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漢検は、短期的にも長期的にも生徒の役に立ちます。/中学校/愛知

国語科 吉村 立子 先生

中部 / 愛知

[公立] 南知多町立師崎中学校

国語科 吉村 立子 先生

写真:校訓
写真:校訓
 漢検の校内実施を始めたのは今から8年前です。高校入試で評価されることが増えていましたし、近隣の中学校で実施されていて、評判も良かったことから、教員で話し合い導入を決めました。この8年間に生徒にはもちろん保護者にも漢検を受検し合格することの価値が浸透し、多くの生徒が自然に受検するようになり、昨年度は8割近くの生徒が受検しました。

 漢検は生徒にとって短期的・長期的価値があると思います。短期的には、目前の高校入試において評価されるということです。英検と並んで漢検は多くの高校で評価(中学校修了レベルの3級~準2級が中心)されていますので、この点についての生徒や保護者の関心は高いと感じています。長期的には、社会に出てからも一生使う漢字の能力が身に付けられるということ、および、自分で目標をもって主体的に学ぶという学習習慣が身に付くということです。生徒は、学校で過ごす年月よりもはるかに長い社会生活を送ることになるわけですから、一生役立つ能力や習慣を身に付けることはとても大切だと考えています。

 漢検は年3回学期ごとに実施しています。部活動など日程の都合がつかない生徒がいることもありますし、1度の受検で目指す級に合格できるとは限りませんので、なるべく多くの機会を設けてあげたいと考えているからです。漢検の検定日は各学期に複数用意されていますので、学校・地域の行事等のスケジュールを考慮して日程を決めています。近年は土曜日の午後に検定を実施しています。土曜の午前に部活動に参加し、午後に検定を受検するという生徒が多いからです。

 検定の案内は、協会が発行する「受検案内」と学校で作成した「漢字検定実施について」というプリントを学期毎に全員に配布し、希望者には「検定料納入袋」を渡しています。強く推奨はしていませんが、生徒や保護者の関心は高く、毎回多くの生徒が申し込みをします。生徒がうっかり忘れていた時など、保護者がわざわざ学校まで申込書を持ってくることもあります。また、保護者や小学生の弟妹の受検希望が寄せられることもあり、その場合は学校で一緒に受けられるように配慮しています。

 学校として特別な漢検対策は行っていませんが、生徒に本質的な漢字力が身に付くようにいくつかの「習慣付け」の指導をしています。まず、テストなどで間違えた時に放置せずに「正しく覚え直す」という習慣化です。テストは習得できていない所を明確にし、それを補強するということに大きな意味がありますので、やりっぱなしにならないように留意しています。次に、「自ら調べる」という習慣化です。授業で熟語などの意味を問いかけ、その場で辞書を引いて調べさせます。知らない言葉・わからない言葉をそのままにせずに意味を問うていくことにより、表意文字としての漢字を理解・習得させようとしているわけです。

 漢検が校内で定着すると同時に、協会が主催する「今年の漢字」の校内での活用も進んでいます。授業で、年末に「今年の自分を表す1字」を考えさせたり、新年に「今年1年を表す漢字」を予想させたりすることもあります。身近なテーマでもあり、生徒は積極的に取り組んでいます。

 中学生の範囲である3級はもちろん、準2級や2級に挑戦し合格する生徒も増えてきており、挑戦心が生徒に芽生えてきていることを嬉しく感じています。今後も、生徒のために漢検や「今年の漢字」の活用を継続していきたいと考えています。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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