団体受検 取組事例(小・中・高 等)
小学校
漢検で児童たちが賞賛される機会を増やす/小学校/東京
関東 / 東京
[公立] 江戸川区立第六葛西小学校
校長 伊藤 辰久 先生
児童たちに挑戦する機会を
本校では平成21年度から漢字検定に取組み始めました。本校には大きく二つの課題がありました。一つ目は、基礎基本的な学習内容の定着です。いわゆる「読み書き・そろばん」はあらゆる学習の基本であり、全ての児童が身に付けるべき内容です。算数に関しては、以前から「土曜日算数講座」を行うなどの工夫を重ねてきました。国語についても特別な取組みをしたいと考え、その方法を模索していました。二つ目は、学習意欲の高い子どもたちに更なる学びの場や挑戦の機会を提供したいという想いがありました。これらの課題を同時に解決する施策として漢字検定の導入に踏み切ったのです。
導入の際には、保護者より「なぜ漢検をやるの?」という声もありましたが、漢字学習が重要であることや検定への挑戦が児童たちの良い学習目標になることを何度も説明する中で、次第に保護者からの理解も得られるようになりました。また、PTAの方々から賛同をいただけたことが大変励みになったことを良く覚えています。
検定情報の周知方法
本校では、1年生には年1回(第3回検定のみ:1~2月)、2~6年生には年3回の受検機会を提供しています。いずれも学校を会場とした準会場受検を行っています。
検定情報の周知徹底と受検者募集の告知は力を入れて行っています。A4サイズの本校オリジナルチラシ(画像を参照)を作成し、全児童に配布しています。また、保護者の関心も高いため、保護者会でも必ず告知をするようにしています。また、普段から児童の頑張りを学校便りに掲載していますが、漢検の合格者についても頑張りを称えるために学校便りに合格級と名前を掲載しています。最近では、学校便りに自分の頑張りを載せてもらおうと自ら売り込みに来る児童もいます。それだけ学校便りを楽しみにしてくれていると思うと、作成している私としてもうれしい想いがします。
検定日当日は、児童たちもいつもとは違った緊張感のなかで問題に取組んでいるようです。小学生にとっては良い経験です。監督などは先生方が持ち回りで協力してくれています。
漢字への興味関心は飛躍的に向上
漢検導入後は、児童の漢字への興味関心が飛躍的に向上したことに驚いています。例えば、社会科の授業でレポートを作成した際には、まだ習っていないはずの漢字を使っている児童がたくさんいました。児童の一人に聞いてみると「自分で勉強しています」と誇らしげに答えてくれました。検定を通じて、自律的に学習する習慣が身についたのでしょう。このような児童の努力を大人がしっかりと認めてあげること、また、その努力を「検定合格」という形にしっかり結実させてあげることで児童たちは自己肯定感を獲得し、主体的に学ぶようになるのだと改めて実感しました。
今では、学校のイベントとして定着してきたと感じています。保護者からも「公開会場に行かなくても、身近な学校で受検できるので助かっています。」という声が多く寄せられています。また、この頃では保護者や兄弟も一緒に受検する姿などが見られるようになってきまたした。地域の方々も気軽に受検することができる地域の公開会場として機能していければと考えています。
画像をクリックするとPDFでご覧いただけます。
学校紹介
第六葛西小学校 校長:伊藤 辰久
「底抜けに楽しい学校」それが私の夢です。授業がよくわかり、頑張ればみんなの温かい賞賛がある。学校が、楽しさいっぱいの場であってこそ、子どもの心は満足感・充実感で満たされます。自分の考えや行動に自信を持ちます。自分はかけがえのない存在であると感じることで、他者もそうであることを実感します。
子ども一人一人の良さや個性のちがいを尊重し、何よりも人間を大事にする教育を進めます。毎日の学校生活において子どもたちが充実感や達成感が得られるようにする、そのことの中に自己肯定感を獲得していく糸口があるのではないかと考えます。そうすることで子どもたちは、優しく穏やかにのびのびと成長していくと確信します。
『関わり合い認め合い 高め合う 六葛西の子』をスロ-ガンに、こうした子どもたちの成長を支援できる学校でありたいと考えます。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。