団体受検 取組事例(小・中・高 等)
高校
学習習慣、漢字能力・語彙力を身につけた「那高生」の育成に向けて/高校/和歌山
近畿 / 和歌山
[公立] 和歌山県立那賀高等学校
国語科 森本奈歌子 先生
●学び続ける『「那高生」』の実現に向けて
本校は「自ら学び鍛える那高生」「地域に貢献する那高生」の2つを学校教育目標として掲げており、これらの学校教育目標の実現に向けて日々様々な教育活動を実践しています。例えば、<生徒と社会をつなげて、生徒が進んで学ぶきっかけ>を作り出すために、国語科において大阪経済大学が主催する「17歳からのメッセージ」や、伊藤園が主催する「お~いお茶新俳句大賞」に、十数年以上にわたって、毎年1・2年生全員が取り組んでいます。
●漢字検定の学習を通じて、学ぶ習慣や漢字能力・語彙力を育む
<実施目的>
漢字検定は学習習慣や漢字能力・語彙力を定着させるために年3回希望者を募って取り組ませており、例年100名以上の受検希望者が集まります。今の高校生は新聞を読んだり読書をしたりする習慣がほとんどない世代であり、語彙力の低下が叫ばれています。そのため漢字検定の学習を通じて漢字能力・語彙力を身につけてほしいと考えています。漢字能力・語彙力が身についていると深みをもった自己推薦書や小論文を書くことができますし、面接でも適切な言葉で面接官に伝えることができます。また、漢字検定の級取得は大学入試においてもPR事項になります。今までの本校の2級の合格率は約30%ほどですが、個人的には漢字検定の合格率を50%以上にしたいと考えています。(※)
(※)2021年度における全国の高校生の合格率 2級…21.4%
<募集方法>
漢字検定の募集をする際には、あらかじめ生徒に前年度の本校の合格率を伝えています。「日常的に使っている漢字なのに、しっかりと勉強しないと合格できないのか」と驚く生徒も多く、受検にあたって良い刺激になっていると感じています。漢字検定の募集対象級は原則2級と準2級のみとしていますが、合格を体験することも大切だと考えているため、3級以下であっても生徒から希望があった場合は受け付けます。
<取組内容>
基本的には漢字検定の対策は自学自習がメインですが、現代文の授業で週に1回漢字の小テストを全学年で行っています。毎回の小テストでは、課題とする問題集の中から約20ページを出題範囲としており、高校3年間を通じて1冊の問題集を計3周します。
また、漢字検定実施の際の控除金を利用して「漢検 分野別問題集」を国語科で購入しています。「漢検 分野別問題集」や今までにストックした過去問題は図書館に置き、自由に生徒が借りることができるようにしています。数ある対策書籍の中でも「漢検 分野別問題集」を選んだ理由は2つあります。
1つ目は弱点を集中的に対策することができるためです。本校の場合、「漢字の部首」を苦手とする生徒が一定数います。「漢字の部首」は小学校を卒業すると、なかなか学習する機会のない分野ですが、そういった分野を集中的に学習することができることが魅力的だと感じています。また、残念ながら前回不合格になってしまった生徒にも「次回は○○の分野を対策すると合格に近づけるね」と声掛けをする際にも活用できます。
2つ目は、大学の入試対策としても活用できるからです。本校の生徒も一定数が志望するとある関西の私立大学では、漢字の熟語の構成や対義語・類義語等を数多く入試問題で出題します。その大学の入試対策としても有用であると感じています。
検定日の約1週間前には受検する一人ひとりに担任の教員を通じてプリントを配付します。プリントには検定日当日の案内事項とあわせて、検定受検に向けたメッセージや漢検協会のホームページに記載されている高校生の合格体験記を掲載しています。受検する生徒がこのプリントを見て、検定日までの残りの期間をより一層学習に励むきっかけにしてほしいと考えています。
●日ごろの努力の結果、漢字検定協会から「最優秀団体賞」を受賞
受検後には、答え合わせをかねて受検した生徒どうしで学習する様子も見受けられ、生徒にとって漢字検定の受検がとても良い刺激になっていると感じています。生徒の日ごろの努力の結果、本年度は大幅に合格率が上がり、漢字検定協会から「最優秀団体賞」を受賞することができました。これからも学習習慣や漢字能力、語彙力が定着するように取り組んでいきたいと思います。
※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。