団体受検 取組事例(小・中・高 等)
小学校
漢検が与えてくれるのは未来に向けた夢と希望です/小学校/茨城
関東 / 茨城
[公立] 水戸市立五軒小学校
特別支援学級 寺門 吉郎 先生
夢にチャレンジする五軒健児
参照:漢字検定のご案内
(保護者向け) 本校は「夢にチャレンジする五軒健児の育成」を教育目標に掲げており、子どもたちの可能性を伸ばし、様々なことにチャレンジさせようという気風があります。その取り組みのひとつに、月2回の木曜日に開催しているクラブ活動があります。各先生がスポーツや文化などの自分の得意分野での様々なクラブを立ち上げ、希望する子どもたちが参加しています。そこで私は、漢検チャレンジクラブを立ち上げました。平成23年度のメンバーは全部で6名おり、そのうち2名が特別支援学級の子どもです。漢検合格を目指して、日々漢字の練習に励んでいます。
もちろん、受検は学校を会場とした準会場で行います。その際は国語科主任の先生と連携して、全校児童から希望者を募っています。年3回の機会を設けており、多い年は年間約200名が受検しました。全校児童数はおよそ340名ですので、6割程度が挑戦したことになります。長年に渡って実施を継続してきた成果か、最近では中学校修了レベルの3級に合格する子どもも現れ始めました。
障がい児にも手が届く資格
私は特別支援学級の担任をしていますが、障がいを持つ子どもたちであっても、きちんと訓練を重ねれば習得できるのが漢字学習です。漢検であれば、10級から順に受検し、1級ずつ合格を積み重ねて支援をしていくと、6年生では健常児と同じレベルの5級まで合格できるのです。障がい児にとってもがんばれば手が届く資格、それが漢検です。
数年前の話ですが、わが子を特別支援学級に通わせることに足踏みをしている保護者がいました。3年生から特別支援学級に通うことになったのですが、保護者の方は意気消沈した様子でした。そこで私は、その子に漢検の受検を薦めました。先述した通り、漢検は最初から積み上げることが大切です。まずは10級の受検を薦めました。その頃の保護者は自信を無くし、「どうせ受からない」と諦めている様子で、受検にはあまり乗り気ではありませんでした。しかし、長年の教師経験から、この子の良さを生かして訓練していけば必ず合格できるという確信がありました。なんとか説得して受検させたところ、予想通り見事合格を勝ち取ってくれました。その子にとって、人生で初めての公的な表彰状が手渡されました。それは、わが子が社会から認められた証しであり、わが子が努力によって社会に通用する力を身につけたという証しです。涙を浮かべて喜んだのは、本人よりもむしろ保護者でした。その子はその後も受検を続け、翌年の4年生のうちに9級、8級、7級と連続で合格し、6年生では健常児と同じレベルにまで追いつき、見事5級に合格して卒業していきました。保護者からは「今では特別支援学級に通わせて本当によかったと感謝しています」との言葉をいただきました。
このような事例は他にもたくさんあります。たとえIQが低い子であっても、情緒面に問題がある子であっても、可能性があればきちんと10級から積み上げて支援することで、6年生までに5級を取得できるのです。漢字力はもちろん、チャレンジする勇気や自信と同時に、きちんと机に向かう態度も身につけることができます。こういった、目には見えない力こそが、彼らにとって何ものにも代えがたい、一生の財産になるのです。
栄えある表彰式
漢検の表彰式は全校朝会の場で行います。合格者は全員名前を読み上げられ、その場に起立します。その後、代表者が進み出て表彰状を受け取ります。続いて、協会が提供する「表彰支援制度」を活用し、在籍学年の目標級よりも上位の級に合格した子どもを表彰します。さらに、「満点賞」を授与します。「表彰支援制度」と「満点賞」に関しては、対象者全員を登壇させて一人ずつ手渡しするようにしています。子どもたちからは歓声があがり、受賞者は自信に満ちた、素敵な表情を見せています。
もちろん、障がい児も健常児も一緒に肩を並べて登壇し、表彰状を受け取ります。このような場面を通じて、障がい児にも高い能力があることを皆が認識し、共に生きていく態度や思いやりが自然に育成されています。
漢検は、子どもたちにチャレンジすることの偉大さを教え、自分に対する自信を育み、未来に向けた夢と希望を与える検定です。
学校紹介
校長:砂川 洋一 生徒数:346名
水戸市の中央に位置する公立小学校です。明治6年に開校し、平成23年には創立138年目を迎える、水戸で最も長い歴史と伝統をもった学校です。日本を代表する画家の横山大観や作家の菊池幽芳など、多くの著名人が本校で学びました。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。