団体受検 取組事例(小・中・高 等)
中学校
国語力の根本は語彙、語彙を豊かにするにはまず漢字。楽しくオープンに漢検を実施。/中学校/愛知
中部 / 愛知
[公立] 豊田市立松平中学校
国語科 森山 正実 先生
写真:第27回全日本少年
軟式野球大会 開会式の様子 本校で定期的に漢検を実施し始めてから7年ほどになります。もともと前任校の選択授業で漢検対策講座を実施していましたので、漢検についてはよく知っており、検定の中身についての不安はありませんでした。また、「国語力の根本は語彙、語彙を豊かにするにはまず漢字」「漢字は社会で求められる基礎学力」という信念を持っていましたので、なるべく安定的にできる限り多くの生徒に機会を提供したいと考え、春・秋・冬の年3回の定期的な実施を決めました。もちろん、生徒の進路において有利になることも理由の1つです。高校入試では調査書に書けますし、大学入試においては学科試験免除等を受けられる大学もあります。また、最近では就職時に漢検資格を問う会社もあるようですので、3級(中学校修了程度)~2級(常用漢字全てが活用できるレベル)の資格は生徒の生涯の武器になると考えています。
春・秋・冬の各検定日は、定期テストから少しでも離れた日を選び、生徒の負担を減らすように配慮しています。これは、準備不足で実力を発揮しきれない生徒を出したくないという思いからです。また、募集においても、楽しく「受検してみようかな」と思わせるように工夫しています。協会から送られてくる「受検案内」と同時に全生徒に配布している「第○回漢字検定のお知らせ」というプリントには、検定日・場所・持ち物・申込方法などと共に私の顔写真を使った架空の「受検者の声(漢検合格でこんな風に人生が変わったという中身)」を掲載し、楽しみながら漢検受検の意味やメリットを理解してもらえるようにしています。さらに、協会から送られてくるポスターを貼る場所も階段や廊下ではなく、昇降口の下駄箱の入り口側に貼るという風に工夫しています。生徒が毎日必ず立ち止まる場所で見落とされないようにしているということです。申込漏れを防ぐために、毎朝の職員打ち合わせで配る「本日の連絡事項メモ」に、漢検締め切りの何日前といった情報を適宜書きこみ、担任から生徒に周知してもらっています。結果的に全てのクラスから満遍なく生徒が受検するという状態になっており、昨年は約37%の生徒が受検しました。
検定の結果は、各クラスでそのまま返却しています。結果は生徒相互で分かってしまうのですが、「やった!」「残念、惜しい!」といった声がオープンに明るく交わされ、さらなる挑戦や再挑戦に自然につながっています。相互に結果が分からないように封筒等に入れて粛々と返すよりも、むしろよいのではないかと感じています。
協会が主催する「今年の漢字」は、生徒に漢字の面白さや奥深さを感じてもらうよい機会だと思います。「今年の漢字」の応募箱(協会から送られてくる)も昇降口の下駄箱のところに置いていますが、昨年は100票近くの投票がありました。漢字への興味を喚起し、漢検受検につなげていくという面でも有効だと感じています。今後、IT化がさらに進みコンピュータ利用が増えれば増えるほど、漢字を正しく活用する能力はより求められるようになります。より多くの生徒に漢字能力を着実に習得させるために、漢検の活用を継続していきたいと考えています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。