団体受検 取組事例(小・中・高 等)
小学校
地域交流や子どもたちの成長を支えるPTA活動の一環として漢検に取り組んでいます/小学校/福岡
九州・沖縄 / 福岡
[公立] 福岡市立玄洋小学校
福岡市立玄洋小学校PTA 様
PTAが担う役割
本校では、学校を中心に地域交流が盛んに行われており、その中でPTAも様々な取り組みに携わっています。例えば、毎年10月の第2土曜日に「PTAふれあい祭り」というイベントを主催し、たくさんの子どもたちや地域の方に楽しんでいただけるような企画を数ヶ月かけて準備します。学校と地域がうまくコミュニケーションを取るためのお手伝いをすることがPTAの役割だと考えています。
今年度のPTAは「できる人が、できる時に、できることをやる」というテーマを掲げています。本校のPTAは役員10名を中心に各学年の委員を合わせると約120名の保護者が適宜活動しています。PTA活動はあくまで任意ですが、退会者は1人もいません。むしろ、年間を通じて多くの保護者から「やってよかった」という感想が寄せられます。これは子どもたちの成長を支えるため、みんなで協力して助け合う雰囲気が作れているからだと思います。
漢検導入の経緯
漢検導入のきっかけは校長先生からの推薦です。ある時、「本校ではここ数年、漢字学習に力を入れており、漢検を導入してみたいのですがPTAのみなさんはいかがですか?」と打診を受けました。PTAとしてもそれに応えたいと考え、役員会で検討した結果、学校全体で漢字力を伸ばす機会としてPTA主体での実施を決定しました。
そこで本校では【2017年度1月検定】に初めて漢検を実施しました。児童や保護者、地域の方も含めて134名が受検し、とても盛況でした。そのため、【2018年度8月検定】に2回目を実施。前回受検できなかった方を中心に77名が参加しました。通い慣れた学校を会場に受検できることは保護者にとっても安心感があり、大変好評です。
漢検実施のポイント
漢検の実施はPTAにとって新たな取り組みでしたので、特に初回は何から手を付ければいいのか分からず、試行錯誤を重ねました。ただ、そこから得られた経験やノウハウのおかげで、2回目の運営は非常にスムーズに行うことができました。具体的には主に以下4つのポイントが挙げられます。
1.検定日程の早期決定
初回時は漢検実施を検討した時期が2学期以降だったため、第3回検定の日程しか選択肢がありませんでした。「もっと早くから準備しておくべきだった」という反省から、2回目の検定日は次年度の学校行事を勘案し、年度末に決定しました。
2.「受検希望アンケート※」の実施
漢検に対する関心や受検希望がどの程度あるのかを事前に確認しておくことで、実施の判断材料になったり、受検者数の目安を立てたりすることができます。本校でも導入を検討する際、全校(約800名)に配布しました。その結果、「受けたいと思う」等の肯定的な回答が251名から得られたため、そのニーズの高さが決め手になりました。
3.実施スケジュールの確認
『漢検スタートブック』『漢検団体受検ハンドブック』等に記載されている準会場受検の流れを参考に、あらかじめ実施スケジュールを確認することが大切です。特に、検定日から逆算して必要な準備と時期を担当者間で共有し、役割分担しておくことで円滑に進めることができました。
4.募集方法や運営マニュアルの改善
本校では在校生以外の受検希望も受け入れているので、みんなが参加しやすい環境をいかに整えられるかという点を大事にしています。さらに、毎年役員が変わることの多いPTAの場合、細かな気付きを改善することが次につながると感じています。例えば、初回時に寄せられた問い合わせをもとに案内状の内容をより分かりやすいように見直しました。また、初めて試験監督をする方にも使いやすいように運営マニュアルを簡素化しました。その甲斐もあって、2回目は滞りなく実施できたことも然ることながら、PTAの取り組みとして着実に根付いてきています。
※「受検希望アンケート」は下記URLよりダウンロードしてご利用いただけます。
【団体ご担当者さま向け 漢検実施支援ツール】
https://www.kanken.or.jp/kanken/group/tool.html
子どもたちの反応
漢検に向けた勉強をサポートするため、「漢字検定チャレンジコーナー」として、漢字学習プリントをPTA会議室の前に設置しています。自分の実力に合った級を自由に取って行けるので子どもたちの評判も良く、補充することもしばしばです。
また、「今度受ける!」とか「合格した!」など、子どもたちの間でも漢検の話題で盛り上がっています。中でも、合格した時の嬉しさはひとしおのようで、まじまじと検定結果通知や賞状を見つめている様子は微笑ましくとても印象的です。
今後の展望
今後もPTA主体で漢検に取り組んでいく方針です。そのためには、毎年同じ時期に実施することが一番理想だと考えています。これまでは1月と8月に実施しましたが、子どもたちの学習進度や気候などを勘案すると、今後は10月や11月に行うことも選択肢の1つに挙がっています。他のイベントも多い時期ではありますが、学校と地域の交流や子どもたちの成長を支える活動を協力して継続できるよう、検討を重ねていきたいと思います。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。