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教育委員会

個別最適な学びの充実を図り、「国語力」と「学びに向かう力」を育む/教育委員会/広島

教育長 永井 初男 様

中国・四国 / 広島

[教育委員会] 安芸高田市教育委員会

教育長 永井 初男 様

〇未来に生きる力をはぐくむ 「安芸高田協育」の推進

 本市では、子どもたちが予測不能な未来社会を力強く生き抜いていくために、「自ら考え、自律する子ども」の育成を目指し、学校・家庭・地域・行政が「協力」「協同」「協働」して教育施策・活動を展開しています。

 子どもたちには、次の3つの力をつけたいと考えています。

【想像・創造する力】(クリエイティブに思考し、表現する子ども)

・「こんな見方もあるのかな」「なぜこうなるのだろう」と、問いを持ちながら想像力を働かせることができる
・常識にとらわれず新たなアイデアを生み出したり、自分で考えたり選択したりすることができる
・自分の考えや思いを、相手に理解してもらえるように、工夫しながら伝えることができる

【協働する力】(違いを受け入れ、かかわり合う子ども)

・困ったときに他人に頼ることができる
・相手の特性を理解し、価値観の相違を受け止めることができる
・考えの相違を踏まえながら、思いや考えを出し合い、課題を解決することができる

【自分を知る力】(自分自身を理解する子ども)

・自分の性格や得意なこと、苦手なこと、どんなことに興味・関心を持っているかなどを認識することができる
・自分の学んだことを振り返り、できるようになったことや分かったこと、やりたいことややらなければならないことを認識することができる
・「自分だったらどうだろう」と自分事として考えることができる

 そして、それらの力をつけるために、次の4つの施策に取り組んでいます。

  • ① 「学び合う」授業づくり
    すべての子どもたちが、安心して「わからない」「教えて」と言い合える関係を大切にします。ペアやグループで考えを聴き合い、自分の考えを確かにしたり、深めたりする学習を進めます。
  • ② 個別最適な学びの推進~多様な学びの場の提供~
    子どもたちの興味・関心や困り感に応じた学習を充実させます。あらゆる教育の場で一人ひとりの実態に即した支援を行います。
  • ③ ICTの活用
    すべての子どもたちの力を最大限に引き出すため、ICTを効果的に活用した授業づくりを行います。発達段階に応じたプログラミング教育や遠隔教育を展開します。
  • ④ 「未来チャレンジ探究学習(PBL)」の充実
    子どもたちが、自ら課題を見つけ、自分事として考え、主体的に判断・選択し、人とつながりながら課題を解決する力を育てる探究学習を充実させます。

 その他、すべての子どもの良さや可能性を伸ばすことを目的に、複数の教員が学年全体や2つの学年を指導・支援する「安芸高田型チーム担任制」の推進や、学校・家庭・地域が協働し学校運営を行うために、すべての中学校区でコミュニティ・スクールの導入もしています。

〇個別最適な学びを充実させ、主体的に学ぶ態度を醸成するために検定試験を活用

 子どもたちの興味・関心に応じた個別最適な学びを充実させ、主体的に学ぶ態度を醸成するために、各種検定試験を活用しています。
 令和2年度までは、中学生全員が「実用英語技能検定」を受検し、その検定料を公費助成していました。令和3年度からは、「日本漢字能力検定」と「実用数学技能検定」、令和4年度からは学校で団体受検が可能な「文章読解・作成能力検定」などの各種検定試験も公費助成の対象にすることにしました。その背景として、子どもたち一人ひとりの多様な個性・能力を最大限に活かすことができる機会を拡大することで、自分自身で選択し、学びに向かってほしいという願いがありました。
 加えて、市長と中学生とのタウンミーティングの際に、参加した生徒から各種検定試験への公費助成に対する提案と要望があったというのも契機になりました。

〇「日本漢字能力検定」・「文章読解・作成能力検定」に期待する効果

 子どもたちが「日本漢字能力検定」・「文章読解・作成能力検定」に取り組むことで期待する効果は、「国語力」の向上です。すべての学びの土台には、「言葉を理解し、活用する力」「言葉で考え、表現する力」などといった「国語力」が肝要です。当然ながら、前掲した子どもたちにつけたい3つの力の根底にも「国語力」があります。
 子どもたちには、「日本漢字能力検定」に取り組むことを通して、教科書には出てこないたくさんの言葉に出会ったり、多様な表現を学んだりして、漢字・語彙力を高めてほしいと考えています。また、「文章読解・作成能力検定」に取り組むことを通して、他者から発信される情報を的確に理解したり、自分の考えや思いを相手にわかりやすく伝えたりするスキルを習得してほしいと願っています。

〇今後の展望

 これまでの日本の教育は、子どもたちが教員や保護者から指導されたことを実践する「受け身型の教育」だったと言えるのではないでしょうか。これからの教育は、子どもたち自らが学びに向かい、学びを調整しながら、課題解決に向けて実践していく「学習者中心の教育」が求められます。
 本市には塾などの民間教育機関はほとんどなく、子どもたちがさらに学びたい、自分を高めたいと思っても、その思いを実現するには難しい環境にあります。だからこそ、行政が旗振り役となり、学校・家庭・地域と力を合わせて、すべての子どもたちの学びを支援し、保障していくことが重要であると捉えています。
 現在、検定料助成対象者は中学生のみになっていますが、今後は「全国学力・学習状況調査」の結果等でも示唆されている中学生の「積み残し」解消や、初等教育段階での主体的に学ぶ態度の醸成等といった課題を解決していくために、検定料助成対象者を小学生にも拡げることも検討していきたいと考えています。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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