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企業・教育機関
ビジネス日本語は「特別なこと」ではない
私は、留学生と企業が本音で語り合える場を提供し、留学生が日本企業へ就職することが更に促進されるよう支援しています。
このような支援をする理由は二つあります。
1つ目は、私の経験を誰かのために役立てたいと思ったからです。私の両親はスペイン人なのですが、私は日本生まれ日本育ちです。小さいときから外国人として日本で育ってきているので、日本において外国人として暮らすという意味では経験が豊富だと思っています。
2つ目は、自身の就職活動の経験です。私は就職活動をほとんどできませんでした。それは、就職活動を怖いと思っていたからです。誰かに後押ししてほしかったという思いがあり、それならば私が誰かの後押しをできるようなことをしようと思い立ちました。
初めは広島を中心に就職の支援を行っていたのですが、なかなかうまくいきませんでした。そんな時に、谷口さん(エバオン株式会社)と出会い、留学生のための取り組み「Work in Japan」を始めました。これは、留学生と企業が本音で語り合える場を作りたいという思いを形にしたものです。谷口さんの力を借りながらではありますが、少しずつ成果が出始め、今年1月には、日刊工業新聞社などが主催するビジネスプランコンテスト「キャンパスベンチャーグランプリ(CVG)」の大阪地区最優秀賞をいただくことができました。( http://nikkan.co.jp/articles/view/00412879 )
この活動の中で多くの留学生と出会い、日本語について感じたことがあります。それは、多くの人が、ビジネス日本語というものを特別なものだと思いすぎているということです。
留学生が就職をしたいのであれば、ビジネスの日本語を学ぶことは必要だと思っています。しかしこれは、留学生だから必要ということではありません。日本人も言葉遣いやマナーなどは勉強して身につけています。そのことに気づけば、ビジネス日本語を学ぶことに対するハードルは下がるのではないかと感じています。もし、ビジネス日本語を学ぶきっかけが掴めないのであれば、BJTを1つの目標に置くのが良いと思います。マナーやビジネス習慣など、留学生にとってあまり馴染みのないことが出題されることもあるので、テストを通して勉強できます。
今後は、外国人が更に日本の社会に根付けるように活動していきたいです。初めは摩擦を起こすこともあると思いますが、その摩擦は日本がより良く変わっていくために大切な要素だと思っています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。