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中学校

PBTとCBTの併用で2級到達者率を高めています/中学校/神奈川

重富 克史 先生

関東 / 神奈川

[私立] 中央大学附属横浜中学校・高等学校

重富 克史 先生

本校が資格取得を生徒に推奨する理由

 本校は、将来どのような環境や状況になっても自分の力で生きていける人材を輩出したいと考えています。大学の付属校ではありますが、自分の将来を考えた時に、希望の進路を実現できる実力を持った生徒を育てていきたいと考えています。そのために必要な"確かな学力"を育成するため、校内における各種資格の取得に関しても積極的に取り組んでいます。生徒たちが資格試験に積極的に挑戦する姿勢を育むと同時に、検定合格に向けて毎日コツコツと学び続ける学習習慣を身につけて欲しいと考えているからです。
 これらを実現するための仕組みのひとつとして、中央大学への内部推薦では、漢検・英検・数検について、準2級以上を取得している生徒には点数が加算されます。具体的な進路面においても資格取得が有利に働くよう、生徒にとってのメリットを設定しているのです。

漢字・日本語を学ぶ意義

 本校の校長は英語の教員ですが、常々こう言っています。「グローバルというと、英語が得意で世界に通じた人材が求められていると思われがちだが、私はそれよりも自国の理解の方が先決だと思う。各国の人々が、自己の来歴や立ち位置を理解し、それぞれの特色を発揮しながらも、それらが全体として調和していることが真のグローバルである。日本人であれば、まず日本のことを良く理解し、日本の良さを語れることが重要。」それを受けて国語科としても、日本人が培ってきた価値観・歴史観・文化観などは、日本語の中に集約され、受け継がれていると考えています。グローバルの前提となる自国理解のためにも、日本人にとって漢字を始めとする日本語の習得は必要不可欠なのです。
 また、私は文字の表記は非常に大切だと考えています。生徒たちを見ていると、ある年代を境に、学力は高いが漢字の表記の仕方が乱れてきたように感じます。書き順も含め、以前ほど反復訓練を行わなくなっているようです。このような表記の乱れを放置すると、やがては先人の残した文献が読み取れなくなっていき、貴重な過去の遺産を引き継げなくなってしまうでしょう。過去を無視して新しい物は生み出せません。過去から現在への流れを知り、そこから今を知ることが肝要です。先述した通り、自国が受け継いできた遺産を知らずして、真の"日本人"は育まれません。その意味でも、漢字や日本語を正しく表記することは、全ての生徒に必須の技能だと考えています。
 このような理念のもと、本校の国語科では、漢字を始めとする日本語の指導に力を入れています。その一環として、漢検も積極的に活用しています。

漢検の運用方法(紙とコンピューターの併用)

写真:漢検CBT受検の様子
写真:漢検CBT受検の様子

 漢検の到達目標は、中学3年生で準2級、高校2年生までに2級と定めていますが、生徒達にはなるべく早い段階で2級に到達するよう指導しています。そうして理解できる語彙が増えることによって、評論文や小説などを読む際の奥行きが違ってくると考えています。例えば、出題されている対義語の知識は逆接・対比という論理展開の文章読解には必要不可欠です。2級取得後の、学びの深まりや広がりに期待しているのです。
 試験の形態については、PBT(Paper Based Testing、紙で行う試験)とCBT(Computer Based Testing、コンピューターを使って行う試験)を併用しています。PBTは、第2回(秋)検定で中学1年~高校1年までの全員が必ず受検します。学校行事のひとつと位置づけて、生徒が一斉に受検に向かう場をつくっています。その他、第3回(冬)検定で、既に進路が決定した高校3年生に対して受検を薦めるなど、臨機応変に受検を行っています。それ以外に、およそ月1回のペースで漢検CBTの受検機会を設け、不合格者の再受検や、早めに上位級に挑戦したい生徒のための受検機会として活用しています。本校では3つあるパソコンルームのうち1部屋の全てのパソコン(全40台)に漢検CBTシステムをインストールして、受検体制を整えています。検定日の年間スケジュールは年度当初に発表しておきますが、あと少しで合格だったという生徒からすぐに再受検したいという希望が上がった時は、予定外の日程を追加で設定しています。そうして挑戦機会を増やすことで、できるだけ多くの生徒に確実に2級まで到達して欲しいと考えているのです。


学校紹介

校長:田中 好一 生徒数:470名

校舎外観 100年の歴史と伝統を持つ横浜山手女子学園を母体として、2010年に中央大学との法人合併によって中央大学第4番目の附属校となりました。中央大学へと通じる「大学付属校」でありながら、さらなるチャレンジの道も開ける「進学校」としての側面も併せ持つのが、本校の大きな特徴です。濃密な中学・高校生活を過ごして、中央大学への進学を選ぶもよし。さらに大きな空へ羽ばたくのもよし。自分の翼で飛べる生徒を育みたいと考えています。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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