団体受検 取組事例(小・中・高 等)
小学校
学校の活性化と「繰り返す」学習態度の定着に/小学校/東京
関東 / 東京
[公立] 江戸川区立第二松江小学校
校長 藤森 克彦 様
学校の特色紹介
本校は全身の松川尋常小学校から数え127年目を迎える区内でも屈指の伝統校であり、「おらが学校」として地域に支えられながら、子どもらしく素直に育っていく「二松っ子」の校風が受け継がれています。本校のモットーとして、落ち着いた雰囲気の授業や学校生活の中で、「当たり前のことは当たり前にできる」人間形成の基礎を第一にした指導に重点をおいています。そのために全教職員で、絶えず子どもたちの課題や成果を明らかにしながら具体策を講じていく学校経営に努めています。
漢検に取り組む理由
本校では平成20年から漢字検定を実施しています。「児童の基礎学力向上」という保護者のニーズに応えるための1つの方策として漢字検定に取り組んでいます。具体的には学校経営的理由と教育的理由に大別できます。
<学校経営的な理由>
漢字検定を学校に導入することによって、学校を活性化したいと考えています。公立学校では、授業時数や指導内容のように政府や文部科学省で決められる施策と、習熟度別学習や読書タイムのように学校ごとに編成される教育課程のもとに教育が行われています。
学校を更なる活性化を図り、児童の学力を向上させるには、それぞれの学校が独自に学校外の人材や学習コンテンツを取り入れる等の工夫が有効だと考えています。例えば、学習支援ボランティアによる補習授業、企業が行う出前授業、公的な検定試験の活用などが挙げられます。このような取り組みによって学校に新たな活力が生み出され、普段の授業での学びも促進されるのです。
<教育的な理由>
基礎基本を身に付けるための取り組みとしても漢字検定は重要です。漢字学習の目的は、漢字そのものが書ける(内容知)ことだけではありません。重要なのは「何度も繰り返す」という態度(方法知)を学ぶことなのです。あらゆる知識や技能の習得に反復練習は必要不可欠です。さらに言えば、教師や保護者からの指示で「繰り返す」のではなく、児童が主体的に、かつ、自らの責任のもとで「繰り返し」の方法・時間を決定し、実行することが重要です。小学生にとって決して簡単なことではありませんが、これを成し遂げたときに「やればできる」という自己効力感が生まれます。これこそが小学校における学習スキルの基本であり、生涯にわたる学びの本質なのです。
実施運営について
漢字検定は大きな負担もなく手軽に運営できる正式な検定です。平成22年度より答案の返送に使う着払伝票が検定問題に同梱されたり、コンビニエンスストアでの振込みができるようになるなど、利便性が向上しているので少人数での運営が可能です。本校では、検定の告知から当日の試験監督までを主に私とPTA会長の2名だけで行っています。検定結果の児童への送付については教員に協力をしてもらっています。
漢字検定は児童にとってチャレンジ精神が刺激される良い機会になっています。検定当日の児童の真剣な眼差しは普段はなかなか見ることができないものです。合格して喜んでいる友達を見て、自分も受けてみようかなと考えている児童もいるようです。
学校紹介
校長:藤森 克彦
第二松江小学校のある地域は、その昔、江戸時代のころから江戸と千葉(佐倉)を結ぶ要所の地であり、田園風景の広がるのどかなたたずまいを見せる地域でした。時は流れ、京葉道路など道路網が整備され、落ち着いた住宅地へと姿を変えました。しかし、地域への愛情や人情の厚い閑静な街の風土は今も変わることなく息づいています。
PTA活動も活発で、「二松っ子まつり」や集団登校のお世話など、骨身を惜しまず協力していただいたり、町会を母体とする「子ども会」や、PTAのOBを中心とした「二松会」、老人クラブ「五分一くすのき五葉会」など、地域の方々の「子どもは地域の宝」との強い愛情が子どもたちに注がれていたりするからだと思います。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。