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企業・教育機関
J1+取得延21名・J2以上取得8割超。多角的な日本語指導で、真の国際化大学を目指しています。
国際教育センター 准教授/国際部 国際課 留学生就職支援室
本学は、2013年に、「スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)」に採択され、大学の国際化を推進してきました。その後の7年間で受入留学生数は約4倍に増加し、2020年現在では約1,700名の留学生が在籍しています。2023年には、留学生数3,000名(全学生のおよそ10%)を目指しています。また、2017年には文部科学省「留学生就職促進プログラム」に12機関(コンソーシアム)のうち東日本地区で唯一の私立大学として採択を受けました。
■留学生へのビジネス日本語教育法
本学が行っている、留学生に対するビジネス日本語教育について、主なものをご紹介します。
① 正課ビジネス日本語科目 前期・後期で各15回の講義を行う正課ビジネス日本語科目が設けられており、2021年度よりさらに前期・後期が加わり計60回の講義が設置されます。留学生の入学直後から長期的な視野に立ち、時間をかけてじっくりと、ビジネス日本語の基礎力(語彙力・文法力・表現力・社会文化知識など)を育成していきます。また、日本の企業文化やビジネスマナー等についても網羅的に学ぶことのできる構成となっています。
② 課外BJT対策講座
学内留学生のためのBJTビジネス日本語能力テスト短期集中対策講座を設け、1講座あたり8コマ(90分週2回×4週)を年2回開講し、BJTビジネス日本語能力テストの出題傾向と対策について、解説しています。また、大学オリジナルの模擬問題400題の作成も行い、現在、240題が完成し運用が進められています。模擬問題の難度は実際のBJTビジネス日本語能力テストに合わせて設定し、J1+を目指す留学生向け問題では実際のテストよりも高い難度の問題も設け、J1+レベルに到達する力と着実な基礎力育成に取り組んでいます。
③ オンラインオンデマンドビデオ講座
留学生が自宅でスキマ時間に視聴できるよう、各回10分程度のビデオ講座を101本制作し、教材化を進めています。現時点で正課と課外の一部クラスで試験運用が開始されております。
④ オンラインビジネス日本語ポイント講座 2020年9月に、学内の留学生だけでなく、学外のビジネス日本語学習者にも向けて行ったオンライン講座です。全世界に向けて、計20講座を配信しました。世界40カ国から延べ17,000人以上の受講希望があり、うち半数は海外からの参加でした。世界のTOP大学や、日本語学習者が少ない国々からの参加も見られ、非常に幅広い層がビジネス日本語やその講座に高い関心を示してくださっていることを実感しました。
■指導の工夫
2020年11月現在では、コロナ禍の影響もあり、日本語講座も対面ではなくオンラインにて授業を進めています。しかし、オンラインでやり取りできる情報量には限りがあり、同じ時間内では対面授業の2/3程度しか進まないのが現実です。そこで、授業以外の時間も活用して学習が進められるよう、オンラインクイズや自習用教材を配信したり、BJT公式Facebookワンポイントマンガを紹介する練習カードを配信したりするなどの工夫を行っています。
また、BJTの受験に際しては、団体受験の割引と大学からの補助で、学生の自己負担は1,100円となるようにしています。導入当初は、全額を大学で負担することも検討されたのですが、そうなると学生は「また受ければいい」とスコアへのチャレンジ精神が阻害される恐れがありました。一定額は自己負担にしてこそ、ハイスコアを目指すモチベーションが保てると考え、このような判断となりました。その効果もあってか、例年J2以上取得者は80%以上、J1以上取得者も延21名と、高い成果につながっています。
■留学生の進路実現
留学生の約8割が日本での就職を希望しています。そのうち、J1+取得者は就職が非常に難しいとされるグローバル企業への内定を獲得しています。BJTでハイスコアを取得することは決して容易なことではありませんが、就職活動においては強い武器になります。頑張って勉強した卒業生が、入社後も日本、そして世界を舞台に活躍しているという話を聞いて、非常に嬉しく思っています。BJTビジネス日本語能力テストは、グローバル人材として世界に雄飛し活躍するために、非常に意義深い試験であると思います。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。