漢字教育サポーター紹介制度
サポーター活動例
地域密着、大人と子どもがいっしょに学ぶ漢字教室
サポーター情報
登録番号:113099 110500
活動地域:神奈川県
対象:その他
活動場所:小学校
いつ、どのような講座をなさったのですか?
講義を行っている漢字教室の名前は「横浜あさひ漢字塾」と言います。横浜市万騎が原青年指導員連絡協議会、社会福祉連絡協議会、PTA、自治会の協力のもと、2015年5月から始まった、地域のみなさんに支えられている漢字教室です。横浜市旭区万騎が原小学校にて毎月第2日曜日、2時間(休憩15分)講義を行っています。参加者は小学校2年生から、80歳の方までと幅広く、全世代の方を対象にしており、大人と子どもがいっしょに学べる漢字教室として定着し、現在は約20名〜30名が参加しています。
前半は歴史、地理、季節など1年間のシリーズもののテーマを決めて漢字を勉強します。今年は「漢字の季節」という名で、各月の季語、行事、お祭り、その月のおすすめ料理に使われている漢字を問題を解答してもらいます。漢字について講義するだけでなく、季語の意味やどんな行事かなども説明します。後半は当教室発足以来ずっと続いている「今日の部首」です。1つから3つの部首を決めて、部首内にある漢字の問題を解答してもらいます。みなさんの解答の後、部首の意味や成り立ち、書き順などを講義します。
教室の雰囲気は和気あいあい。大人と子どもが楽しく漢字を勉強していますが、そこは地域の漢字教室なので、世間話や地域のお話なども結構飛び出しています。私も講義の最中に「あそこのスーパーの〇〇が安かったですね」など、漢字に全く関係ない話もしています(笑)。また、もはや名物になっている、自治会長をしている塾長(私ではありません)が簡単な漢字がわからず、子どもたちにからかわれている姿は必見です。
講座を行う上での指導の工夫やポイントがあればお聞かせください。
当教室では、カラープリントした資料を作成し、問題や漢字の成り立ちなどを説明しています。甲骨文字や金文を載せたりする他、子どもたちに漢字に親しんでもらい、大人の方にわかりやすくするため、イラストをふんだんに使っています。イラストはちょっとかわいらしいものを採用しています。
みなさんには、問題の解答を黒板に書いてもらっています。ただ、紙に漢字を書くよりも、大人と子どもがいっしょになって書くので、かなり盛り上がります。子どもはいつも楽しそうに漢字を書いていきます。
大人と子どもを同時に教えるわけですから、教え方は工夫が必要。大人だけ、子どもだけに話をするのではなく、うまく振り分けて話をするのが重要です。特に子どもは大人向けの話ばかりすると飽きてしまいます。大人用は難しい話になる場合がありますが、ちょっとでも子どもたちに知ってもらうように、言葉をできるだけ簡潔にすることを心がけています。
前半の講義はちょっと難しいので、小学校低学年だけクラスを分けて、子どもクラスを開設しています。担当は当教室のもう一人の漢字教育サポーター(KKS-110500)さんが、漢字の成り立ちや書き順、漢字辞書の引き方などをわかりやすく教えています。
主催団体や受講者からの反応はいかがでしたか?
大人の方々からは「忘れていた漢字が思い出すことができた」とか「漢字の成り立ちが知れて面白い」と言った声が聞かれます。また「道の字の成り立ちをいろんな人に話しているよ」などとおっしゃられる方がいるので、かなり漢字に興味を持たれているようです。楽しそうに勉強していますから。そして、みなさんの感想を聞いていると、漢字教室を開いてよかったなあと思います。しかし、「漢検でも受けてみます?」と言うと「それは勘弁」という方が多いですね(笑)。
子どもたちは友だちとわいわい、きゃっきゃっと楽しくしていますが、問題を解くときは真剣ですし、よく質問をします。以前大人用に漢字の創始者「蒼頡」の話をしたとき子どもたちは眠そうな顔をしていましたが、もう一度この話をすると、「この前話したじゃん。四つ目のおじさんのことでしょ」なんて言います。聞いていないと思ったら、ちゃんと聞いていたんですね。こんなことが結構ありますから、子どもたちの理解力には驚かされることがしばしばあります。
中学3年生の男の子が準2級に合格したという話もありました。この教室で漢字に興味を持ち、チャレンジしてくれました。とてもうれしかったですね。この先、こんな子たちが増えてくれるといいですね。
大人と子どもがいっしょに勉強できるのは、漢字ならではないかと思います。これからも地域の方たちといっしょに、この地域密着型漢字教室を続けていきます。
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