団体受検 取組事例(小・中・高 等)
小学校
漢検で得られる成果および運営の要諦について/小学校/東京
関東 / 東京
[公立] 港区立御成門小学校
全国連合小学校長会 会長 校長 池田 芳和 先生
学校が社会に約束すべき最低限の成果とは、子どもたちに社会で生きる力を身につけさせることに他なりません。言い換えれば、社会人として必要とされる教養と、学習指導要領に示された基本的な知識・技能の修得とそれを活用する能力の定着です。各学校は、この役割を踏まえたうえで教育目標を設定し、日々の教育活動を展開していかなければなりません。本校では伝統的に漢字や計算のドリル学習を重視してきました。特に、近年では「チャレンジタイム」という学習時間のなかで、週に4日、計算と漢字の課題に取り組ませています。
漢字検定は、基礎基本の定着、漢字学習を通じた日本文化に対する興味・感心の喚起を目的に導入しました。新学習指導要領における「言葉を大切にする」という目的を体現する意味でも、日頃の言語学習の到達度が測定できる漢検は都合のよいものです。
導入当初は多小の混乱を覚悟していましたが、運営マニュアルが整備されていたことや、多くの教員が協力的であったことで、スムーズに運営できています。実施に際しては、なるべく全ての教員が関わるように配慮しており、担当者用の資料(「漢検ガイド」や「団体受検ハンドブック」)や「実施運営規程」については全員に配布しています。実施の目的や運営のために必要な情報を共有することで、検定が教員にとって共通の目標となり、主専攻の異なる教員間でも、取り組みに差が生じにくくなります。
漢検を導入したことで、児童の学習態度は大きく変わりました。例えば、積極的に辞書を引く子や、漢字の成り立ちについて質問する子が目立って多くなりました。そして教員にとって何より嬉しいのは、「自ら目標を持ち達成しようとする」自主性が芽生えはじめたことです。「検定に合格する」というわかりやすいゴールが、子どもたちを刺激したのかもしれません。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。