整合性を重視し、BJTを選んだ次第です。とはいえ、最近では、徐々に広がりつつあるようで、履歴書提出時にBJTの結果を記すことで、就職時の日本語能力証明として認知度が上がり始めていることは嬉しく感じています。


■指導方法

 この「BJTクラス」は、週1回ずつ3か月間、1日4コマの授業ですが、4月〜6月、10月から12月の年2回の開講となっています。クラス開始の3か月後には受講者全員にBJTを受験してもらいますが、最初はBJTについて何も知らない学生がほとんどです。そこで、初回の授業では、協会発行の『模擬テスト&ガイド』を使用して、BJTの模擬問題に取り組んでもらいます。その時点では、ほとんどの学生がJ3以下のレベルです。
 その後、聴解・聴読解・読解のセクションごとに、解き方のポイントを解説していきます。そこで重要なのが、問題の解き方である「テクニック面」と、日本企業の商習慣や文化などを理解させる「素養」の両方を、バランス良く鍛えていくことです。今教えていることは「テクニック面」なのか「素養」なのかを、学生たちに意識させながら授業を進めます。また、「テクニック面」は教室内の講義でも教えることができますが、「素養」に関しては机上だけで身につけることはできません。体験を通じて実感しながら体得できるよう、以下のような工夫をしています。


■地域協働活動

 実際に就職後に役立つ日本語を身につけるためには、体験学習が重要だと考えます。そうした体験があってこそ、ビジネス場面での日本語運用力の証明としてのBJT対策が役立つものだと考えます。そのため、力を入れて取り組んでいるのが地域協働活動です。CBL(Community Based Learning)という学習活動で、地域のニーズや課題に地域のパートナーと共に取り組み、体験から学びを得ることを目的としています。この活動は、上級レベルの正規科目として2014年からカリキュラムに組み込み、地域の図書館や小学校などに絵本の読み聞かせを行ってきましたが、2020年にNBJビジネス日本語プログラムに移し、新大久保商店街振興組合の事務局長と商店街の企業の方と共に、今は韓国料理のオリジナルメニュー開発を進めていきます。その活動において、工場見学や企業の方からの説明や報告、また、実際に出金伝票や業務日報の作成や、日本人とのメールのやりとりなどの体験を通して日本の商習慣や企業文化などの素養を身につける場としています。

■導入後の変化

 「BJTクラス」の学生たちは、日本企業への就職という目的がはっきりした学生がほとんどです。その目的達成に向けた具体的なマイルストーンとしてBJTの目指すレベル目標が定まることで、クラス全体の士気が高まりました。学生たちも、BJTで身につく「ビジネス日本語能力」は確実に仕事に役立つ能力であり、就職の際も認められる資格だと認識し、モチベーションに繋がったようです。結果として、「BJTクラス」の学生は、欧米系の非漢字圏の学生が多いにもかかわらず、半数以上がJ2以上を取得して卒業しています。
 中には、日本語力の証明としてはN3しか持っていなかったが、J1を獲得したため就活に有利に働いたケースもありました。その学生は、就職活動にあたって履歴書や面接でJ1をアピールしたことから、就活エージェントからの紹介求人が増えて、結果、希望の職での内定がすぐに叶いました。また、在校中はJ2を取得できなかったのですが、卒業後も働きながらBJTの学習を続けることでJ2を取得した学生もいました。BJTと出会うことで、学校を卒業し就職した後も学び続ける必要性を生徒に実感してもらうことができ、それが本人のキャリア形成や将来にもつながっていくと思います。

※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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