団体受検 取組事例(小・中・高 等)
小学校
児童の学習習慣の定着・語彙力の育成を目指してPTA主催で漢字検定に取り組んでいます/小学校/福岡
九州・沖縄 / 福岡
[公立] 福岡市立周船寺小学校
福岡市立周船寺小学校PTA 様
漢字検定実施の目的
1.基本的な学習習慣の定着
本校では今年度より漢字検定に取り組んでいます。近年、小学校と中学校間での文化や習慣の違いを原因とする「中1ギャップ」が問題となっています。学業の面でも、定期的にテストが実施され、その成績に順位付けがなされるなど大きな変化があり、新しい環境に慣れるまで時間を要するケースが少なくありません。中学校では、定期テスト、最終的には高校入試に向けて、自ら計画を立てて、自主的に学習する習慣が必要になります。中学校からの勉強に備えて、小学生の段階から目標に向かって、計画的に学習する習慣を身につけさせる方法がないかと考えた結果、小学生でも取り組むことができる漢検を実施することになりました。
2.コミュニケーションの基礎となる日本語力の育成
コミュニケーションの大半は言語を介して行われます。そのため、相手の話している内容を正確に理解したり、自らの考えを相手に分かりやすく表現したりするには、豊富な語彙が必要になります。児童たちには将来、多くの人から様々なことを学び、その学びを自らの言葉で表現できる大人になって欲しいと思っています。学びたいと思ったときに相手の話している言葉の意味が分からず、理解出来ないというようなことがないように、小学校の段階から漢字検定を通して語彙力を身につけて欲しいと思っています。
取り組みについて
当初は受検者が30名集まれば大成功と考えていましたが、実際に希望者を募ってみると想定を大幅に上回る100名以上の児童が集まりました。なにかに挑戦してみたいというやる気や興味はあるのに、これまで挑戦の機会がなかった児童が多いことを改めて認識させられました。児童からは「また問題集を買ったよ!」、「次の検定はいつあるの?」といった声も挙がっており、今回の取り組みが児童の学習意欲の向上に繋がっていると確信しています。また保護者からも「初めて宿題以外の勉強を子供がしています!」、「漢字検定をきっかけに、勉強が好きになりました」と感謝の声を頂いており、非常に好評です。塾や公開会場に行くことなく、日ごろから慣れ親しんだ小学校でこのような挑戦の機会を多忙な先生方に代わって設けることが出来たのは、PTAの活動ならではのものであり、非常に有意義な取り組みだったと感じています。
実施にあたっての工夫点
1.模擬検定の実施
今回は初めての実施ということもあり、検定日の約2週間前に模擬検定を開催しました。初めて学外のテストを受ける児童に検定に慣れてもらうのは勿論ですが、保護者も検定運営のシミュレーションを行っておくことも目的の一つでした。模擬検定には受検児童の約8割にあたる83名が集まり、本番さながらの検定運営を行うことが出来ました。その甲斐もあり、試検当日には特に大きな問題もなく、無事検定を実施することが出来ました。
2.漢字練習帳の配布
また今回はPTAによる漢字検定実施という新しい取り組みが評価され、福岡市PTA協議会から助成金を交付していただくことが出来ました。その助成金を活用して、受検児童には漢字学習に励んでもらえるよう、一冊ずつ漢字練習帳を配付しました。
今後について
漢字検定の特徴のひとつとして、年齢を問わず気軽に受検できることが挙げられると思います。本校では、PTAが地域の盆踊りや花火大会にも積極的に関わっており、地域との繋がりを大切にしています。そのため、次年度以降は地域の方々にも漢字検定の受検を呼びかけ、地域連携の取り組みのひとつとしても漢検を活用していきたいと考えています。身近な大人が勉強している姿を見ることは、児童の勉強に対する大きな動機づけになると思います。実際に本校でも、保護者数名が児童と一緒に受検しており、その保護者からは「一緒に漢字検定の勉強をしようと声をかけると、子どもも喜んでいました」という声も頂きました。子どもだけではなく大人も学び続ける地域づくりの一助としても、今後も漢字検定を続けていきたいと考えています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。