団体受検 取組事例(小・中・高 等)
高校
漢検、文章検を活用して効率的な学習指導に取り組んでいます。/高校/熊本
九州・沖縄 / 熊本
[私立] 熊本中央高等学校
中村 愛 先生
検定活用の目的
検定は学力の異なる生徒の基礎学力を向上させるための学習教材として活用しています。本校では漢検・文章検だけでなく英検・数検についても同様の理由から取り組ませています。
検定のメリットは2点あると考えています。
(1)級によって難易度が分かれているため、生徒が実力に応じて目標を設定し、学習ができる。
(2)「検定合格」という目標ができることで、生徒の自学自習の促進に繋がる。
検定という仕組みを活用することで、生徒個々人のモチベーションを高め、可能な限り自学自習によって基礎学力を定着させたいと考えています。
生徒が希望する進路が進学であろうが就職であろうが、大学入学共通テストや志望動機作成・小論文対策として資料や文章を読解し記述しなければならないシーンが多数あります。そのような中で、漢検の学習で培った語彙力を活かして、文章や資料を正確に読み取り、自分の意見を表現できるようになってほしいと考えています。その努力の過程を目に見える結果として、合格を掴んで資格を取得してほしいと考えています。
漢字検定の取り組み/漢検合格という経験が生徒の自発的な学びに繋がる
<漢検実施の目的>
進学・就職問わず進路を選択するにあたって、語彙力を高校生のうちに身につけることは大切です。大学入学共通テストに対応するためにも資料を読み解く読解力が必要になりますが、この読解力を身につけるためにも語彙力は必要になります。漢字学習はしっかり学習すれば、確実に成果のでる学習領域です。そのため漢検は努力が結果に反映されやすい検定だと考えています。上の級や他の検定に積極的に挑戦している姿が見受けられ、漢検合格という経験が生徒の自発的な学びに繋がっていると感じています。不合格になってしまった生徒からも「あと●点で合格できるから、次回頑張ろう」という前向きな声があがっています。
<取り組みについて>
漢検に取り組ませるクラスに関しては、年度ごとに国語科と学年団で習熟度をもとに検討し、調整しており、全員で漢検に取り組んでいるクラスもあります。全員で取り組むことで「みんなで漢検に合格しよう」という雰囲気を醸成することができ、教員側も授業間のすきま時間を使って、漢検の対策を行うことが可能です。また、全員で漢検に取り組むことが決まっているクラスでは、年度当初に諸経費として検定料を徴収することで、集金業務の負担を軽減できるように努めています。
学校として設定している到達目標級はありませんが、個人的には高校卒業時までに準2級に合格してほしいと考えています。受検級を決定する際は、中学校での学習内容の振り返りを踏まえて4級レベルのプリントから取り組ませており、入学前にすでに上位級を取得している生徒には個別に対応しています。
●早期から検定問題に触れることで弱点対策につなげる
検定対策の書籍には漢検協会が出版する「漢検 過去問題集」および他社出版の問題集を購入しています。過去問題集を選んだ理由は実際の検定問題に早期から触れることが大切であると考えているためです。また、実際の検定問題に触れることによって、弱点となる分野を生徒自身が知ることができるため、受検までに対策を行いやすくなる点もポイントとして挙げられます。担当の先生によって指導の方法は異なりますが、過去問題集を何度も解かせて自己採点の結果を記録させていたり、こまめに小テストを行っていたりします。解いていくうちに確実に点数が上がっていくので、そこで生徒の頑張りを褒めるようにしています。指導の段階から「努力→結果」という成功体験を積ませることで、学習意欲が高まるように工夫しています。また、1・2年生次の進路ガイダンスでも将来の進路実現のために早期から資格取得をするメリットを伝えることで、受検に向けてのモチベーションを高めるように図っています。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。