団体受検 取組事例(小・中・高 等)
中学校
学校とPTAが連携し、親子で受検しています/中学校/大阪
近畿 / 大阪
[公立] 大阪市立蒲生中学校
学校長 吉信 勝之 先生
漢検を導入した理由
本校は『共に生き、共に育つ』という教育理念の下、生徒それぞれの夢をかなえるために様々な教育活動に取り組んでいます。その中でも、とりわけ漢検の受検に力を入れています。なぜなら、検定の受検を通して夢に向かって挑戦する姿勢を育むことができるからです。私は日頃から、生徒たちには夢を達成するために自分の能力を高めるための武器を持ってほしいと伝えています。漢検の取得は、その武器になりうると考えています。
漢検を導入した理由は、上記で述べた「生徒の挑戦意欲の醸成」以外にもいくつか挙げられます。まずは、生徒は年齢や学年を問わず、自分の実力に見合った級から受検できる点です。漢字の得意な生徒は上位級へ果敢に挑戦できますし、苦手な生徒も無理せず下位級からステップアップすることで、着実に漢字活用能力を身につけることができます。次に、生徒個人のがんばりに対して、目に見える具体的な形(検定結果)としての客観的な評価が得られる点です。合格すれば合格証書や証明書が発行されますので、生徒は「やればできる」という達成感を味わうことができます。さらに、取得した級を高校入試や大学入試等で活用できる点も挙げられます。検定結果が学習成果を示す指標として社会で評価され実際に活用できることは、生徒にとっても学習の励みになります。
漢検の取り組み
私は平成22年4月に本校へ赴任し、最初のPTA役員会の場において、PTA主催で漢検を実施してほしいと要請しました。子供たちの学力向上のためならと役員の方々の協力を得、半年間の準備期間を経て同年10月に漢検を実施しました。受検者を募るにあたっては本校独自の案内文を作成し、受検案内とともに全校生徒に配布しました。受検者の中には親子で挑戦するケースもあり、検定合格という目標に向かって、家庭でいっしょに勉強する貴重な機会となっています。
合格に向けた具体的な学習方法については、漢検の過去問題を校長室に置き、生徒が自主的に問題を取りに来て学習を進めています。過去問題は生徒の希望する受検級と、その前後の級を持ち帰らせています。校長室は常に解放しているため、生徒は気軽に校長室へ入ってきます。生徒が解き終えた過去問題は、私が自ら校長室で採点しています。
また、検定受検後の結果返却方法についても工夫しています。合格した生徒は、全校集会の場で表彰しました。残念ながら合格点に達しなかった生徒については、校長室に来てもらい、合否結果資料を直接手渡してその内容を確認し、あきらめずに再挑戦するよう励ましています。このような生徒に対するきめ細やかなフォローは、学習意欲を継続させるために不可欠だと思います。
取り組みの成果
検定に合格することで、生徒たちに「やればできる」という自信が生まれたことは、漢検を通じて得られた大きな効果だと思います。また、協会発行の『漢字学習ステップ』をPTAの負担で購入し、図書館に置いたところ、今まで図書館にあまり足を運ぶことのなかった生徒が、問題集目当てに来館するようになりました。図書館には、問題集以外にもたくさんの書籍がありますので、本を手に取り読書するきっかけにもなっているようです。
今後の取り組み方法
平成23年度からは、同じ校区内の3つの小学校のPTAと連携し、小学校・中学校のPTA合同行事のひとつとして、漢検を実施していこうと考えています。本校を受検会場とし、会場設営や当日の運営はPTAの方々にご協力いただく予定です。実施時期は8月下旬の検定日に決定しました。なぜ夏休み期間を選んだかというと、翌9月からは学校行事で忙しくなるからです。加えて、夏休み前の6月には3年生が修学旅行へ行くため、全員が参加しやすい夏休みにしました。検定日は8月下旬なので、新学期を迎える前に学習準備をするという意味でちょうどよい時期です。今後はPTAによる小中連携の取り組みの一環として、毎年夏に漢検を活用していきたいと思います。
学校紹介
本校は昭和22年4月1日に大阪市立城東第二中学校として創立され、昭和24年5月1日に大阪市立蒲生中学校に改称して現在に至ります。教育の基本理念は『共に生き、共に育つ』です。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。