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日本流の「心配り」「おもてなし」を伝える、日本とベトナム両国の架け橋としての活躍を期待
企画室室長
ホテル三日月グループ(本社:千葉県勝浦市)は、千葉県内の外房に「勝浦店」「鴨川店」、内房の木更津に「龍宮城店」、栃木県日光市に「日光きぬ川店」、年間120万人超の来場者を誇るスパ&ホテルリゾートを展開、その他レジャー施設を運営しています。
2019年には、ベトナム中部のダナン市に進出し、日系企業過去最大の120億円の大型投資として、総開発面積約13㏊に及ぶ大型リゾート開発を着工しました。施設は、レストランが19年開業。続いて2020年には、日本風ヴィラ(48室)、全天候型のドーム施設(アジア最大級1㏊)となる温泉&全天候型アクアドーム、2021年に全室オーシャンビュー(294室)の22階建てのホテルを建設、地上90㍍の最上階にはインフィニティ温泉プールを設置した、ダナンビーチ初の5スターホテルを順次開業予定です。
例年、大学専門卒・高卒・外国人材の3グループで新卒採用を進めていますが、スケールメリット、そして将来を見据えたことにより、ベトナム人採用が増加しました。現在は、1期生から3期生まで合わせて、約60名のベトナム人が在籍しています。入社後は日本人の新入社員と一緒に研修を受け、その後、各ホテルに配属されます。新入社員は1年間、先輩社員とペアを組むメンター制度がありますが、その際は、日本・ベトナムという国籍の区別なく指導に当たり、勤務中はベトナム語の使用を禁止として日本語の上達を心掛けております。
ダナン市においては「JEBセンター」という私塾を設立し、現地スタッフへの日本語指導も行っております。また、日本語能力向上の新たな取り組みとして、2019年にBJTの活用を始めました。全額会社負担で、年2回受験しております。BJTはランクだけでなくスコアでも評価されるので、ランクが同じでも、スコアの変動によって日本語能力の成長が把握できます。何事も数値化や見える化を大事にしており、BJTのスコアは外国人材育成の指標の一つとなっています。
採用試験では、一次選考合格者全員にBJTを受験してもらい、スコアを採否の参考にしています。これは実践的な日本語コミュニケーションスキルを判断するには、JLPTだけでなく、BJTとの両軸で幅広く考える必要があるためです。テストの結果は人事考課の参考にもしています。
BJTで上位の成績を収めた1期生社員はダナンで勤務することになりました。培った日本語能力と、日本流の「心配り」や「おもてなし」、そして三日月の考えを伝える、日本とベトナム両国の架け橋としての活躍を期待しています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。