「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」を活用した授業

第10回「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」団体賞受賞団体
帝塚山大学 教育学部 こども教育学科

取材した学校

德永 加代 先生

帝塚山大学 教育学部

こども教育学科

教授 德永 加代 先生

取材日2023年3月8日

「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」に取り組んだ理由は何ですか。

帝塚山大学教育学部こども教育学科では、5年前から、授業内で本コンテストに取り組んでいます。本学には、小学校の先生を目指す学生が多く通っています。自分が先生になったときに、このコンテストを子どもたちにどのように取り組ませたらよいか、ということを考えさせることがねらいです。


私は、中学校の教員、小学校の管理職をしていました。本コンテストには、そのときから取り組んでいます。子どもたちの成長において、自分の気持ちを言葉で表現することはとても大切だと考え、文章と漢字で相手に想いを届けるこの漢字コンテストは、とてもよい教材だと痛感しています。また、自分を振り返ることができるのもこのコンテストの魅力だと思います。

授業の流れを教えてください。

各学年で取り組んでいますが、大学3年生では「国語科教育法」の授業の課題としています。その流れを説明します。

①過去の受賞作品や前年度の学生が書いた作品と、「書き方3ステップ」を見せながら、説明する。

ここでは、「将来、先生になることを意識して、子どもたちのお手本となる文章を書くように」と伝えています。贈りたい相手だけでなく、多くの人にきちんと想いが伝わることを意識することが重要だと思います。

②贈る相手を決め、その相手とのエピソードをメッセージとして書く。

これまで取り組んできた中で、「先に漢字を決めるのもいいが、まずは印象的なエピソードを思い出し、そのエピソードをもとに先に120字のメッセージを書いた方が取り組みやすかった」という感想がありました。漢字を先に決めても具体的なエピソードを文章にまとめると、その漢字が適切でない場合もあるようです。

③贈る漢字一字を決める。

メッセージから想起する漢字をいくつか書き出し、すべて漢和辞典で調べます。そうすることで、単なるイメージではなくメッセージに適した漢字を選ぶことができます。

④作品を学生同士で読み、褒め合う

学生4~5人が1グループとなり、グループ内で完成した作品を交換して読み合います。読んだ人は、審査員になったつもりでその作品のよかったところを伝えます。

⑤書き直したい人は書き直し、提出する。

グループ内での評価をもとに作品を修正することも可としています。また、最終的な完成に向けた清書の段階では、書写の硬筆の時間のつもりで丁寧に書くように指導しています。

コンテストに取り組んでよかったことや、先生の思いを聞かせてください。

学生には、表現の機会を数多く提供したいと考えています。それは、学生が先生になったときに、子どもたちに表現する楽しさを伝えてほしいからです。


漢字コンテストは、どんな漢字を贈ろうかと考える過程で、漢字の意味や成り立ちを調べるため、漢字の重みや文化を考える機会になります。漢字ドリルを使い、ただ漢字を覚える勉強とは違う学習を、子どもたちにもしてほしいと思います。


「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」を活用した授業

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