団体受検 取組事例(小・中・高 等)
小学校
目標に向かってチャレンジ!/小学校/東京
関東 / 東京
[公立] 北区立滝野川第六小学校
校長 藤橋 佐記子 先生
本校は、全児童数67名の小規模な学校ですが、児童全員がお互いの名前と顔を知っていて、明るくまとまりのある学校です。体験活動や発表の時間を十分に確保するなど、少人数を生かした教育活動を行っています。平成22年度は、「自分の考えを持ち、伝え合い、学び合う子どもの育成」をテーマとした算数科の研究に全校で取り組みました。もともと児童一人ひとりが自分の意見を発表する習慣は身についていますが、研究を通して「学び合う力やコミュニケーシ能力」を高めることができたと感じています。
本校を会場とした漢検の団体受検は、平成18年度から毎年夏休みに実施しています。本校が漢検を導入した目的は以下の2つです。
1つ目は、言語能力の育成です。言語の基盤となる漢字を習得するには、ドリルなどの反復練習が中心となります。しかし、単純な反復練習は、子どもにとっては取り掛かりづらいことでもあります。また、学校でも充分な時間をとることができません。そこで、漢検をきっかけに、児童が自主的に漢字を学ぶ機会ができればと考えました。
2つ目は、夏休みの学習の目当てです。夏休みに漢検を実施することで、児童が目標を持って学習でき、有意義な夏休みを過ごせると考えました。学校でも15日間程の夏休みの学習教室を開き、児童に勉強する環境を提供しています。児童は夏休みの宿題や漢検の問題集などを持参し、一生懸命取り組んでいます。
導入にあたっては、事前に保護者に希望調査を実施しました。すると、少人数の学校にも関わらず20名以上の賛同が集まりました。そして実際に受検を呼びかけたところ、本校に通う児童のほか、保護者や兄弟、地域の方、他校からも申し込みがあり、多くの受検者が集まりました。児童と一緒に受検した保護者からは、「日頃子どもと一緒に学習する機会はないので、今回一緒に学習に取り組むことができ、親子の絆が強まる良い経験になった。」とのお話も伺いました。
平成22年度で、実施を始めて5年になります。本校の児童にも学校で漢検受検ができるということが定着したようです。1度検定に挑戦した子は、毎年継続して挑戦しています。中には、学校以外の他校や公開会場に出向いて受検をする子もいます。また、中学生や高校生になっても、母校である本校で受検を続けている姿も見られます。たとえ不合格になってもそこで諦めず、目標に向かってチャレンジする姿勢が身についてきたと強く感じています。
学校紹介
校長:藤橋 佐記子 児童数:67名
本校は昭和3年に開校し、今年創立82年をむかえる歴史と伝統のある学校です。地域社会との結びつきも深く、地域の自然や人材を生かした学習活動を積極的に展開しています。地域社会やPTAも学校と連携し、子どもたちのよさを伸ばすためにさまざまな取り組みを行っています。
「生き生きタイム」や「仲良し班給食」を設定し、全校児童と教職員が一緒に活動しながら相互の心の交流を図っています。小規模校ならではの特色ある教育活動、パソコンや少人数指導を活用した個性・能力に応じた指導の工夫、道徳授業地区公開講座などの心の教育の推進を通して、「やさしい子・かんがえる子・つよい子」の育成を目指しています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。