団体受検 取組事例(小・中・高 等)
中学校
小中一貫教育の一環として、漢検を活用しています/中学校/大阪
近畿 / 大阪
[公立] 千里みらい夢学園 吹田市立竹見台中学校
学園長 校長 島村 敏生 先生 | 教頭 小林 太郎 先生 (写真右から)
1.本校の小中一貫教育と漢検導入の目的
吹田市では、地域に根差した教育を実現するための手段のひとつとして、18ある全中学校区で「小中一貫教育」を推進しています。基本的には、2つの小学校から1つの中学校に進学する「1中・2小」の枠組みで小中一貫教育を実践しています。このような教育環境のもと、本校では平成23年4月から近隣の吹田市立桃山台小学校、吹田市立千里たけみ小学校とともに「千里みらい夢学園」として、小中一貫教育をスタートさせました。
小中一貫教育の具体例として、小学6年生による中学校登校が挙げられます。小学6年生は毎週金曜日に中学校に登校し、そこで1日を過ごします。授業は基本的には小学校の担任の先生が小学校の教科書を使って教えるのですが、英語活動と算数の授業には中学校の英語や数学の教員が参加したり、国語の授業には中学校の国語教員が書写の授業を受け持っています。それ以外にも、小中スポーツ大会や放課後のクラブ体験など、小学生と中学生が交流する機会を多く設けています。これらの活動を通して、小学生の段階から、中学校の生活に馴染ませることを目指しています。
さらに、学校を「地域のアカデミックスペース」と位置づけ、児童生徒だけでなく、保護者や地域の方々も学習できる環境整備にも注力しています。このアカデミックスペースの活用方法については、千里みらい夢学園の各校長・教頭で検討した結果、平成23年度から漢検を導入することに決めました。小学生から高齢者まで幅広い年齢層の方が、「検定合格」という共通の目標に向かって、同じ場所で学習する機会を創出できると考えたためです。
2.具体的な取組内容
受検希望者を募る際、児童生徒には協会発行の「受検案内」と本校オリジナルの案内プリントを配布しました。申込希望者は、各学校の教頭に申込書と検定料を提出し、平成23年度は吹田市立千里たけみ小学校が各校の申し込みを一括して取りまとめ、協会へ送付しました。申込終了後、検定日までの間に、本校で漢字学習会を2回開催しました。児童生徒とその保護者が参加し、協会から送付された「問題見本」(過去問題)を使い、漢検の問題形式に慣れるように繰り返し学習しました。
写真:検定日当日の受検風景
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3.実施後の効果
平成23年度は児童生徒やその保護者、そして地域の方々合わせて約50名が受検しました。小学1年生から63歳までの幅広い年齢層の方々が受検し、中には児童とその保護者が親子で同じ級を受検したケースも見受けられました。受検した児童からは、「来年もまた受けに来たい!」という声が上がっています。
今後も、漢検受検を通して、児童生徒の漢字力の向上はもちろんのこと、漢字を話題にして親子、また地域の方々とのコミュニケーションが深まればと願っています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。