Voice
企業・教育機関
母国や地域社会の発展に貢献できるブリッジ人材の育成
ビジネス・コミュニケーション科 講師
本学の短期大学部には留学生のための特別カリキュラムを編成した「外国人留学生3年コース」があります。このコースは、ビジネス・コミュニケーション科をはじめ介護福祉や食物栄養など短期大学部の5つの学科・専攻にあり、本学全体で約100名いる留学生のうち約7割がこのコースで学んでいます。2020年に初めての卒業生を送り出しましたが、日本で就職希望の学生は全員、製造業、販売業、ホテル、アパレル関係など幅広い職業に就職することができました。
私が担当するビジネス・コミュニケーション科では、ビジネス日本語に注力しており、授業でBJT対策を行っています。ほとんどの留学生は、入学後にBJTのことを知り、N1がゴールではなく、その先に新たな目標ができたと感じているようです。また、就職した卒業生が後輩の留学生に「日本で働くには日本語能力がN1でも足りない。難しいがBJTをやっておいた方がいい」と話しており、今まで以上にBJTの勉強に打ち込んでいます。
2021年度には「ビジネス日本語プログラム」を新設します。1年次で基礎となる日本語を集中的に勉強したあと、2年次、3年次でビジネス日本語に加えて、社会人基礎力入門など日本で働くために必要な能力を高めるコア科目と、専門的なオプション科目を学ぶ仕組みになっています。ビジネス日本語については、2年次でBJTのJ2レベル、卒業までにできればJ1レベルを目標としたいと考えています。BJTを受験できるテストセンターが徳島にも開設されましたので、学生にとって受験しやすい環境が整ったといえます。
本科では、専門科目において社会的責任やエシカル消費など持続可能な社会の実現に貢献するために必要な知識や価値観を深めるとともに、実践に必要なビジネスマナーやITスキルを身につけます。「ビジネス日本語プログラム」は、専門性と日本語力の両方を活かして母国や地域社会の発展に貢献できるブリッジ人材の育成を目的としています。日本と母国のブリッジ人材として活躍するためには、ビジネス日本語能力が必須です。今後も試行錯誤を繰り返し、改善しながら指導を続けていきたいと考えています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。