団体受検 取組事例(小・中・高 等)
小学校
「知と文化の発信地」として、子供達に感動の体験を与える/小学校/東京
関東 / 東京
[公立] 練馬区立高松小学校
校長 金井 由紀江 先生
漢検導入のねらい
本校では、平成22年度第2回より、漢検の団体受検に取り組んでいます。
私は日頃から、学校は地域における「知と文化の発信地」であるべきだと考えています。また、「地域に開かれた学校づくり」の推進も本校のテーマのひとつです。保護者や兄弟をはじめとする地域の方々も一緒に受検できる漢検の団体受検は、その一助となり得ると考えました。
また、本校は平成21~22年度にかけて、「思いや考えを伝え合う子供の育成」を研究主題とした、言語活動の充実に関する校内研究を展開しています。国語の力は、感情や情緒・コミュニケーション能力の基盤、また知的活動の基盤として、子供たちにとって必要不可欠な能力であると考えています。そして、漢検に取り組むことで、日本語の特徴である漢字について興味を持って学ぶきっかけになれば、この研究の一翼を担うことができると考えたのです。
検定本番までの盛り上げ方
最初の団体受検では、4年生~6年生を対象に受検希望者を募集しました。告知に当たっては、保護者の皆様向けに「漢検実施のご案内」(プリント1参照)を作成し、子供達を通じて配布しました。そこには、「生活保護世帯の受検料免除」や「親子受検」についても明記し、多くの参加を促しました。また、協会から手配される「受検案内」(※1)も同時に配布しています。
実際に申し込んできた子供には、「漢検ジャーナル」(※2)を1冊ずつ手渡しました。この冊子には過去問題の抄録が掲載されていますので、子供達が実力判定をするのに最適と考えたからです。本番の前までに実際の過去問題を一度は解いてみるようにアドバイスし、協会ホームページからも問題見本をダウンロードできることを伝えました。また、「漢検実施について」(プリント2参照)という文書も配布し、検定当日に向けた準備も遺漏のないように計らいました。
その他にも、検定の控除金を使って、漢検の問題集「漢字学習ステップ」「過去問題集」の8級~5級を購入しました。それらは、職員室の一角に設置し、子供たちに自由に貸し出しています(写真1参照)。廊下には「今年の漢字」(※3)の応募箱も設置するなどして(写真2参照)、漢字に対する興味を引き出すための工夫を行っています。
検定当日から合格発表まで
初回の団体受検では、本校の児童以外にも、中学生約10名と保護者1名も一緒に受検をしました。児童のご兄弟やそのお友達などが、本校で受検できることを聞きつけて申し込んできたようです。当日の試験監督は、養護教員に加えて保護者の方も協力をしてくれました。「知と文化の発信地」「地域に開かれた学校づくり」という当初の目的が、ある程度は達成できたと感じます。
合格発表では、ドラマチックな演出を行ったクラスもあるようです。その教員は、ホームルームの時間に、受検者全員の名前を呼んでその場に立たせたそうです。「叱られるのではないか」と一瞬は身構えた子供達でしたが、次の瞬間「漢字検定、全員合格おめでとう!」という教員の声に、クラス全体が拍手喝采だったといいます。合格した子供達は、なんとも言えない良い表情をしていたそうです。それを見たほかの子供達にも、「うらやましいな。次は僕も、私も。」という気持ちが湧き、受検の輪が広がっていくことでしょう。表彰状については、全校集会で合格者を壇上に呼び、校長から直接手渡しする予定です。
漢検受検というきっかけを、子供達にとって知的で文化的な感動の体験に演出することが大切なのです。
画像をクリックするとPDFでご覧いただけます。
※1 受検案内・・・準会場用申込用紙がついたカラーパンフレット。詳細はこちら。
※2 漢検ジャーナル・・・協会発行の無料の情報誌(季刊誌)。詳細はこちら。
※3 今年の漢字・・・年末恒例となった、協会主催のイベント。詳細はこちら。
学校紹介
地域と共に歩む学校です。地域の方々にお力を借りて、練馬大根・キャベツ・サツマイモ栽培がさかんです。環境教育の推進校です。緑のカーテン・草屋根・ビオトープ等が自慢です。少人数算数をさらに少人数に分け、きめ細かく指導しています。
<特に力を入れている取組>
1.たくあんのにおいに包まれた、地域と共に歩む学校
2.緑と省エネのエネルギー環境教育推進校
3.国語と算数に力を入れる、基礎・基本重視の学校
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。