団体受検 取組事例(小・中・高 等)
中学校
「早実で身につく学力」のひとつとして「漢検2級」を明示/中学校/東京
関東 / 東京
[私立] 早稲田実業学校中等部
国語科主任 中村 聡 先生
「漢検」の活用で解決したい課題
お陰様で、「ぜひ子供を早実に入れたい」とおっしゃっていただける保護者が増えて参りました。それと同時に、「早実に入ったら身につく学力」を目に見える形で示して欲しいという、保護者の要望の高まりも感じるようになりました。「早実の国語科としてこれをやる」というものを明示する必要が出てきたのです。加えて、卒業生が全員系列大学に進学できるようになり、大学合格実績が学力の証明にならなくなったことも、背景のひとつに挙げらます。
また、この先、入試というハードルのない生徒達の学習意欲を、いかに継続させるかも、本校の大きな課題でした。特に「基礎学力」に関しては日頃の訓練以外に身につける方法がなく、生徒が自ら進んで学ぶことはあまり無い領域です。学習の励みになるもの、達成感があるものを用意する必要性を感じたのです。
さらに、本校の教員には、内部進学生の学力を中学3年間で、高等部から入学してくる生徒と同等のレベルにしておく責務があります。特に昨今、「漢検2級」を取得している受験生が増えました。内部進学生も、中3までに「漢検2級」レベルの漢字力に到達させる必要があるのです。
以上を踏まえた結果、流通性と汎用性の高い「漢検」を活用する、という結論に至ったのです。
保護者説明会で全員2級合格を明言
保護者向けの学校説明会で、中学3年までに全員に「漢検2級」を取得させると明言しています。保護者からも好評価を得ています。
年1回、中学生全員で受検し、その際の検定料は学校が負担しています。1年生で3級、2年生で準2級、3年生で2級の到達を目標としています。緊張感を持たせるために、敢えて目標より下の級には挑戦させません。残念ながら不合格だった場合は、その年度内に個人受検で目標級に合格してくることを課しています。目標級合格者には、学年末の国語の成績に若干の評価を加えるようにしています。生徒にとっては大きな励みとなっているようです。
今後の課題は指導の充実です。現在は、副教材として「ハンディ漢字学習(協会発行)」を全員に持たせています。これからは定期的に過去問題を利用した小テストを行うなど、全員が2級に到達できるような工夫を行っていく予定です。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。