団体受検 取組事例(小・中・高 等)
小学校
基礎学力の向上と合格体験による自己肯定感の醸成を目指して/小学校/奈良
近畿 / 奈良
[私立] 奈良学園小学校
小森 雅史 先生
奈良学園小学校は2008年度開校のまだ新しい学校で、併設の奈良学園登美ヶ丘中学校・高等学校とあわせて12年一貫教育システムを導入しています。「自ら生きて・活きる」という建学の精神を礎に、高い志と真理に迫る確かな学力をもった人材を育成したいと願っています。漢検は、日頃の学習効果を測定するために開校初年度に導入しました。毎年第3回冬の検定では、全校児童のほとんどが受検し、校内イベントのひとつとなっています。
本校の漢字学習の取り組み
本校の12年一貫教育の中で、小学生期には「確かな基礎学力」を身につけることと、「十分な達成感が持てる経験を通した自己肯定感」を育むことを重視しています。漢字力は重要な基礎学力のひとつであるため、学年の配当漢字は2学期までに学習し終えるなど、日頃から児童の興味に合わせた指導を進めています。また、平成23年度は通常の国語の時間とは別に、週1時間「漢字」に特化した授業を設けました。これまでの国語の授業では1時間に1~2字、週合計で5~6字学習するスタイルでしたが、「漢字」の授業では1週間分の5~6字をまとめて勉強します。そのため、漢字の成り立ちなどにも踏み込んでじっくりと漢字学習に取り組めたと感じています。
さらに、児童が合格して「達成感」や「自己肯定感」を得てほしいという願いから、教員も積極的なサポートを行っています。2学期の終わりごろからは検定問題と同じ問題形式のプリントを作成してモジュールタイムの教材に取り入れたり、協会発行の『漢検 過去問題集』に授業や宿題で取り組み、検定本番までに前年度13回分の過去問題をすべて練習できるようにしたりしています。
漢検合格がもたらすもの
漢検合格という明確な目標を設定することが、児童の学習の励みになっていることは確かです。検定に向けて意欲的に学習する児童が多く、本校では毎年ほぼ全員が学年相当級以上の級に合格しています。昨年度は平成22年度日本漢字能力検定最優秀団体賞を受賞し、本校の新入生募集用の学校案内にも掲載しました。
検定結果が学校に届くと、協会が提供している「表彰支援セット」を活用して、特に優秀な成績で合格した児童を全校朝礼で表彰しています。スポーツや図工、作文表現では表彰されることの少なかった児童も名前を呼ばれ、大変喜んでいたのが印象的です。漢字が得意で、しかもコツコツと学習に取り組める子どもたちにもその力を誇りに思ってほしいものです。全校朝礼での表彰は、そうした児童にスポットライトを当てることのできる貴重な機会であると感じています。
漢検は基礎学力の向上だけでなく、合格を経験した子どもたちの自尊感情を育み、達成感と自己肯定感を得るよい機会となっています。これからも漢検をうまく活用し、確かな基礎学力を備え、自信に満ちて社会に羽ばたく人材を送り出したいと考えています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。