団体受検 取組事例(小・中・高 等)
小学校
保護者・地域が協力して子どもの成長をサポートします/小学校/東京
関東 / 東京
[公立] 板橋区立志村第五小学校
平成22年度PTA文化委員長 小山 史子 様
家庭や地域の教育力向上のために漢検を実施
板橋区教育委員会では、平成14年度より「いきいき寺子屋プラン」事業を推進してきました。これは、保護者や地域の方々により組織された学校開放協力会が主体となり、平日の放課後や土・日曜日などに学校施設を活用して児童・生徒の居場所づくりをするという事業です。これにより、家庭や地域が学校教育との適切な役割分担と連携を行い、子どもたちが多様な体験活動を通して成長できるよう、地域におけるさまざまな体験の機会を提供します。また、地域社会全体が子育てに参加することで、子どもたちが健やかに成長する環境をつくることも目指しています。
本校では、「土曜日の子どもの居場所づくり」を念頭に置き、バスケットボール・子ども農園・陶芸・もちつき大会などとともに、平成17年度より漢検に取り組んでいます。
負担なく行う工夫が、保護者主体による運営の秘訣
本校では、各クラスから選出されるPTA文化委員が中心となって漢検を運営しています。運営委員は毎年代わるため、漢検未経験者でもきちんと運営できるように、本校独自のマニュアルを作成しました。しかし、未経験者が多いがゆえに、マニュアルが年々より厳密に解釈されるようになり、運営委員が実施にあたり過度な緊張を感じるようになってしまったのです。私たちのように保護者が行うには、「子どもたちのために、これぐらいならお手伝いできるな」と思える負担を感じない程度の活動にすることが大切です。子どもたちが目標を持って頑張る素晴らしい取り組みを継続するために、マニュアルを見直して、気楽な気持ちでお手伝いいただけるように改善しました。
そのひとつが模擬試験の実施です。これまでは、学年の総復習となるように毎年第3回の冬に検定を実施し、それに向けて年4回の勉強会を行っていました。平成22年度は、勉強会の代わりに、検定日の2週間前に模擬試験を実施しました。その前後には練習問題プリントを配布し、各自で学習します。模擬試験は本番と同様の緊張感を持って実施するため、子どもたちにとってはもちろん、運営委員にとっても本番に向けたよい練習の機会となりました。おかげで、検定当日も初めて監督する方も戸惑うことなく実施することができました。模擬試験で合格点に達しなかった子どもたちは、このままではいけないとその後の2週間必死に勉強し、見事本番で合格することができました。2週間という短い時間の中で集中して取り組み合格した経験は、子どもたちにとって大きな自信になることでしょう。
子どもたちの真剣な姿に感動
検定当日の子どもたちは、試験開始20分前に各自の荷物をすべてしまい、張り詰めた緊張感の中で静かに着席して開始を待ちます。「はじめ」の声とともに一斉に試験に向かう子どもたちの姿からは、監督をしている私たちにまで子どもたちの集中力が伝わってきて、感動を覚えるほどです。子どもたちは漢検を通して、緊張感の中でも実力を発揮できる力を身につけていると感じます。これからの人生で何度も遭遇する緊張の場面に備えて、よい経験になっていると思います。
子どもたちの真剣に取り組む姿を見ていると、このような機会を提供できることを誇らしく思います。周囲の学校に子どもを通わせる保護者からも、「志五小は学校で漢検を受けられていいね。日頃通い慣れた学校なら受検当日も安心して送り出せるし、子どもにたくさんの挑戦の機会を与えてもらえてうらやましい。」と言われることもあります。学校や保護者からも賛同の声が高く、これからも、保護者・地域が一緒に子どもたちに教育の機会を提供すべく、みんなで協力して継続していきたいと思います。
学校紹介
校長:関口 文彦 児童数:393名
一大消費地・大江戸の郊外農業地域の面影を残す「西台」。畑や梅林が点在し、とても23区内のとは思えないのどかな景観がひろがり、人情味あふれた人々が住む町です。
学校教育目標『考える子ども』『美しい心の子ども』『たくましい子ども』の確かな育成を目指すと共に、これまでのよき歴史と伝統を引き継ぎながら、規律と思いやりを育み、歌声の響く学校を目指し、心豊かでたくましく生きる児童を育てていきます。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。