団体受検 取組事例(小・中・高 等)
中学校
「一生モノの知的財産」を手に入れるための「知的文化」が育まれています/中学校/東京
関東 / 東京
[私立] 江戸川女子中学校高等学校
岩倉 茜 先生
「一生モノの知的財産」を全ての生徒に
漢字は日本語の核であり、日本で生まれ育つ誰しもが必ず使う道具です。そして、日本で生活する限り、一生涯使い続けていくものでしょう。漢字は日本人にとって「一生モノの知的財産」といえる存在です。「知的財産」はどれだけ持っていても荷物になることはなく、どれだけ使っても減ることはありません。そんな素敵な財産を、本校の生徒全員が手に入れて卒業していってもらいたいと考えています。
本校では、生徒たちの漢字力向上を目的として、漢検を積極的に導入しています。年に3回の準会場受検を行い、学校で受検できる機会を増やしています。到達目標級として中学3年生で準2級、高校卒業までに2級を掲げ、学校要覧に明記しています。中学1年生は第2回(秋)検定に、全員で4級以上を受検します。既に4級以上を取得している生徒は、ひとつ上の級を受検するよう指導しています。また、中学2~3年生も、年1回以上は必ず受検するように指導しています。特に、中学生にとって最後の受検機会である中学3年生の第3回(冬)検定では、準2級未取得の生徒に対して、今回は必ず受検するよう個別に指導しています。こうすることで、中学生の全員が年に1回以上は必ず受検する仕組みができあがっています。高校生以降は希望者による受検になりますが、それでも多くの生徒が2級到達を目指して挑戦してくれています。
写真:優秀団体賞の表彰状とトロフィー これらの取り組みの結果、平成22年度は協会の成績優秀者表彰団体の部において「優秀団体賞」を受賞することができました(写真参照)。中学生で3級に合格した生徒が大幅に増えたためです。3級は中学校修了レベルですので、義務教育の履修範囲をきちんと修得させられているという、学校の教育力の証明でもあります。今後は、この生徒たちを確実に2級まで到達させていくことが課題だと考えています。高卒までに2級到達という目標をさらに浸透させ、高校生に対する2級到達動機をより高めていくことが大切だと考えています。
学校の「知的文化」づくりに貢献
漢検の成績が向上している背景には、本校の生徒たちが受け継いできた文化が大きく影響していると感じます。本校は部活動も非常に盛んな学校です。生徒たちの間には、先輩たちが残した大会の成績に対して「後輩である自分たちも、それ以上の結果を残さなくては申し訳ない、恥ずかしい、格好悪い」という感覚が強くあります。こういった価値観が、目に見えない文化として、生徒たちの間に受け継がれているのです。このことが、勉学面に関しても良い影響を与えています。即ち「先輩たちが合格した級に、後輩である私たちも合格しないと申し訳ない、恥ずかしい、格好悪い」という感覚が芽生えるのです。到達目標級が学校要覧に明記されているということに加えて、生徒たちの間には「何年生のいつ頃には、何級を取るものだ」という相場観が自然と根付いているのを感じます。これは、本校に培われた「知的文化」のひとつと言えるでしょう。漢検をはじめとする各種検定は、このような「知的文化」づくりにも貢献していると感じます。
最近では、中学2年生で2級に合格する生徒も出始めました。2級は、中学生がまぐれで合格できるレベルではなく、純粋に漢字が好きで「もっと知りたい」という知的好奇心がなくては合格できるものではありません。このようなケースを見るにつけ、「多くの知識を持っていることは、知的で格好良い」というポジティブな価値観も育まれつつあると感じます。
本校の「知的文化」は、ますます進化しています。本校の強みのひとつだと考えています。
学校紹介
校長:木内 英仁 生徒数:1520名
創立以来、生徒と共に、保護者と共に、また時代と共に着実に歩を進めてきた学校です。生徒が希望する進路を実現するためのシステムや、「基礎的な学力」「プレゼンテーション能力」の育成など、様々な進化を遂げています。本校の生徒が大学を卒業する頃、社会における女性の役割は必ずやさらに前進しているでしょう。本校で学んだ生徒たちが広い選択肢を持って自由闊達に羽ばたけるよう、私たちはいかなる努力も惜しまない決意です。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。