団体受検 取組事例(小・中・高 等)
小学校
サタデースクールと連携して漢検を開始/小学校/北海道
北海道
[公立] 札幌市立発寒小学校
校長 西田 幸二 先生
主幹教諭 野崎 猛 先生
本校が大事にしていること
本校は開校96年目を迎え、「未来を拓く発寒の子」を目指すべき像に掲げて日々の教育活動に取り組んでいます。4つの標語(下記)を大切にし、「学ぶ意欲にあふれ、自ら関わる子の育成」を目指しています。その一環として、休日を自宅で過ごしがちな子どもたちが自宅以外の場所で様々な体験ができるよう、サタデースクール(※1)も積極的に行っています。
サタデースクールと連携して漢検を開始
すべての教科の基礎・基本となる国語力がなかなか上がらないことに課題を感じていた中、一部の保護者から「漢検を学校でやってもらえないか」との要望があがりました。新しい取り組みを始めるには周囲を動かすだけの説得材料が必要となるため、まずは保護者の漢検に対する潜在的なニーズをアンケートで調査してみることにしました。すると、予想以上に漢検をよく知っている家庭が多く、「子どもに漢検を受けさせたい」という反応が多かったのです。
一方で、サタデースクールでも学力向上に役立つ取り組みを探しているところでした。学校・保護者の願いと、サタデースクールの課題が合致し、本校での漢検実施が決定しました。
漢検受検に向けてサタデースクールで漢字講座を実施
サタデースクールではより多くの子どもたちに漢字や漢検に興味を持ってもらうため、漢字教育サポーターの方(※2)を複数名お招きし、漢字のおもしろさや成り立ちに関する特別講座を開きました。子どもたちはみな真剣に取り組んでおり、漢字に対する好奇心を育む第一歩になったようです。学校では、漢検が本校で受けられることをサタデースクールのチラシや学校だよりに掲載し、全児童に対して積極的に告知しました。
挑戦し続ける意欲の醸成
漢検は受検すれば必ず合格できるわけではありません。今までに培ってきた実力や勉強した成果がそのまま結果につながります。今回は本校で初めて漢検を募集したこともあり、漢字に自信のある子どもが数多く受検したようでした。しかし、中には自分自身の実力を見誤っていたり、勉強不足であったりしたため、不合格だった子どももいます。その子どもたちにとっては、自分の実力を正しく把握し、実力にあう級から挑戦することや目標級の合格に向けてしっかりと勉強をすることの大切さに気がつく良い機会になりました。また、不合格だったくやしさから「また挑戦したい」「次回の漢検はいつ?」という声もあがっていました。子どもたちの間に、失敗しても再度学び、挑戦する意欲が生まれたことはとても良かったと思います。漢検合格を目標に日々の漢字学習を頑張る子どもの後押しをするためにも、今後も漢検を継続していきたいです。
日常の漢字学習に環流される仕組み作りを目指して
平成30年度は年に2回(8月と1月)、漢検を実施する予定です。8月は前の学年までに習った漢字の習熟度を、1月にはその年度に習った漢字の習熟度を公の物差しである漢検で測定するという機会になります。漢検で測定することを視野に入れて、日々の漢字学習にしっかり取り組む習慣づくりに繋げていきたいと考えています。どちらも長期休暇後の受検のため、家庭学習が促進されるのはもちろんのこと、自由研究のテーマに取り上げて、漢字に関する知識をより深める子どもが出てくることも期待しています。
ただ教科書を眺めているだけでは、なかなか知的好奇心は刺激されません。漢検をきっかけに漢字に興味を持ち、漢字力も語彙力も向上していくことを願っています。学力テストにおいても「漢字分野は確実に得点できる」という自信を持つ子どもたちが増えるよう、今後も漢検を有効活用していきたいです。
※1 サタデースクール…「サッポロサタデースクール事業」。地域の多様な経験や技能を持つ人材・企業等の豊かな社会資源を活用したプログラムを、土曜日等に学校施設等を活用して実施しています。(札幌市ホームページより引用)
※2 漢字教育サポーター…漢検1級・準1級に合格した後、当協会が主催する「漢字教育サポーター育成講座」を修了し、地域で漢字教育の支援を希望する方々のことです。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。