団体受検 取組事例(小・中・高 等)
小学校
明確な目標が子どもたちの学習意欲につながります/小学校/東京
関東 / 東京
[公立] 墨田区立押上小学校
副校長 川嵜 貞昭 先生
漢検導入のきっかけ
墨田区の区立小・中学校では、子どもたちに自主的に学習する習慣を身につけてもらうことを第1の目的に、4年生以上の希望者を対象に月2回程度の土曜補習教室を開催しています。土曜補習教室で行う内容は各学校に委ねられており、本校では「国語力の向上」を大きなテーマに設定しました。この国語力の土台となる漢字の定着を図ること、また「検定合格」という目標設定により、児童の自主的な学習が期待できることから、日本漢字能力検定(以下、漢検)を導入しました。
子どもたちは各自で自分の目標級を設定します。漢検は学習指導要領に準拠した級設定となっているので、自分の実力に合わせて挑戦することができます。子どもたちは特に目的意識を明確にすることが不得手であるように感じます。自分は何が苦手なのかを把握し、その苦手を克服するにはどうすればいいのかをきちんと考え、目的意識をしっかり持って学習に取り組むことも大切な学びであると考えています。
受検者募集にあたって大切なこと
参照:実施と申し込みのお知らせ
実施にあたっては、申込書付きの「お知らせ」(プリント参照)を学校で作成します。4年生以上の児童全員に配布して各家庭に届け、土曜補習教室に参加していない児童も一緒に受検することができるよう周知を徹底しています。その際に大切なことは、子どもへの意識付け、さらには保護者への意識付けです。取得した資格の社会での活用状況や得られる効果など、まずは教職員が受検することの意義をきちんと理解することが必要です。その上で、保護者にもきちんと説明し、理解を得ることが1番大切だと考えています。
受検から結果返却まで
検定試験は土曜補習教室の時間で実施し、教職員、アシスタントティーチャー、ボランティアの保護者が各教室で試験監督などを担当してくださいます。検定結果は担任の先生から受検者1人ひとりに伝えます。検定結果通知の手渡しとともに、その子に応じた今後の学習のアドバイスなども行います。また全校朝会でも、合否に関わらず受検者全員に向け、校長先生が取り組みの頑張りを褒めます。本校では、残念ながら不合格だった児童がもう1度挑戦する意欲を持つよう、受検後の子ども達のケアも大切にしています。
検定導入の効果
子どもたちは、自分が定めた級の合格という明確な目標を持つことで、漢字の書き取り練習というともすれば飽きやすい学習にも目的意識を持って取り組むようになりました。また、自分で率先して問題集を購入するなど、自発的に学習に取り組む姿勢も身についてきたように感じます。子どもたちが意欲的に学習する姿を目にした保護者からも喜びの声を耳にします。教職員も、授業の中で今まで以上に漢字や言葉の指導を大切にするようになりました。子どもたちが頑張る姿に影響を受け、学校も家庭もより一丸となって子どもの育成に取り組んでいます。
学校紹介
校長:荒井 邦生 児童数:650名
今、東京で旬なランドマークの一つであるスカイツリーの足下に、押上小学校はあります。本校は、平成14年4月に3つの小学校(旧第二吾嬬小学校、旧西吾嬬小学校、旧文花小学校)が統合し開校した新しい学校です。昨年無事に開校10周年を迎えることができました。校舎は平成13年4月にカラフルな新しい建物が完成し、整った施設環境の中で多くの子どもたちが元気に明るく小学校生活を過ごしています。校舎の造りにも省エネルギー型や都市の温暖化防止型の工夫がたくさん取り入れられています。地下の貯水槽にためた雨水は、トイレや洗浄水に活用されています。また、屋上のビオトープや校庭の熱を押さえる特殊舗装なども温暖化防止に役立っており、子どもたちは学校で生きた環境学習をしています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。