団体受検 取組事例(小・中・高 等)
中学校
学校改革の一環として各種検定の校内実施を行っています/中学校/東京
関東 / 東京
[公立] 世田谷区立砧南中学校
校長 岡田 芳廣 先生
学校改革の一環として
私は、平成20年4月に本校の校長に就任しました。当時の本校の雰囲気はあまり落ち着きがなく、関係者評価においても基礎学力の向上が課題とされていました。その一方、部活動は大変盛んで、土日も休まず練習を行っているほどでした。
私は人権尊重教育の視点に立ち、将来自立して生きていくために必要な力と、希望する進路に進むことができる力を、全ての生徒に身につけさせてあげることが、学校と教師の使命と考えています。即ち「基礎学力保障」と「進路保障」です。この考えに基づき、様々な学校改革を実行しました。例えば、地域との連携が不可欠と考え、保護者や卒業生などで構成された「南中支え隊(以下、支え隊)」を結成し、学校の様々な活動に対する支援をいただくことにした。また、土日の部活動の練習を停止することで、家庭学習の時間を確保し、学習習慣の確立を目指しました。
それらの学校改革の一環として、平成21年度より、漢検・英検・数検の校内実施に踏み切りました。学校経営計画の中にも位置付けて、「数学検定、漢字検定、英語検定などを校内で実施して、生徒の学力と学習意欲の向上を図ります」と記載しています。
検定の運営方法
初年度は、「支え隊」が中心となって検定運営を行ってもらいました。生徒への呼びかけと結果の返却は教師が行いますが、申し込み手続きや試験監督などの業務は、「支え隊」の皆さまにご協力いただきました。平成22年度からは、全て教師が行う取り組みへと切り替え、本格的に学校の取り組みへと移行しました。受検者も、回を追うごとに増加していっています。
現在では、多くの教師が校内実施の意義を感じてくれているようです。国語科では授業内にも漢検受験を呼び掛けたり、漢字練習を実施したりしています。それによって、日頃の漢字学習と漢検受検が連動しているので、プラスの相乗効果が見込まれます。また、日頃の努力が社会からも認められるので、生徒たちにとって大きな自信となっているようです。
校内実施の効能
私の教科は数学なのですが、教諭の時よく校内計算コンテストを行いました。全学年統一の問題を作成し、点数による段級を設けました。下級生の中には、上級生の点数を抜く生徒も現れるなど、大変盛り上がったと記憶しています。各種検定は、その全国版で通常の校内テストでは残りがちな "いやいや感" "やらされ感" 払拭し、"わくわく感" を持って自主的に学ぶ姿勢を育むのに、大変効果的です。
また、高校入試の際にも資格取得を評価する高校が増えています。目標を持って取り組んだという事実と、合格まで努力した証として評価してくれるのです。生徒たちにとって、これほど大きな励みはないでしょう。
今、本区では義務教育の充実に向け世田谷9年教育を小中学校で取り組んでいます。今後は、近隣小学校と連携した合同実施も視野に入れていきたいと考えています。
学校紹介
本校の学区域には、多摩川、野川、仙川、砧公園などの豊かな自然と世田谷美術館、砧総合運動場、多摩川緑地グランドなどの文化・スポーツ施設があります。そのような恵まれた環境のもとで、生徒たちは「一人一人が輝ける学校に」を校訓に、日々充実した学校生活を送っています。その中でも部活動が盛んで、本年度は水泳部が都大会男子総合優勝・全国大会優勝、吹奏楽部が東京都吹奏楽コンクールで金賞を受賞しました。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。