中学生からの漢検実施で、高い語彙力とチャレンジ精神を育成／中学校／千葉

■漢検で論理的な思考力の基礎となる高い語彙力を早期に身につける
　本校では、日常の学習の理解度を客観的に確認するとともに、具体的な目標に向けたチャレンジ精神を育成するため、英語検定・数学検定・漢字検定を必修として生徒全員が受検しています。国語科では「豊かな想像力と、論理的な思考力の基礎を育む」ことをテーマに、活発な言語活動・表現活動に取り組んでいます。その基礎にもなる語彙力を早期に身につけられるように漢検を年に3回実施しています。第1回、第2回は全校生徒が受検し、第3回については第1回・第2回で目標級に合格できなかった生徒が再挑戦する機会としています。合格目標級として1年生は4級、2年生は3級、3年生は準2級を設定しています。早い段階で目標級に合格した生徒には、次の検定回でさらに上の級を受検させています。こうした積極的な検定実施の背景として、本校が中高一貫校であることが挙げられます。本校では高校入試がないため、中学生は時間的にゆとりがあります。高校進学後は各生徒の将来の夢や目標に向けた主体的な取り組みがあるため、中学生のうちに検定を受検し、他教科での学習や進学後にも通用する語彙力を身につけてほしいと考えています。
　

■“反復練習”と“意味理解”に重点を置いた語彙学習
　漢検に向けた指導は授業時間に組み込んでいます。生徒には漢字練習帳を持たせ、間違えた場合に出題漢字を5回書き直すというルールも設けています。送り仮名がある問題は送り仮名まで、読み問題の場合でも「漢字」と「読み」どちらも書かせています。また、学習した漢字の意味調べも推奨しています。「繰り返し練習すること」と「意味を理解すること」で語彙の定着を図っています。
　また、生徒がスモールステップで四字熟語を習得できるよう、2年生には四字熟語の小テストを週に1回実施しています。漢検3級の出題範囲の四字熟語とその意味が書かれたリストをあらかじめ生徒に配布し、その中から15個程度を小テスト1回分の範囲として出題します。中間・期末テストではこれまでの小テストの全範囲を四字熟語問題の出題対象としています。
　

■学校全体の仕組みとして検定を運営する
　年度末に翌年度の検定日を決め、学校行事に組み込んでいます。全校実施のため、申込用紙は国語の授業内で生徒に記入させ、国語科教員がとりまとめて事務と連携して申し込みます。検定料は授業料から引き落としています。
　検定日当日は複数の教室に分かれて試験を実施し、国語科教員だけでなく他教科の教員も試験監督にあたります。他の検定を実施する際も担当教員と他教科の教員で協働して試験を運営しており、学校行事として教員同士が協力し合う環境ができています。
　

■表彰支援制度で生徒の学習意欲をアップさせる
　生徒の学習成果を認める機会として、学期末の終業式で、全校生徒の前で表彰する機会を設けています。漢検協会の表彰支援制度(※)を活用し、2級を合格した生徒や最も高い目標級である準２級を最高得点で合格した生徒に最優秀賞を授与しています。優秀賞や努力賞についてはその回の検定結果から相対的に判断し、各学年の目標級以上に合格した生徒や目標級での最高得点で合格した生徒などを対象に表彰しています。表彰された生徒や表彰式の様子は学校だよりにも掲載しています。表彰支援制度は表彰された人の成果を称えるだけでなく、それを見ている生徒にとっても「表彰台を目指して勉強を頑張ろう」というモチベーションにつながると考えています。
　

※ 表彰支援制度
受検者の学習意欲向上を支援するため、「表彰支援セット」（無料）を協会から団体様にお送りする制度です。合否に関わらず、各団体様が独自の基準で生徒を表彰することができます。
詳細やご申請方法については漢検ホームページにてご確認ください。
表彰支援制度のご案内 | 団体受検 | 日本漢字能力検定 (kanken.or.jp)

※掲載内容（所属団体、役職名等）は取材時のものです。

他団体の事例検索はこちら