団体受検 取組事例(小・中・高 等)
中学校
日頃の地道な漢字学習が、漢検合格につながっています。/中学校/愛知
中部 / 愛知
[公立] 北名古屋市立師勝中学校
国語科 黒田 真由香 先生
写真1:学校の様子 漢検の校内実施を始めてから4年目になります。漢字は日常的に使うもので取り組みやすく、努力が成果として出やすいということもあり、英検と並び多くの生徒が挑戦する人気検定となっています。昨年度は生徒の4人に1人が受検し、3級を受けた生徒の7割以上が合格しました。
漢検対策として特別なことはしていませんが、日頃の漢字学習指導には力を入れ、とにかく「地道に丁寧に」学習させるようにしています。漢字小テストは週に2回程度実施し、夏休みには漢字学習ノートを使い、1日100字を毎日、合計で約4,000字程度を書かせています。漢字学習に近道はなく、何度も繰り返し書くことが大切だと考えているからです。
学習指導要領の中学校修了程度の範囲が3級ですので、受検を希望した生徒には「3級を目指そう」と呼びかけています。日頃地道に学習を積み重ねている生徒にはある程度の実力が備わっていますので、ひるまずに挑戦してもらいたいと思います。
ただし、生徒に無理をさせないようにも配慮しています。漢検と英検の日程は比較的近いことが多く、「今回はどちらにしようかな」と迷う生徒や、「どっちも受けたいのですがいいですか」と相談に来る生徒も少なからずいます。そういった生徒には、「両方の勉強をするのは簡単なことではないよ」「宿題をする時間が取れなくなってしまっては元も子もないよ」とあまり無理な挑戦をしないように助言しています。もちろん、それでも両方を受けたいという強い意志を持っている生徒の場合には、その主体性を尊重することは言うまでもありません。
漢検は、春・秋・冬の年3回校内実施を基本としています。これは、「漢検を受けたい」という生徒の要望に応えるとともに、「公開会場まで行く負担を生徒にかけたくない」「挑戦や再挑戦の機会をなるべく多く作りたい」という教員の思いからです。
検定の実施告知や募集は、国語科教員が行っています。協会の「受検案内」を全員に配布し、漢検の内容について周知します。以前は受検を希望する生徒にのみ受検案内を配っていましたが、受検機会の案内は平等に行いたいという考えから、全員に配布するようにしました。また、協会から送られてくる「漢検ポスター」は各階の廊下に掲示しています。イラスト入りでシンプルな構成のポスターは目に留まりやすく、生徒に好評です。
受検結果の返却は、「1日も早く知りたい」という生徒の気持ちを考え、クラス担任から手渡していますが、中学生の範囲を超えて準2級や2級に合格した生徒は、国語の授業時に改めて紹介し賞賛しています。漢字はやればやっただけできるようになります。他教科は得意ではないが、漢字は得意としている生徒もおり、漢検は、生徒の得意分野作りにも一役買っているように感じます。
写真2:学校の様子 私自身は大学生の時に(教職に就く前に)、漢検2級に合格しました。2級は常用漢字を使いこなす力を問うもので、社会生活や仕事をする上で必須の能力ではないかと考えたからです。入社時に漢検2級の有無を問う会社も増えてきているようですし、どんな仕事でも漢字力は必要となります。中学で3級に合格した生徒たちが高校や大学でも漢検への挑戦を継続してほしいと願っています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。